【読書日記】小川哲さん、長嶋有さん、ドリアン助川さんを読み、文字は哲学だ!を感じる。
読書の秋シリーズ第二弾!
今回は小説編
amazonのアフィリエイトで貼らせていただきます。
まずは小川哲さん。
初めて読んだ小川哲さんなのですが、なんということ!これは手放しで良いです。
語り口と、客観的で醒めているようで、人に対する気持ちがしっかりと書かれていて、とてもとても読み応えあり!
高校の時の同級生が多く出てくるのですが、相手を見る、そして考え文章にしていくというのが深い。それでいてどこか面白く、ひょうとした風が吹く感じが心地よいです。
三月十日、あの日の前日、私も何をしていただろう。
それを考えて何か書きたくなる焦りのようなものまで、置き土産として心に置かれました。
長嶋有さんのこの本
色合いが可愛くもありどこか寂しくもある表紙のこの本。
マンションに住むある一家の話なのですが、なんとなく社宅に住んでいた頃を懐かしく思い出しながら読みました。
過ぎていく日常。本当はその毎日が1日ずつ大切なんだけど、1日として同じ日はないのだけど、なんだか淡々と過ぎてしまうし、他人の存在から見たら自分の考えていることなんてきっとちっぽけなんだろうな、なんて考えてしまいました。
とりあえず、毎日を大切に生きよう…
それからドリアン助川さん。
思考や行動を言語化することで、かれらの存在が私たち人間との共通部分、いやむしろ彼らのほうが粗削りではあるけれども賢く、自分の特性を生かすことからの深い思考を可能としているのではないかと、自分が人間であることを、ものすごく自覚しながら読みました。
短編1篇を読むたび、深く感じ入るものに触れた喜びと、体のどこかからため息も出てきてしまうような本でした。
命のありかたは、時にそれは厳しく、はかなく、非力。どうしようもなさを理不尽ととらえず、争わないことを無敵とする。それが彼らの生き方です。私とは違う。そしてそんな私は恥ずかしくもあります。
面白かったのは動物哲学物語と副題がついていること。まさに哲学書でした。小説だけどね。
小川さんのも少し哲学のような側面があり、こういうの好きなんだなー自分、と気づいたのも発見でした。
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