私がパンに惹かれた理由
パン教室に通って半年ほどになった。
街中の雑居ビルの一角、ガラス張りのドアの取手には「押す」と書いた黄色の色画用紙が貼ってある。
揃いのエプロンをつけた妙齢の女性達は、皆それぞれ綺麗にメイクをして、素朴なのに華やか。
彼女たちが教室の講師である。
習うのは、ドライイーストを使った手ごねのパン。
材料の計量から、温度管理、生地のこね方、また温度管理、発酵の具合、生地の丸め方、再び温度管理、めん棒の使い方、成形の仕方まで付きっきりで習う。
合間には協力して洗い物もする。
焼きたて