【読書日記】ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー2
ずっとずっと読んでいたいと思える、ブレイディみかこさんのこの本。
何より親子関係がとても良い。
なんか手前味噌になっちゃうけど、自分と娘もよくこんな感じで話をしていた。
だから親近感もすごく湧く。
そこに私には想像もつかない、英国の事情が次々と。
『リスペクト』でもそうだったが、彼の国の良いところのように見えるのは、人が生きるということへの権利に対しての意識だ。
だからこそ、閉鎖した図書館を巡る問題
ホームレスのホームにしようとすると住民たちが反対をし(日本にもあったなぁ)、それに対してみかこさんはどう感じているか。
目撃してしまった落書きの犯人たち。
そのあたりは日本よりも、過激なのかもしれない。日本の場合例えば反対している人が賛成している人の家に直接嫌がらせ、とかはあるのかもしれない。
さてみかこさん(母ちゃん)は、息子さんの学校での出来事を、保護者としてとか、執筆する立場としてなどさまざまな視点でそれらを描きだしている。
しかし2巻の最後に、息子さんは自分のライフを生き始めていて、全部を親に話すわけでもなくなり、だんだんと息子さんの道を進んでいく予感を書いているのだけれども。
親子ってそうやって、気づくと立場が反転していて、子どもが後ろから付いてきているとばかり思っていたのがある日そうではなく、私の目の前、またはどんどん遠くに歩いていってしまっているのだ。
学校についてのことなども、子どもを通して見ていたのが、いつのまにか静かに窓が閉じられていることに気づく。
そしてさらに子どもに人生の迷いなどの時に示唆をもらったりするようになるのだ。
頼っているわけではないけれど、眩しくてあまり見られなくなってしまう、という感じ。
それをまた別の言葉にすると寂しい、なのかもしれない。
さらにまた、これからは自分の道をしっかり歩もうとまた思い直すのだね。
この本は、書いてある社会的な、英国ならではだったり日本とも、また自分とも共通の問題など描かれているが、それらを読みながら、自分の人生についても考えてしまう。
そんな本だった。
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