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仕事の過労とストレスで自律神経失調状態になった女性会社員が、楽しく気楽に仕事ができるようになった話

「あー、また残業か」
来週の報告資料の作成に修正が入った。
「この資料作り、意味ないよな」
前を見ると、同僚がペン回しをしている。
「もう、気が散るなあ、早く帰りたいわ~」

私は勤続15年の会社員。
大学卒業後、就職して仕事一筋。同じ会社で勤務している。

仕事がうまくいったときの達成感を味わえるのは嬉しかったが、特に仕事が好きという訳ではなく、これといった目標もなかった。
上司の指示に従い与えられた仕事をこなしていく毎日を過ごしていたら、いつの間にか中堅といわれる年代になった。
近年、女性の活躍が叫ばれているが、
わたしの会社は女性社員が少ないこともあり、嫌でも昇進の対象になった。
私自身は昇進に興味がなかったが、結果的に係長という役職が付いた。
昇進したと聞くと、喜ばしいことに聞こえるかもしれないが、責任が重くなるプレッシャーの方が大きく素直に喜べなかった。

係長になったあとは、研修や後輩への指導の機会等も増え、朝会社に行き仕事をして、家に帰って寝るだけの生活が続くこともあった。

そんな毎日を繰り返していたある日のお昼休み、社員食堂でご飯を食べようとすると、気持ちが悪い。
ご飯を食べようとしても食べられない。
ガチャガチャ。ガヤガヤ。
周りの話声や食器の音がいつもより大きく聞こえ、頭の中で響く。
「気持ち悪い」
我慢ができず、言葉が漏れた。
心配してくれた同僚が医務室に連れていってくれることに。
「食器は片づけておくね」
食堂に残ったもう一人の同僚のことばに、うなずくことしかできなかった。
同僚に支えらえて医務室に行った。

医務室に着きしばらくベッドで横になると、気持ち悪さは収まった。

原因が分からないまま、その日は1時間ほど残業をし、帰宅した。

翌朝。
気持ち悪いし、体がだるくて起きられない。熱を測ると微熱もある。
その日は仕事を休むことにした。
翌日もその翌日も同じような状態が続いた。
過労とストレスで自律神経のバランスが乱れてしまったのだ。
結局、休職することになった。

休職し、体調が少し落ち着いたころ、このままでいいのか?という疑問が湧いてきた。
今後の人生について考え始めた。
もちろん仕事中心の人生という選択肢もある、でも本当にそれでよいのか?しかも体調まで崩して。

心療内科の先生に
「納得できないことが多かったんじゃない?」
と聞かれた。
「多かったです」

そう、『仕事をやるからには会社にとって意味のある、役立つ仕事をしたい』と思っていたが、当時は疑問に思うことが多かった。

心が体に与える影響は思っている以上に大きいんだなと思い、心の仕組みについて書籍やYouTubeで学んだ。
自己肯定感を高めよう!
自分が安心できる捉え方をしよう!
周りの人との共通点を見つけよう!
など、確かに納得する内容だった。

しかし、具体的にどのように取り組めばよいのか分からなかった。
そんな中、心理学の講座を見つけた。
その講座の案内には、受けたら人生激変!やりたいことが見つかる!楽しく生きられる!ということが強調されていた。
しかもオンラインで受講でき、体力の心配もいらない。
これは受けるしかないと思い、思い切って申し込んだ。

講座は心理学に基づいたもので、感情とは何かやセルフイメージを変える方法など論理的に解説があった。
講座は月1回講義があり、トータルで約1年の受講期間。 

一緒に講座を受けた人の中には、講座終了後、講座の案内通り人生激変した人たちがいた。

講座の最終回、休憩時間に同期数人と話をしていると
「まだやること決まってないけど会社辞めることにした。明日から有給消化!」

「学んだこと提供するために、会社作ることにしたよ」
「沖縄に移住することにした」
など、あちこちから声が聞こえてきた。
清々しい顔でいきいきと話している同期たち。

私にはそんな変化は訪れなかった。
周りが変わっているのに焦る気持ちが出てきた。

講座受講期間中、体調が少し安定してきたので、在宅勤務メインではあるが復職した。
しかし、休職前と業務は変わらずやりがいも感じない。
体調を考慮してもらえ、業務量は減ったのだが、逆に時間が余る。
給料をもらうからには会社に貢献したかったが、体調が休職前の状態までは戻っていなかったので、
「仕事ください。業務量増やしてください」
とは言えなかった。
十分に仕事をしていない罪悪感と、全力で仕事をしたいのにできないもどかしさを感じていた。

これではいけないと思い、転職を考えた。
しかし、体調も万全ではなく不安もあるし、転職しようにも何をしたらよいか、そもそもどんな仕事をしたいか分からなかった。
転職サイトに登録したものの、頭の中で『転職したい』『体調が心配』『やりたいことが分からない』がぐるぐる回り、応募するところまではしなかった。

そんなとき、心理学講座を一緒に受けた同期から、
「いま、コーチングを学んでるのだけど、モニターになってくれない?」
と話があった。

すぐに
「モニターになります、ぜひお願いします」
と回答した。
コーチングがどのようなものか詳しくは知らなかったが、どうしてよいか分からなかったわたしに、救いの手を差し伸べてくれたように感じたのだ。
今度こそ変われるチャンスかもしれない!という期待を持ち、コーチングの日を待った。

コーチングセッションの中では
「なぜそう思うか?」
「本当はどうしたい?」
というような質問がされた。

仕事に追われているときは、ものごとに対して自分がどう感じるか、思うかを深く考えることはなかったので、自分自身について真剣に見つめるよい機会になった。
そのセッションでは、今の仕事を続けるという結論になった。納得できる結論ではあったが、まだ本当にそれでいいのかというモヤモヤ感は少し残っていた。

コーチングというものを知った私は、コーチングについて調べてみた。
Webで検索して見ると、コーチングのモニターを探している人がいることを知ったので、何人かの人からコーチングを受けた。
その中で、コーチングの他に自己理解の重要性について説明してくれたコーチがいた。 
わたしよりも年下の男性だったが、コーチングの実績が数多くあり、大学院時代には心理学を専攻していた人だった。
コーチングはZoomで受けたのだが、話を親身に聞いてくれ、口調も穏やかで、画面越しでも伝わる柔らかい雰囲気で安心感を与えてくれた。
穏やかなセッションの中で
「自己理解を深めることで、人生の方向性が定まります」
コーチに言われた言葉が心に響いた。
そのコーチから本格的にコーチングを受けることに決めた。

コーチングの中で自己理解をしていくと思っていたのだが、最初にしたことは、コーチングを受けることではなく、【自分で自分を理解すること・自分の価値観】を知ることだった。
コーチからは、価値観の言語化、順位付け、それらのつながりを考えることの指示があった。
期限は2週間。
2週間、実際に使った時間は数時間だけだったが、自分の考え・思いを見える化することで自分を客観視できた。

次にしたのは、一番達成したい目標を考えることだった。
このタイミングで、コーチにコーチングをしてもらい、目標設定をし、セルフコーチングの仕方を教えてもらった。
その後、目標を達成するためにした方が良いと思う行動を考えてリスト化し、それに従った行動をしていった。
その過程でセルフコーチングをしていった。
リストに従った行動、セルフコーチングの繰り返し。
地道な活動であったが、じわじわと効果が感じられた。

体調は徐々に安定して、在宅勤務メインだったのが、週2日出社となり会社で勤務する日が増えた。
そして不思議なことに仕事内容にもやりがいを持てるようになった。
仕事内容を改めてみたときに、自分の強みが生かせることに気づいたのだ。
上司、同僚ともの関係も良好。
上司、同僚に対して、我慢をせず自分の気持ちを伝えることができるようになった。

これからは、仕事だけでなく、プライベートも充実させたいと思っている。
そのためにも、引き続き、行動リストに従った行動とセルフコーチングの実践を続けていきたいと思う。
また、私のように悩んでいる人が少しでも前向きに過ごせる方法の一つとして、私の体験と自己理解とセルフコーチングを多くの人に届ける活動もしていきたい。

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