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考えの違うパートナーと新しい冒険へ

 夫がアルバイトと研修に行きだして、3週間ほど経った。少しハードに思えるスケジュールも、今のところ大丈夫なようだ。

 疲れはあるものの、退職前の“思うようにいかない疲れ”ではなく、これまでとは別の“学び”があって、疲れるけど楽しいという状況のようだ。

 それと併せて、アルバイト先、研修先のスタッフと話す中で、いま私たちが考えているビジネスプランが有用である感触を得ているらしい。彼らに私たちの構想を話すと、概ね好反応が返ってくるので「これは世の中の役に立ちそうだ」とか「ビジネスとしての需要が見込める」という感触があって、これまでよりも前向きになっている感じ。

 私は空想家なので、わりと自分のイメージの中で確信を得たり、落ち込んだりしやすいのだけれど、夫は違う。空想はあくまでも空想であって、現実で実感を得ないと、むやみに信じることはできない。とくに楽観的に構えるというのが苦手なタイプ。
「いつも最悪なパターンを考えている。そうすると、現実が“それよりもマシ”に思えるから」と若い頃からよく話していた。

 私は空想の世界くらい遊びたいよね、っていう(笑)。現実はそれほどカラフルじゃないんだから、せめて空想の世界くらい美しくあってほしい。

 と、まあ、こんな風に違うタイプの二人なので、夫は私の言うことはほとんど聞いていない(苦笑)。否定こそしないけど、ちゃんと聞かないで、大部分を聞き流している。「ああ、また(空想ごっこ)やってんなぁ」って。
 一方、他人が言うことはちゃんと聞く。だからこそ、アルバイトや研修に行って、やり取りする中で吸収したことが、夫の推進力になっているのだと思う。

 夫が私の言うことは聞き流して、他の人が言うことを採用するということを、私自身がどう感じているかというと、とくに何も感じていないというのが本音。良いも悪いもなくて、夫はそういうタイプなんだという事実がそこにあるだけだ。

 話が横にそれちゃうけど、こういう時に腹を立てたり、傷ついたりってあると思うんだけど、それって(そうなる気持ちは分かるけど)私はある意味、エネルギーの無駄って感じるタイプ。
 「私より他の人を信頼するんだ」とか「他の人と同じように、私の話も聞いて」とか、どっちが正しい/悪いとか、良くないことだとか。
 
 そんなのってどれだけ話し合ったって結論が出ないし、血液型のA型もB型もどちらも間違いじゃないし、上下がないのと同じで「ただタイプが違う」という事実として受け止めればいい、って感じ。このタイプが違うという事実を認識しておくってこと自体はとても大事だと思う。その事実を否定したくなると、無用に傷ついたり、傷つけあったりしてしまうから。
 例になぞらえると、夫の血液がB型であることに傷つく必要なんてないってこと。他人と暮らすのに必要なのは、そういう考え方かなと考えている(ある意味、ドライだけど)。

 で、話をもとに戻すと、私の提案(ビジネスプラン)を否定せず、さりとて前向きになるでもなく聞いていた夫が、他者の話を聞いて、地に足がついた形で具体的に検討し始めていること、それは私たちにとって追い風だなと思う。夫が前向きになることが、さらに私の空想に具体的な形を与えてくれる、そんな気がするから。

 来週のはじめに、私はもう一つ資格を取得しに行く。それも今後のプランに役に立つ(だろうと考えている)資格だ。ロールプレイングゲームみたいに、必要なアイテムを一個ずつ集める。それはそれで楽しい日々。

 これが新しい冒険につながる。

 空想家の私は、今日もそんな風にお気楽に考えている。


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