良いスピーチの条件とは?その① ~エピソードトーク編~
フリーアナウンサーの広末リサです。
MC/ナレーターとして活動しています。
このnoteでは「伝える」ことにフォーカスを当てて、人前で話すことや伝えることに課題をお持ちの方に届けばよいと思って書いております。
私は今まで国を率いるリーダー、大企業の社長のような人前で話すことに慣れている人から、全く人前で話す機会がない人までいろんな方たちのスピーチを聞いてきました。
そんななかで良いスピーチだな!と思うものに共通していることをシリーズとして記事にしていきますので、良かったら次回の記事もご覧くださいね。
今回の記事では良いスピーチに欠かせないものとして
「エピソードトーク」を挙げてお伝えしていきます!
スピーチの中でとても重要な役割を担うのがエピソードトーク。
具体的なエピソードを盛り込むことで、聞き手にとって興味深いものになりますよね。
エピソードトークはスピーチの要になる部分ですので、そこを極めるのがスピーチ上達への近道です!!!
では、面白くて印象に残るエピソードトークはどうすれば実現するのでしょうか。
ここでは二つの点についてお伝えしていきます。
まず一つ目はこちら。
エピソードトークはバラエティ番組の再現VTR
まず、エピソードを話す際には、5W1H(いつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どのように)をおさえましょう。
いや、それくらい当たり前でしょ、と思われたあなた。
それに加えて、その時のシチュエーション、誰のどんな会話があって、その時あなたがどう思ったのか、できるだけ細かめに再現してみてください。
話す際には再現VTRのようにあなたが登場人物になりきる気持ちでいきましょう。
会話のシーンでは、人物に言葉づかいを似せたり(方言や話し方の特徴があれば)、特徴的な仕草をしたりすると更に興味をそそられます。
あなたがA社の社員だとして、会社人たちの前で話をする機会があるとします。
今年の目標と、そう考えるに至ったエピソードとしてこんな話をしたとしましょう。エピソード(太字部分)に注目してください。
このままでも話としては伝わるのですが、
これを、再現VTRを意識してこんな風に工夫するとどうでしょうか。
後から紹介した文のほうがその場の情景や登場人物の話している様子が浮かんできませんか。
どういったところに気を付ければ再現VTR風に話せるのか、ポイントをお伝えしていきます。
●登場人物の言葉(ここでは社長と自分の言葉)を「かっこ」にして、実際の登場人物の言葉・話し方を可能な限りそのまま入れます。
そうすることで、より登場人物の特徴に近づけられるからです。
●「オフィスに私以外誰もおらず」「カップ麺を食べながら仕事していた」の箇所のようにその時の情景が目に浮かぶような描写を入れて、よりリアル感を出します。
●エピソードの登場人物は、可能であればその場にいる多くの人が知っている人を選びます。
今回のように皆が共通して知っている「社長」について話をすると聞いている人たちの興味をそそり共感を得やすいです。
●声のトーンを会話部分と説明部分で変えると聞いていて会話部分なのだとわかりやすいです。登場人物になりきる気持ちで、落ち込んだのなら落ちた感じの声のトーンで、明るい感じならテンションをあげて楽しそうに話すようにします。
このようなポイントをおさえて、エピソードを話す際には再現VTRを意識してみてください。
これだけで、ぐっと聞き手はあなたの話に引き込まれるはず!!
続いて二つ目にお伝えすることは、スピーチでエピソードを用いるときには、必ず意識すべきことです。
それが、こちら。
はじめとおわりを最初に決める
エピソードを入れる際には、エピソード前後の「はじめ(起)」と「おわり(結)」だけ先に決めてから内容を決めていきましょう。
先ほどの文章であれば
「起」の部分は
「今年の目標は家族が増えたので仕事とプライベートのON/OFFを付けてメリハリのある働き方をすることです。」
「結」の部分は
「この出来事から、働き方を見直し家族との時間もしっかり取れるようにしようと思いました。」
「起」で、目標を掲げており、その後からそう思うに至ったエピソードトークが始まっています。
「結」では、エピソードから考えたあなたの感想が述べられ、それが「起」で最初に話していた目標の部分に繋がりました。
エピソードが、目標を裏付ける役割を果たし、最初から最後まで一貫性があるのではないでしょうか。
「はじめ(起)」と「おわり(結)」を先に決めておくことで、途中で話が違う方向に逸れないようにするのと、「結」に繋がらない不要なことまで話してだらだらと長いエピソードになってしまうことも防ぎます。
時々、エピソードトーク自体はおもしろかったんだけど、なんのために話したエピソードだったんだろう?と思うことがあります。
それは、エピソードを通して何を言いたいのか、つまり「おわり(結)」が定まっていないために起こってしまうことだと思います。
実はこれ、話し上手な人にも起こることなんです。
話し始めるとつい楽しくなって、関係ないことまで喋って、
あれ?結局何が言いたかったんだっけ・・みたいな現象です。
お友達同士の会話では、ありがちな事かも知れません。
しかし、スピーチには必ず目的があるので、ただ面白い話をするのではなく、必ずそこから何が言いたいのかに繋がるようにしましょう。
スピーチ慣れしていなくて不安に思う人でも、「はじまりと終わりさえ決めれば、あとはそれに沿って自分の体験談を話すだけ」と思えば気が楽になりませんか。
いかがでしたか。
エピソードトークは聞き手の心をぐっと掴むスピーチの要です。
面白くしたいからといって、話を誇張したり、慣れないうちからウケを狙ったりする必要はないので、できることから無理をしない程度でいきましょう。
エピソードを用いて、あなただけのオリジナリティあるスピーチを作っていくのです!
ちなみに前回の記事ではスピーチは「私に話している」と感じさせることが大切という観点で書いております。
ご覧になっていない方はそちらもチェックしてみてください。
次回もスピーチのコツ、引き続き伝授していきます!
人前で話す機会がある人、プレゼンやスピーチなどの機会がある人はぜひフォローしてください!
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