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わたしの軌跡をまとめています。
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2021年6月の記事一覧

1年で何度も死にかけた父 ― その時私は1歳だった。

私は生まれた時泣かなかった。 私が生まれた日、父は仕事の後に飲みに行っていたので、翌朝まで私の状態のことも、生まれたということも知らなかったようだ。 生まれた後の一年ちょっとは順調だった。 母によれば、私と歳にして5歳ほど離れた姉が、異常なまでに手がかかったのに比べて、私は「ほとんど手のかからない子どもだった」とのこと。 生まれた時からとにかく寝る。排尿間隔も長い。病院の看護師さんは、そんな私を見て、「なに、この赤ちゃん、おじさんみたい。」と言ったらしい。 12月生

先生の「みんなが好きだ」が忘れられない

私の小学校での話。 4年生の時、学級崩壊が起きた。 3年生のころから、クラス内で始まったいじめ。 一人の子を標的としての 悪口、無視、バイ菌扱い・・・。 「やってはいけないとわかっていても・・・」は嘘だ。 私はやってはいけないと思っていなかったと思う。 その子の痛みを想像しなかったから。 想像することが怖かったから。 弱くて卑怯だから、 面白がっていた。 やってることも、考えていることも最低だった。 4年生になった。 クラス替えはなかったが、担任が変

『愛着障害』の克服法を自分なりに実践してみたら・・・

私が「本当の自分とは」という問題に直面したのは、かれこれ10年前になる。 そして、私が岡田尊司著の『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』を読んだのは、今から5年ほど前。 自分探しのきっかけをくださった先生が、「面白い本があるよ」と紹介して下さった。 読み終えて、先生にその感想を伝えるがごとく、私は自分のノートにこんなことを書き残している。 『愛着障害』とは・・・ ここでは、さらっと簡潔に書く。 私の中での問題は、自分が愛着障害であるか否かというところではなかった。

自分探しの幕開け

「音楽って結局はその人がどんな人かってことなのよ。」 「あなたが、あなたの声で歌うんだよ。」 と、先生はおっしゃった。 わたしが先生と出会ったのは二十歳になる年だった。 今から10年ほど前になる。 その言葉を理解して以来、わたしの大きな目標の一つに、 『自分の声で自分の音楽をする』 というものができた。 どんな瞬間も心にはそれしかなくて、 自分の声と自分の音楽を辿るうちに、 「本当の自分とは何なのか」 という大きな問題にぶち当たった。 それが大きな問題

人に伝えたいものがあるから、自分を伝える

私は今までずっと、他人から「あなたは大丈夫」と言われて生きてた。 自分では何が「大丈夫」なのかわからないけど、ある人の言葉を借りれば、 「自立している」ということなのだと思う。 だけど、私が「大丈夫な人」であるのは、そうならざるを得なかった環境があり、 また、生まれ持った思考の故だということを知っている。 自分の中では、どんな時でも「大丈夫な人」であったわけではないし、 「大丈夫な人」であることから抜け出したくなったり、 いっそ「ダメな人」と言われる方が楽だと思