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【飛鳥II 2024 世界一周】32日目:航海士さん気分を味わいました

2024年5月6日、航海士さんの気分を味わうことができました。
32日目の出来事について、お話します。


あさ

くらいりゆう

毎朝6時頃にウォーキングをしているのですが、以前は日の出前後で明るい中だったのが、最近はずっと星空の下で不思議に思っていました。
これは、船内時刻と経度位置のズレによるもの、だとアスカデイリーで教えてもらいました。

星空撮影は相変わらずニガテです(笑)

ちなみに船内時刻は、次の寄港地の時刻に合わせて調整されています。
「時刻改正」のお知らせが来ると、次の日の早朝2時に船内の時刻が1時間変わります。

時刻は次の寄港地テネリフェと同じ時刻なのですが、経度のずれだけでなく、サマータイムでもあることにより、さらに日出没時刻が遅くなってしまっているのだそうです。
普段なにげなく過ぎていく時刻ですが、日出没時刻に合うように世界的に調整されているのだと実感することができました。

すむーじー

今日のスムージーは、ブルーベリーとストロベリーとラズベリーのミックスベリーでした。
ベリーミックスはいつもおいしいです。

ほうそう

8:50のブリッジからの放送は、面舵&取舵について、でした。

右に曲げる時は「面舵」、左に曲げる時は「取舵」といいます。
なぜ「おも」舵「とり」舵なのかは、十二支を用いて方向を示す方法からきているそうです。

子(ねずみ)を真上(北)にして、時計回りに十二支を配置すると、右真横(東)に来るのは卯(うさぎ)で、左真横(西)は酉(とり)になります。
卯の面の舵「うむかじ」から面舵、酉の方の舵「とりのかじ」から取舵、となったそうです。

この号令の発祥である江戸時代には、十二支を時計回りではなく反時計回り、すなわち卯の方向が左で、酉の方向が右に配置された和磁石が多用されていたとか。
さらに、舵は舵板に直接繋がった舵柄によって操作されており、曲がりたい方向と逆の方向に舵をとっていたそうです。
つまり、左の卯の方向に舵をとれば船が右に曲がり、右の酉の方向に舵を取れば船が左に曲がるのだそうです。
・・・左右ややこしい・・・ですよね・・・。

現在、飛鳥IIや貨物線などで用いられてい操舵号令は、英語を共通言語とした、国際海事機構による「標準海事通信用語集」に基づいているそうです。
寄港地に着く前には、その地の水先人が飛鳥IIに乗船して入出港していることもありますし、円滑かつ誤解のない号令が使われているんですね。

けんがく

なんと、ブリッジ(操舵室)の見学がありました。
午前と午後、それぞれ1時間、自由に出入して、自由に見て回ることができました。
普段のクルーズでは開催されないブリッジ見学、貴重な経験過ぎて、午前と午後の両方行ってしまいました(笑)。

機器、図面、道具などなど、初めて見るものばかりで、わくわくが止まりません。

数人の航海士さんが、質問に丁寧に答えてくださいます。
せっかくなので、伺ったお話の一部をご紹介します。

  • 船のバランスを取るために使う海水のことを、「バラスト水」というそうです。
    海水はいくらでもあるので、出し入れ自由なのかな?と思ってしまいましたが、海水に含まれる海洋生物が外来種として生態系に影響を与えてしまうため、国際条約による規制が進められているそうです。

  • 船同士がぶつかりそうな時、右側にいる船が必ず避ける決まりになってるそうです。
    回避の決まりは、「海道速力予防法」で定められています。
    ちなみに、船に最も近づく点をCPA(Closest Point of Approach)というそうです。
    なお、船同士は、VHF(Very High Frequency)で交信するそうです。

  • 船周辺の雲は、ドップラーレーダーで検知しているそうです。
    船の上部でぐるぐる回っていたのは、レーダーだったんですね。

  • 船尾からの風のことを、「真艫(まとも)」というそうです。
    今後「まともな風」と聞いたら、「真面」か「真艫」のどちらの意味なのか注意しなくちゃと思いました(笑)。

  • 飛鳥IIは、発電機を回して電気を作り、その電気でさらにプロペラを回して前進しているのだそうです。
    余談ですが、飛鳥IIの電気推進について検索してみたら、解説文書を見つけました。

  • ブリッジの左右両側についているこの場所では、船の操縦もできるそうです。
    入出港の時に必ず船長さんたちがいらっしゃる場所です。

    コンパスのデザインがめっちゃかっこいいです。

  • 船の揺れ具合などの確認のために、ブリッジ内のモニタにはいつもプールがリアルタイムで写されているそうです。
    お仕事中に泳いでる人見たら、一緒に泳ぎたくなっちゃいそうです(笑)。

  • このアイテムは、針が砂の上に船の揺れの軌跡をつくり、船の揺れ具合と方向を確認するものだそうです。
    シンプルながら素敵なデザインのアイテムだなぁと思いました。
    以前使用されていたのが今も飾ってある理由がなんとなくわかります。

  • 飛鳥IIが通れる最低水深は、約10mぐらいだそうです。
    普段海上に見えている部分(5デッキ以上)しか知らないので、海面下の機関室や船員室などのデッキ部分は、階層もあって広そうだなぁと思いました。

  • 各寄港地のターミナルに着くとき、左舷側にするか、右舷側にするか、は、陸からの指示や港の形などで決めているそうです。
    これまで左舷側が多かったように思ったのですが、たまたまだったんですね。

  • ブリッジの神棚には、金毘羅山の木札などがお祀りされていました。
    お札は、航海を祈願して船長さんたちがお参りしていただいてきたものだそうです。
    初めて知ったんですが、金比羅山って、航海の神様でもあったんですね。
    そういえば「金毘羅船々」っていう歌があったなぁと思いました。

いんくあーと

アルコールインクアート教室に参加しました。
こちらは、アルコールインクアートとプリザーブドフラワーを写真フレームに飾ってアレンジする教室です。
アルコールインクアートは、複数の色のインクをたらして、その広がりや流れや混ざりなどでアートを作り出します。

偶然できると言っても過言ではないインクの模様を、どれだけ意識的に作り出すか頭をひねってしまいましたが、なんとかアレンジできて良かったです。

よる

本日はインフォーマルの日だったので、おしゃれをしておでかけしました。

しょー

石塚隆充さんによる「情熱のスパニッシュナイト」がありました。

フラメンコの曲やフラメンコ風日本の歌まで幅広く演奏されていました。
私的にはチック・コリアのスペインを演奏してくださったのが嬉しかったです。
次の寄港地テネリフェに向けてスペインへの気持ちが高まりました。

ごはん

夕食はイタリアンでした。
イタリアンの日は、赤緑白のナプキンが並び、ウエイターさんの蝶ネクタイも赤緑白のイタリア色になるので楽しいです。
特に、パスタと包み焼きのパリパリが絶品でした。

おわりに

飛鳥II 2024年 世界一周クルーズ 32日目の出来事について、お話しました。

ブリッジ見学で、航海士さんがいつも見ている景色や機器を見て、航海士さんの日常気分を味わうことができた1日でした。

次は、33日目について、お話します。


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