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映画「雨の日は会えない、晴れの日は君を想う」を観て、


「全てを壊し、ゼロに戻すこと。」


この映画を観て、

振り出しに戻った瞬間に見つけたかったものはあるんだと、感じました。


【雨の日は会えない、晴れた日は君を想う】(2015)

ジェイク・ギレンホール主演のヒューマンドラマ。

交通事故で妻を亡くした主人公デイヴィス(ジェイク・ギレンホール)は、妻の死に対し、全くなにも感じなかった。空っぽの感情と自販機の苦情を書いた手紙をクレーム係に投函する。

すると、クレーム係の女性から「手紙を読んで泣いた」と電話がある。そこから、デイヴィスは女性と連絡を取っていき自分を見つめ直すきっかけを見つけていく…



公開前から気になっていた作品だったのですが、タイミングを逃しやっと観れました。

監督のジャン=マルク=ヴァレ(ダラス・バイヤーズクラブ等)の、独特な心地いいリズム感が好きで。この作品も、落ち着いていながら掴みきれない人の心情っていうのを流れるように撮っていて、良かった。


全体的な感想としては

「いい映画だ」

と開口一番に言ってしまうぐらい、いい映画だった。


「いい」と思ったのは

感情の移り変わりを、しっかりと映していたこと。


主人公のデイヴィスは妻が死んでしまったのに悲しむどころか、涙さえ流さなかった。

しかし、義父からのアドバイスで「壊れたものは分解しまた組み直せ」というアドバイスを受け、身の回りあるパソコンや冷蔵庫、挙げ句の果てには自分の家まで壊(分解)してしまう。そこでいろんなものを壊してみて、自分があらゆることに無関心だったことに気付き、

デイヴィスは妻に対しても無関心だったことにも気付いて、そこで初めて涙を流す。


身の回りのものに無関心なのは、デイヴィスだけではなく私たちにも言えることだと思った。いつも歩く道も、電柱も、寝ているベッドも、すべて。

日常の一部だからこそ、無関心になっていく。


デイヴィスにとって妻は、日常の一部分に過ぎなかったのかもしれない。

だからこそ、愛していたという気持ちも、最初の頃の特別な気持ちも日常に埋もれた。感情が、心の奥底に埋もれ過ぎた。


身の回りにあるものを壊し、分解することでゼロになる。

振り出しに戻る。


自分がわからなくなったら

心が追いつかなくなったら


積み上げてきたものを一度壊し、ゼロにすることで

探していたものと、新しい何かを見つけられる。


そんなことを教えてくれた映画でした。



ジェイク・ギレンホールって繊細な感情を出せる俳優だから、とても好きです。二枚目!とかではないけれど、人間の等身大の感情を作品ごとにちょっとずつ変えながら演技できる人だなあ、と。


あと、クレーム係の女性・カレンの息子役、ジュダ・ルイスくんが最高カッコ良かったです。

美少年とタバコ…尊い。

ちょっと屈折している多分ゲイの男の子を演じていました。

どこか大人びていて、その中にも純な情熱があるかわいいキャラクターでした。


今どんな成長してんねや、って画像検索したら、しっかりイケメンのまま育っていたので安心しました。今、Netflixの作品にも出演しているみたいです。気になる方は是非。


そんなわけで、夜分遅くに失礼しました。


今、からっぽだったり、わからなかったり、そんな人がいたら是非観て欲しい映画です。



振り出しに戻るのも、悪くない。




では。
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