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40過ぎ未経験の私がトップセラーになるまで(1)

👠元ラグジュアリーブランドトップセラーの記録


私がラグジュアリーブランドで働き始めたのは、40歳過ぎてから。
それまでアパレル業界での経験は無く、大好きなブランドではあるけれど
仕事となると何もかもが初めての世界。

すでに40過ぎでマネジメント経験はあるし、普通ならばマネジメント職に就いている筈なのだけれど…
アパレル業界のしかもラグジュアリーブランド経験のない私は、一番下っ端の販売員からのスタートとなった。

40過ぎて初めて飛び込んだ世界。業務は至って簡単そうに見えるのに、毎日何をやったらいいのか分からないジレンマに陥った。
とんでもなく場違いなところへ来てしまった。
数日も経たない間に、何度辞めようと思ったことか…

それでも辞めずに続けたのは、もともと大好だったブランドを内側から深く知ると、外からは見えない魅力が想像以上に詰まっていたこと、知れば知るほどブランド愛が強くなっていったこと、そこで働く仲間が本当に素敵な人たちだったこと、それがあまりに魅力的だったからに尽きる。

当時、数々の歴史あるラグジュアリーブランドがひしめく業界にあって、若いブランドであり、個性溢れるオーナー企業は特殊で、会社も組織とは名ばかりの、ただ好きな人たちが集まった集団に近かった。

組織は機能せず曖昧なところも多々ある代わりに、いい意味でとても自由。
本社と店舗の距離感は近く、表すならば、正に「家族」。
とても暖かい思いやりに溢れた人々と共に、愛するブランドのために仕事をすることが、つまらない訳がなかった。


私が所属していた店舗には、不動のナンバーワントップセラーがいた。小さくて可愛いギャル上がりの彼女の前で、どんなマダムも強面の男性も喜んで二つ三つと買っていった。

ラグジュアリーブランドにギャル風の彼女、目にも止まらぬ速さで接客に付いては決めて帰ってくる。

なぜなの?なぜなの?なぜなの?
毎日ハテナ?でいっぱいだった。

【次回は、なぜ彼女はこんなに売るのか?ナンバーワンの秘密】



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