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【ショートエッセイ】フォレスト・ガンプのように生きられたなら

20年以上も前にフォレスト・ガンプという映画を見た。
名優トムハンクスの演技が素晴らしかった。
人より知能指数の劣る青年が、無欲に、直向きに生きているうちに幸せの方が彼に寄ってくるというストーリーだ。

例えばこの映画で起きたことを人生の基準と想定してみる。
無欲に生きることがあくまでも標準で、欲深くなるほどに減点するシステムだ。
人は自分が少しでも楽をしたい、徳をしたいと思う生き物だ。
だからマイナスポイントがどんどん加算される。

マザーテレサのように他人のために尽くすことに生涯を捧げた人はポイントが限りなく0に近い。
私利私欲にまみれて人を騙すことを何度も思わない人はマイナス100としよう。
ぼくはどれくらいのマイナスポイントだろうか。

有り余るお金が欲しいと思わなかったことはない。
それは家族を守りたいから。
仕事をサボりたいと思わなかったことはない。
それは会社の人間関係に疲れたから。
会社で出世したいと思わなかったことはない。
それは自分のプライドを傷つけられたくないから。

綺麗事を並べ立てたところで、やっぱり動機は私利私欲だ。
自分のことだけ、自分の家族のことだけしか考えていない。

どうすればフォレスト・ガンプのように生きることができるのだろう。
それには何も物欲を持たないという鋼のような意志を持つか、モノで溢れた世界から何もない山奥へ移り住むしかないのかもしれない。
そんなことできるはずもない。

欲が欲を生んで作り上げられた世界だ。
ぼくはその世界の一部。
マイナス100ポイントと何ら変わらない。
これじゃ幸せは寄ってきてくれないなぁ。


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