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梅干し作り[#1]梅酢があがるまでの仕込み。好きと繋がる季節の手しごと。


てんやわんやの梅準備

5月の初旬からお目当ての南高梅農家さんのネットと睨めっこをして予約開始の日を待ちわびていたのに、6月も下旬に差し掛かろうという日になっても予約が開始されない。おかしいなと思っていたら、今年は暖冬につき収穫も早くてとっくに売り切れていたとのこと。なんたる情弱…。と落ち込む暇もなく、今年は全国的に梅の収穫数が少ないと聞いていたので完熟梅の通販を大慌てで探しました。その後、無事に楽天で購入。

いつもよりもお高く感じたけれど、平年の半分程度と聞く今年の収穫数を考えると、少しでも助けになっていますようにと思ってしまいます。
それに我が家は毎日夫にお弁当を作っていて、大粒の南高梅なら一粒で3回分くらい使えるので(塩気もあるので入れすぎないようにしている)スーパーで無添加の梅干しを買うより圧倒的にお財布に優しいのです。副産物として梅酢や紫蘇漬けもできるし、紫蘇は乾燥させればゆかりにもなります。それに何より、梅しごとは楽しいのです。

箱いっぱいの美しい南高梅

数日後、届いた梅の箱を開くとそこには鮮やかでハリのある美しい南高梅たち。そして部屋中に広がる梅の香り。熟れた桃のような甘く爽やかな香りが鼻からすーっと身体中を満たします。夏がきたぁ〜〜〜と、ガッツポーズしたくなるような気持ちに。

我が家の梅干しレシピ

週の半ばに届いた梅たち。まだ青い子もいたので、週末まで追熟させることにしました。この加減が毎年難しく感じるところ。元々熟していた子たちが痛み始めないように、乾燥してシワシワにならないように、すでに傷んでいる子たちを見落とさないように、一つ一つ確認しながらザルの上におき、乾燥しないように晒しをかけて置いておきます。
そして週末、まだ色づきの浅い子もいましたが"風味のムラは手作りの醍醐味"と思っているので、気にせず梅干し作りを開始しました。

自分へのメモのためにも、梅干し作りの材料と手順を書き残しておこうと思います。あくまでズボラでめんどくさがりな私のやり方ですので、梅干し作りを気軽に楽しみたい方のみ参考にしてください!
今回は梅酢が上がってくるまでの第一段階のレシピです。

[材料]
・完熟梅 3キロ
・塩   梅の量×0.18 (18%で作る場合)今回だと540g

[レシピ]
(第一段階)
・完熟梅はやさしく水で洗ってヘタをとり、よく水気を拭きとる。
・保存容器をパストリーゼで消毒する。
・塩を容器の底に薄くまぶし、梅と塩を交互に入れていく。
・冷暗所で保存
(第一段階おわり)

ヘタをとるようなちみちみした作業が実はすき

私は重石はしたことがないのですが、重石をするメリットは梅酢の上がりが早いこと。梅が梅酢に浸かるとカビにくくなるので、不安な方は重石をした方がいいと思います。翌日には梅酢ができ始め、4〜5日すると梅酢が梅を覆うほど上がってきます。その様子を日々眺めるのが大好きです。
私は梅酢が全体につくように軽く容器を回したりします。そのおかげか、今まで重石なしでもカビが発生したことはありません。

保存容器はガラスがおすすめ。保存に長け、変化も楽しめます。

今までは本当に綺麗なものだけを梅干しにしていて、少し傷があったり、一部が柔らかくなっているもの、乾燥でシワになっているものは怖くて梅ジャムなどにしていました。しかし、傷んでいたり潰れて身が出ているわけでなければ梅干しにできる!と聞き、今回は3キロ全て梅干しにしてみました。
それでも、食べ物を捨てることで自己嫌悪を発生させてしまう私の性格を私自身が熟知しているので、念の為梅の状態ごとに容器を分けて全滅を予防。大きい瓶は綺麗なもの、それ以外の瓶は、小さな傷あり、一部柔らかいなど、気になる子たちをまとめました。梅酢が上がってくれば状態がわかるので、梅酢の濁り具合や梅の状態を見て、最終的には全てをまとめようと思っています。これでなんの問題もなければ、来年からの梅しごとがずいぶん気軽になるでしょう。今年の私、しっかりリサーチよろしく!

季節の手しごとをする楽しさ

その時にしか感じられない香りや手触り、昔の人の知恵に触れる瞬間、食物の変化や発酵の力への驚き、出来上がった時の感動、実際に自分の手を動かして体験することで得られる喜びや発見が日々を静かに彩ってくれます。
失敗も経験のうちですし、その分食べ物への有り難みだけでなく、作り手への感謝の気持ちも芽生えます。

"自分の身の回りのものがどうやって作られているのかを知る"それは着物を楽しむ時の私の根底にある興味関心と通じているのだと思います。いろんなものは繋がっている。だからこそ、この小さなキッチンで感じる小さな日常の喜びが、着物を楽しむ私の心をさらに豊かに育んでいくのだと思っています。
来週には赤紫蘇を用意しなくちゃいけません。スーパーにまだ売ってるかな。どきどきしながら、その実、そんなどきどきも楽しんでいるのです。


おわりに: このnoteについて

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このnoteがどんな目的で書かれているかについてはこちらの記事に書いていますので、初めてお越しの方はぜひ読んでみてください。
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