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カナダで保育: 「二つに一つ」ではない

最近うちのクラスでは外遊びの内容に力を入れています。

カナダでは基本外遊びが推奨されているし、雨でも雪でも余程の暴風雨や吹雪でない限り1時間以上外での遊び時間があります。
(天気が良い日はお昼やおやつ、お昼寝、トイレ以外は外にいるという時も)

バンクーバーは特に一年の半分は雨季という土地柄から子ども達は勿論保育士の雨具も必須です。

こちらでも防水ズボンなども売ってはいるのですが、基本的にかなり高いので(安いものもあるけど質がめちゃくちゃ悪くて「防水」と書いてあってもそうじゃないのはお約束)、帰国した際にはホームセンターなどに売ってる防水の上下セットなどを買ったりしています。

そして子どもたちは基本「Muddy-Buddy」と言われる一つなぎのレインコートみたいなのを着ます。

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そして雨の日は基本寒いので、その下には防寒対策のジャケットやズボンもなので、先ずは外に行くまでにそこそこの時間がかかります。


因みにうちのクラスの保育目標の一つは「最終的には自分の事は自分で出来るようになる」なので、もちろん臨機応変に手伝うけれど、出来る限り先ずは自分で挑戦してみる事を促します。


ただこれも ”出来るのにやらない” ”やりたくない” という子もいて、そういう状況の時に保育士間でも「自分でさせる」か「手伝う」かで対応が分かれます。


その子が毎日そういうのか、その日だけなのか、他の子どもの状況や時間的なもの、その保育士と子どもとの関係性など色々な要素で子どもの言動は変わります。

なので、保育士達もどうする事がいいのか、毎回考えつつその時の状況によって答えを出しています。


因みに私は「どっちも」の中間派。



つまりどこかは子ども自身がしてどこかは私が手伝う。


例えば足を入れやすいように床に雨具のズボンなどを置いて、足を入れるのはしてもらう。


でも実際に足を出すのは手伝う、などです。


そして自分でしてくれた事は口に出します。


「You put your legs! Where is your toe? Can they come out? (足がズボンの中に入ったね!つま先はどこかな?出てくるかな)」


「You put your jacket by yourself. How about zipper? Do you need help? (ジャケットを自分で着たんだね。ファスナーはどうする?お手伝いする?)」


「You took off your shoes by yourself. Where do you want to put? (自分で靴を脱いだんだね。どこに置いておこうか?)」


など、した事自体をそのまま口に、言葉にして「えらい」や「凄い」は基本的に言いません。


そうする事で「自分を見てくれている」「自分のしている事をわかってもらっている」と認識してもらう事が目的です。


出来ないからと放置するのではなく、子どもがすると時間がかかるからと大人が全てするのでもなく、お互いに協力して一緒に達成する事で、子ども達の自信や成功体験にも繋がるし、保育士との信頼関係も強くなり、結果的には私たち保育士も助かります。


子ども達に限らずですが、多少選択肢を狭めるのは行動をする時に必要な事だと思っています。

「コントロール権」を持つこともとても大切な事だけれど、だからこそ「何でも自由にしていいよ」ではまず何が出来るのかもわからない事も多いです。


何気に選択肢が少ない方が行動に移しやすかったりするんですよね。


だからこそ選択肢は2~3個で十分。

ただ、その選択肢から必ず選ばなくても良いんです。

選択肢を考えた上で、「自分でするか」「保育士がするか」だけではなく「半分ずつする」もアリなんです。

特にこの年代の子ども達は結構がんこちゃん達が多いので、臨機応変に、本人の意思を尊重しつつ手助けを申し出る。

自分でやりたい!と頑張る子どもを「時間がないから」という理由でその行動を奪いたくはない。

でも集団で動く以上時間制限だってある。


そんな中でのお互いの妥協点を見つけていくのは大切な事なので、「二者択一」ではなく臨機応変に子ども達との協力体制を今後も気づいていきたいと思います。


だって子育てにも保育にも「絶対正解」はないんですから。




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