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「○○のせい」にして思考停止になっていない?

先日のクライエントのご相談は
「育休後の働き方」について。


クライエントがおっしゃった言葉でとても印象的だったのは

「妊娠が分かってから
出産後はこういう働き方になるだろう。
と決めつけてしまって、思考停止状態になっていた」ということです。


時短で働くということは
今の仕事で出来る範囲のことを引き続きやっていくことになるから
こういう感じの働き方になるだろうな。

と決めつけて、そこから何も考えなくなっていたというのです。今後の自分のキャリアプランのようなものを。

今までは、仕事に熱中すると
残業もいとわず、のめり込んでしまうタイプだったのに・・・。


そこに加えてこのコロナ。

時短だし
コロナだし・・・。と言い訳をしてしまってある意味逃げていた。
そこに気づいて愕然とした、というのです。


「言い訳をしてさぼる」
「言い訳をして逃げる」ことは
絶対ダメなこととは思いません。


さぼることも
逃げることも
時と場合によっては必要なこと。


でも
それが世間に受け入れられてしまったり
むしろそれで得をするようなことがあったりすると


無意識のうちに
さぼったり
逃げたり
甘えたりすることが
常習化することがあります。


妊娠、出産もないのに時短で働く
ということは、今までの社会ではほとんどなかったことだと思います。

妊娠、出産があると、周囲の見る目が
「子育てと仕事の両立は大変だもんね。
しかも初めての子育てだと不安も沢山あるよね。ご両親は近くにいないの?それは大変。がんばってね!」
という優しいものだったりするので
(もちろん、風当りが強い場合もありますが)


今までの様に働けなくても
「時短でも仕方ないよね」
ということになります。


コロナもそうです。

コロナの渦中にいる時に
「これからのことはどうなるか分からないから何も考えられない。考えたくない」と言っても


「そうだね。今は疲れているから仕方ないよ。落ち着いたら一緒に考えよう」と慰めてもらえるかもしれません。


「今は何も考えられないのは仕方ないよ。皆そうだよね。ホント、辛いよね」と、思考停止状態になっていることに共感しあうことさえあります。


もちろん、これがダメだと言っているわけではありませんが、このクライエントの場合「そうなっていた自分」に気づき、危機感を感じたわけです。


「自分をいたわり、ねぎらうことと逃げることは別」
ということに気づいたというのです。


「○○だから仕方ない」と、逃げ回っていると後悔することも多くなります。


「仕方ない」という言葉はそこで考えることをストップさせてしまう言葉なので、その時何も考えていなかったことにずっと後になってから気づくことになります。

「自分で決めて」
さぼる、休む、逃げる。なら全く問題ないのです。
自分で考えて出した答えですから。

でも、「仕方ない」の一言で片付けてしまうと
「考えていない」まま
「向き合わない」まま逃げることになるので


「あの時こうしていれば・・・」
という後悔に繋がりやすいということです。


繰り返しになりますが
○○のせいにして休むことは悪いことではありません。
でも時々は「○○のせい」にしてずっと逃げていることはないか?
と考えてみることが必要なこともあります。

時に人間は「○○のせい」にしていたいがために、悪い状況を自分で作り出し、そこを隠れ蓑にして「○○だからできない自分」を演出してしまうこともあります。しかも無意識に。

「私に彼氏ができないのは太っているせい。だから仕方ない」という言い訳をして「太ったまま」の状態をあえて「選んでいる」のです。

これは「痩せても彼氏ができないこと」を恐れていて、「太っていること」で自分に言い訳と安住の場を作ってしまっている状態です。

「僕が結婚できないのはお金がないから」というのも同じです。「お金持ちになっても結婚できない」状況を恐れていて、無意識のうちに「お金のない状態を自ら選んで続けている」ということさえあります。

実はこの様に「仕方ない」という言葉はとても恐ろしい状況を無意識のうちに作り出し、それを継続していることさえあるのです。

「仕方ない」という言葉で思考停止になっていること

悪い状況を続けてしまっていることがないかどうか

自分に正直になって今一度考えてみて下さいね。



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