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【読書】読書傾向(年代別)から見える、機会損失

◆概要

 学生時代はほとんど本を読まない人種でしたが、一転して年間100冊以上は最低でも本を読むと決めて、習慣化してそれを実行してきました。また、これまでnoteで何テーマかほそぼそと記事を書きました。それらから得られた仮説は、読書についての需要があるのではないか、ということ。読書の重要性はわかっているものの読みたいのになかなか読めない、という声が聞こえてくる気がします。

 他の記事と少し重なりますが、読書傾向について持論を書きます。読書に関する統計から、実像が見えてきます。前回は本を継続して読むコツ3点を書きました。本が好きなので、読書人口が増え、出版業界が盛り上がればうれしいです。

◆これまでの記事

 47.3%の人は1か月に1冊も本を読まない → 本を継続して読むコツ3点

◆「国語に関する世論調査」(文化庁)

調査目的: 文化庁が平成7年度から毎年実施しているもので、日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査し、国語施策の立案に資するとともに、国民の国語に関する興味・関心を喚起する。(文化庁HP 統計・調査研究等より抜粋)

 毎年実施されている上記調査ですが、ある年度は敬語について、またある年度は外国人・コミュニケーションについて、と毎年質問内容が変わります。前回記事では読書量について平成30年度からデータを引用しました。今回は、読書傾向について平成25年度データから以下の通り引用しつつコメントします。

◆1か月に読む本の冊数

1か月に読む本の冊数 = 読まない(0冊) が約半数に近く、これほどとは…という感じでしょうか。また、徐々に読まない層が増えてきています。デジタルデバイスの普及によりSNS、YouTube、ネット閲覧等に時間を使っているので、体感としてもわかりやすい傾向です。

 私は年間100冊読書が目安(月平均8~10冊)なので、7冊以上の層(3.6%)に分類されます。グラフでは私も読む層に分類されますが、上を見ればきりがなく、データから読み取れない中には200、300冊以上の変態(尊敬してます)もいます。

自己投資で周りと差をつけたいなら、読書をすれば、少ない労力で効果が大きいと思います。1か月に1冊読むだけで、半数の人を超えることになります。まぁ数が重要なわけではないんですが、たったの1冊ですらみんな読んでないということです。

◆1か月に本を1冊も読まない[年齢別]

 先程同様、読書離れ傾向は進んでいます。

 若年層が全然読まなくなっているかと思いきや、60代以降が特に目に付きます。若者は勉強しないとかバカになったとか、スマホばかりいじっている、なんて偉そうなことが言えるのでしょうか…?60代以降の読書離れは、老眼がひとつの原因になっていることは予想できます。しかし、今は目を使わずとも耳で読める(聴ける)オーディオブックもあります(知らない可能性もあります…)。老後時間の活用に読書は有意義だと個人的には考えますが…。非常に残念です。

 16~19歳が20年度→25年度で持ち直しているのは素晴らしいことです。思い直すきっかけでもあったのでしょうか?読書系ユーチューバーのおかげ?

 30代の時期に本を読まなくなるのは、私も30代の端くれとしてよく理解できます。仕事の多様化し責任も増える時期、人によっては子育ても手のかかる時期。14年度とカタチが違うのは、共働き傾向の違いでしょうか。時間が足りなくなる傾向にあるのはよくわかります。だからといって私は年間100冊程度の読書であればやれないとは思いません。継続します(自分を追い込むためにもここで宣言)。

◆人が最も読書すべき時期はいつ頃だと考えるか

 子ども・学生のうちに読んでおけ派と、年齢に関係なくいつでも・特にそういう時期はない派の2つに別れている印象。私は断然、年齢に関係なくいつでも派です。この層が減少傾向にあるのは悲しい。学生の時に勉強しておく、知識をつけておく、なんて考え方は、捨て去った方が良いです。何歳になっても日々学習が必要ですし、知らないことを知るのは楽しいことです。

◆読書量が減っている理由

出ました、言い訳。圧倒的なのは忙しくて読む時間がない、ということ。あとは予想通りですが、情報機器で時間が取られる、ということ(実感あり)。テレビから情報機器に移ってきている傾向も時代を感じます。

忙しくて読む時間がないというのは、単に優先順位の問題だと考えています。本は、特に年間1冊程度ならなおさら、スキマ時間でいくらでも読めます。本を読みたい、と口で言う割にはその時間さえ確保していない(しなくていいと無意識レベルで思っている)ということ。

 個人的にはテレビはリアルタイムではまったく観ません。観たい番組は録画して、CMを飛ばしながら見ます。その分の時間を読書に充てたり、YouTubeを観たりしています。要は優先順位付けです。両手いっぱいにモノを持っていたら、より良い他のモノが現れても何もつかめませんよね?結局、何かを捨てないと何かを得ることはできません。

◆読書量を増やしたいと思うか[性・年齢別]

全体的にみんな読書量を増やしたいと思っていることは明らかです。不思議なものですが、女性にその傾向が強いようです。若手世代もかなり志が高いです。

 繰り返しになりますが、読書量を増やしたいとこんなにも思っているのにもかかわらず、読書量の結果としては出ていないということ。あとはどれだけ行動に移せるのか、というのがカギなのでしょう。

◆まとめ

 文化庁の調査データについて見てきました。読書すべき・読書したいと思いつつも、できていない現状が表れていたと思います。

 「読書なんてしなくても、ネット検索すればいい」という意見もありますが、私は賛同しかねます。それはなぜか。誰もがネット上で発信できる中、本は著者、出版社等の関係者がプロの仕事として、様々な目を通した後で生き残ったエッセンスが世に出ているからです。本はネット記事に比べて、テーマについて体系的にまとめられていて、全体像を理解しやすいです。古典に至っては長い時間の経過を経ても残っているからこそ、普遍的かつ価値のあるものと言えます。

 読書人口が増えて、出版業界が盛り上がり、周りの人と読んだ本の話で盛り上がれる機会が増えれば幸いです。記事を書き終えたのでまた、読書に戻ることにします。

良き書物を読むことは、過去の最も優れた人達と会話をかわすようなものである。The reading of all good books is like a conversation with the finest minds of past centuries. デカルト(フランスの哲学者、数学者 / 1596~1650)

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