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お、俺たちがマダムウェブ!!??(マダムウェブ感想)

マダムウェブ(2024年2月23日公開)TジョイPRINCE品川で鑑賞
公開前につまらないと話題になってしまった悲しい映画、観ないとわからないので評判だけで闇雲に叩くもんじゃないですね。

以下感想(ネタバレあり)
宣伝にて、本格サスペンス!!とおっしゃられていましたが、本格かはよく分かりませんが確かにサスペンス映画なのか…?となる。
あまりサスペンスが何か、定義づけるのも難しいが、(サスペンスといえばサスペンス映画史って本が面白かったです。)

ヒッチコック映画に見られるような、観客にしか見えていない情報により、何気ない日常の光景にハラハラさせられてしまう、このような感覚がサスペンス映画に見られる、とするならばこの映画の「未来が見える」と言う設定はもしかしたら強みなのでは?とか事前に考えたりした。
つまり、未来を見ることによってある場面のある環境(具体的にこの映画で言えば電車の中のシーン)で主人公と観客にしか見えてない来るべき未来の危機的イメージが直後に実際のイメージに統合される。観客と主人公にしか見えていない危機、ここにヒッチコック的なサスペンスは生まれるのではないか。また、このイメージは(映画の展開的に死ぬわけにいかないので)回避しなければならないので逆説的に結局イメージの統合が避けられていく。観客が見せられるイメージは常に裏切られ、どこに帰着するかわからない宙吊り状態はサスペンス的効果を生むのではないか、

そう思っていた時期が私にもありました。
(よく考えたらこの時点で言ってること矛盾してる)

電車のシーン、女の子三人(名前忘れた)を危機から救うところ、主人公が能力を駆使して来たるイメージを回避するところは良いものの、一回これを見せられると以後全くハラハラしない。それもそうで、この時点でイメージを裏切られることを私たちは学び、そして救われるイメージが作られてしまう。つまり、ただ想定したイメージに帰着するだけである。彼女達が置かれている環境は主人公がいる時点で全く危機的状況ではない。
そもそも、電車のシーンも「自分だけがこの危機的状況を知っている、しかしなぜ知っているか説明できない」というシチュエーションを一切活かしきれていない。とりあえず電車から引きずり降ろすができるのであれば何もハラハラしない。この時点で、私たちが想起するのは直前で提示されている危機的イメージではなくさらに先で、ご都合主義的に迎えるハッピーエンドである。このイメージを映画が裏切ることはない。観客が先を見通してその通りハッピーエンドになる。
つまり俺たちがマダムウェブである。

(あとうまく言語化できないが、提示された危機的イメージに帰着しない→しかし、帰着先が突拍子のないものだとおかしい→だから所々で「これが関係してくるよ」と示唆するようなカットを差し込む、これがあからさまでテンポが悪い。特にラストの戦闘シーン。こういう「あざとさ」みたいなのが垣間見えるせいでなんだかハラハラしない映画だったと思う。)

あとこの主人公、能力を鍛錬している様子もなく、急に強くなってしまうあたりなろう系のようだが、ドラマとしてどうなんだ…とはなる。ある意味安心しきって観ることはできるけれども、本格サスペンスとは…

細かいところで、
銃を取り出すのが下手くそな女スパイ(?)、ラスト主人公にやけに隙を作る敵、見ていてスムーズじゃないなあここって思うところが結構ある。
あとなんか音がでかい、なぜ?
びっくりするからやめてほしい。

良かったところはなんだか能力が便利そうで、ああいうブレイン系というかプロフェッサーXみたいなキャラクターみんな憧れるよね。かっこいい。(あんなあからさまプロフェッサーXみたいなキャラクターになるとは思わなかった)

あとベンパーカーの妹が子供産んでたので子供はピーターパーカーってことですね。今後このシリーズ大きくなる予定ならば能力使ったアクションとかもっと見たいので期待が残るのはこの映画の良かったところですね。

以上

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