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ロンドンの現地小学校を見学してみて 

現在ロンドンの大学院に留学をしていますが、その目的の一つに子供を現地校に通わせ多様性を感じてもらう事があります。

イギリスは5歳になる年(4歳を迎えた9月)からPrimary School(日本の小学校)が始まります。現在3歳の娘も、来年の9月からこのPrimary Schoolの一番下の学年Receptionへの入学の対象になります。

イギリスは、入学を希望する学校を志望順と共に自治体へ申込み、それを踏まえ判断されます。判断基準は「学校からの距離」が大きく、入学前の子供を持つ多くの親は、常に不動産サイトを見て希望する学校付近への家を探しています。

私もロンドンの部屋を探す際は、周囲にある学校の評判(各学校の評価が政府の公式サイトに記載されいる)を踏まえ探しました。幸い入居できたのは、高い評価を得ている学校に入学できるエリアにある部屋だったので、先日早速目星の学校へ見学に行ってきました。
やはりよい評判を受けているからなのか、学校の理念から活動、雰囲気まで感銘を受けたので今回はその学校のことを書きたいと思います。

その学校はロンドンでも有色人種が多く集まる地区にあります。アジア人は西アジア系の人が多く、また白人もイギリス人のみというよりかは、西欧・東欧各国から来ている人も多いといった感じです。

印象に残った事

児童に求めること

10以上はあったのですが、その中でも印象に残っているのが4つあります。
・「常に相手がどのように感じているかを考え、尊重をすること」
・「気が動転した時や怒りを感じた時こそ、相手と会話をすること」
・「他者を理解することで、過ちを許すこと」
・「自分たちが自分たちであることを誇りに思うこと」

4点目が多分一番重要なのかなと思うのですが、やはり自分を誇りに思ってこそ、自分を表現でき、相手を尊重し許すことができるのかなと考えます。
そして、そもそも求めることが具体的で分かりやすいと思いました。
日本の学校で良く見たのは漢字二文字の言葉が2つ3つ並んでいるものばかりで、具体的なアクションに繋げにくかったなぁ、と。

制作物

実際のクラスを見学をして印象的だったのが、クラス全体での創作物が多いと思ったことです。その中で特に記憶に残っているのは、高学年の子供たちが作った、風景画と人物が書かれた大きなティーポットの制作物です。教材として国立美術館から風景画を借り、その模写を描きつつそこにいる人の肌の色や、当時どんな生活をしていたのかその様子を描いたそうです。その過程で、イギリスに根付いている紅茶の文化がどのようにして流入していったのか歴史も一緒に勉強したとのこと。

先生のことば

少し偉い風な先生が案内してくれたのですが、その方がよく仰っていたのが「私たちはみんな過ちを起こす」ということです。学校は間違えるところだから、間違えたことは決して否定せず、むしろ間違えてもよい雰囲気作りを目指している、と。
実際勉強で躓いた時のために、各クラスにはサポート役の先生を付けており、早くその躓きを解消するようにしているようです。その先生はその躓きをなるべく低学年で気づいてあげることにより、その後の進捗や自信に繋がっていくとおっしゃっていました。
そのためか、先生と子供のインタラクションが私の想像よりとても多く見られた気がします。

また、多人種多文化が混じる学校が故に、それが理由で何か子供間で問題は起こらないかを聞いてみました。それに関しては毅然と対応すると答えつつ、10年以上間この学校に勤めていた中で、そのような事案は片手で数えられるほどしかなかったようです。背景には、子供の保護者は学校の理念を理解して共感する人が多いためだと仰っていました。

今振り返ってみれば、愚問だったかもしれません。そもそも人種のるつぼで
あるロンドンの特に多人種が交わる地区に住んでいる保護者に、そういった理解があるのは当然だったかもしれません。


老若男女問わずウェルビーイングを研究していく上で、このような学校に通わせたら、娘だけでなく親の私も多くを学ぶのかなぁと思うととても楽しみになってきました(^^)





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