娘がバレエを習っていたこと
娘が年少の頃だっただろうか。バレエを習わせており、結果的に 1 年くらいで (朧げ) 退会することになった。
習い事から撤退した経験値にもなったが当時は少しほろ苦い思いもした。
だいぶ前のことでもあるが、少し振り返ってみる。
親の理想の習い事
子の習い事なんて、未就学児の間は親の好みだったり誘導によるものが多い。幼い子供がある日突然「私はこれがやりたい!」と目覚めるはずはないからある意味当然だ。
第一子が女児で、私にはかねてよりバレエという、私にとっては遠く理想だけ持っていた世界があったことを思い起こしてしまっていた。
大人になってダンスを始めてみようと思ったことがあり、いろんなダンスレッスンを検討したが、バレエだけは一番ハードルが高く感じていた。
「バイオリン」や「フィギュアスケート」などと同様に、幼き頃からやっている選ばれた者のみできる種目だと思っていた。
※第一、私は絶望的に身体が硬かった。
それでも舞台に上がってスポットライトを浴びること、そして、大学時代の友人がバレエ経験者で、姿勢と歩き方が綺麗なことに憧れがあった。
そしてその叶わない憧れを、娘に託してしまったのだ。(恥)
退会した理由
ではせっかく夢を託して始めたバレエの習い事を、なぜ退会することになったのか。
端的に言うと、一番の理由は私がその世界に合わなかったからだ。
※以降は、バレエに親交がある方々が読まれたらご不快に思われるかもしれません。申し訳ありません。
私はもともと大雑把で男勝りで女子力も低く、バレエのような優雅な世界とは対極に生きる人間であった。(←今更…)
バレエの習い事を始めて、私としては共働きなので男親女親関係なくフォローする体制を組んでいきたかったところ、どうしても女親じゃないといけない場面が多く出てくることに違和感があった。(そしてその違和感を払拭するほどその世界に没頭できなかったと言うのが正しい)
私は娘には楽しんで習い事をやって欲しかったけれど、規律を重んじられるその教室は、若干窮屈そうに見えた。
毎回行くたびに髪型をセットしないといけないのも正直面倒だった。(←
発表会には 1 度だけ参加した。
始めて間もない娘は、演目の大半を一番端っこで片膝立てポーズで終始し、発表会の数ヶ月前から練習は始まっていたが、ずっと同じポーズでいるレッスン中の娘を見て、仕方ないことと思いつつ切ない気持ちにはなった。
発表会も、メイク道具やバレエグッズをとあるブランドで新規に購入することが必須となり、本気度が高くないと続けていけないかもなと益々腰が引けていった。
最終的に娘がそこまでバレエに乗り気じゃない姿を見て、退会する決断をした。
退会を告げた時の苦い思い出は今でも忘れられない。
まだ年少の娘なので、親の私から先生に伝えたのだが、先生はその場で娘に「辞めたいの?」とやや詰問口調で聞いたのだ。娘は怖がって言い淀んでいたが、首を縦に振った。
そのやりとりを目の前で見て、ああ、やはり少なくともここでは続けられないと改めて思った。
数年経った今思うこと
あれから何年も経ち、娘は小学 4 年生になっている。
仲良いお友達でバレエを習っている子の話を聞くこともあるが、子自身も、親の私もピクリとも心が揺らぐこともなければ、「あの時続けていればよかった」「またやりたい」と思うことは今のところない。
※私から誘導することはないが、娘が「バレエやりたい」と今後言うことがあったら、もちろん全力で応援したい。(ただ髪の毛のセットなどは自分でやってね)
今は、スイミングや体操や公文などを始め、いろんな習い事を経験しており、それぞれで楽しみややりがいを見つけているようだ。
そして、習い事を撤退したことが今では経験値になっているとすら感じている。
何かにチャレンジして合わなかったら辞めていい、辞めることができないと始めるハードルも高くなってしまう。
そしていろんなことを体験・経験して、その中で自分の好きや得意を見つけていけばいい。
「せっかく始めたのだから」等で足踏みする方が、人生の損失だ。
初期コストがかかったとしても、それは経験値になったと気持ちを切り替えて、いつでも撤退できる余裕を持っていたい。
そんなことを改めて思い起こした、新年度の週末。
※なんでこんなことを考えていたかというと、今年度の習い事の組み合わせやスケジュールについて改めて頭を悩ませており、要は考えるのに疲れて、別のことを考えていた (テスト前夜に勉強しようとして部屋の片付けをし始めるに近い) というわけでやんす。
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