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機が熟すのを待つ

いつも使わせていただいているホテルでカウンセリング。

そこで

「クライエントってこんな風に泣くんですね」
そう言ってクライエントは泣いていた。

そうだよ。


特にこの場所はね。


本当に静かでゆったりとした時間が流れているの。


いつも張り詰めている糸が
ゆっくりほぐれて
時には切れて・・・


涙になって流れていくんだよ。


皆「スミマセン」って言って泣くの。


「どうしてあやまるの?
あやまることなんかないでしょ。
泣きたい時は泣けばいいし」


と私は言うんだけど。


皆泣いたらいけないって思っているんだよね。
いつの間にか・・・。


人前で泣いたらいけない
大人なんだから。
泣いたら迷惑がかかる。
感情的になっちゃいけない。
泣くなんて恥ずかしい。


そんな思いがあるんだよね。


いいんだよ。
泣いたって。
というより、泣いたらいい。


女性だけでなく
男性もここで泣いていったらいいのにって思う。


「場の力」というのは確実にあると思う。


ここ、本当にいいもの。
気がいい。
ホッとする。


もちろん前向きな話、嬉しい話も大歓迎だけど。


ここに来て下さる皆さんはきっと
知っているからなんだよね。


私の悲しみや苦しみや努力を。


きっと私が
恵まれた環境に生まれて
いいところの奥様で
何不自由のない生活をずっとしていたなら


皆ここまで泣かないんじゃないかと思う。


だから、私の悲しみや苦しみや努力が
こんな風に役立っているのかなと思うと
ちょっと救われる。


もちろん傷のなめ合いでもない
共感をしあっているわけでもない。


私はカウンセラーとしてクライエントの前に
座っているだけ。


でも、そこに私の経歴が流れているとしたら嬉しい。


今日のクライエントにお伝えしたことを
ひとことで言うならば


「機が熟す時を待とう」


ということ。


誰にでも来るんだよ。
「その時」が。


「その時」はその人によって違うから
準備をして待ったらいい。


準備をしていなかったり
見逃してしまうと
「その時」は待ってはくれないからね


秋元康さんが
「止まっている時計でも、1日に2回は正確な時間をさす」
とおっしゃっていたことを思い出します。


慌てないで
焦らないで
腐らないで
「その時」を待ったらいい。


実力をつけて
きれいにして
体力をつけて


いつだって「待つ」のは大変だけど
必ず来るからね。
あなたの番が。


さあ、それまで何しておきましょうか。


応援しています。
いつも
いつまでも。


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