プロトテアトル『悲しき玩具 Bang Bang』終演
4月より稽古を続けていた、プロトテアトル『悲しき玩具 Bang Bang』が終わりました。
……長かった。『フェスティバル#3 Match pomp』もエンドレスエイトと表現するくらい終わらないんじゃないかと思いましたが、今回はもっとでした。
でもやっぱり、いつかは幕が下ります。こうした感覚、久しく忘れていたなーと思いますけど、演劇をやるうえでは当たり前で、かつ大切な何かなのでしょうね。
この公演では、たくさんの出会いがあり、また多くの学びを得ることができました。それはひとえに、座組の方々のおかげだと思っています。
中でも劇団員である豊島さんは、至らないところのある僕にねばり強く、教えるべきものは教えてくれ、助かりました。
指摘をするって、疲れると思うんです。なるべくなら、したくない。しかし、彼は一生懸命に向き合ってくれたと感じています。
向き合ってくれたという意味ではペレイラくんも、主宰や演出の仕事で忙しい中、時間を割いて相談に乗ってくれ、非常に頼もしかったです。
心から「仲間」だと思って、劇団へ誘ったことに責任をもとうとしているのが伝わってきました。
僕なら、どうでもいい相手は放っておきます。わざわざエネルギーを使って注意したり、あるいは助言をしたりはしない。
だから、彼らの想いに応えられるよう、これから僕自身も前向きに進んでいきたいです。
また、個人的には小島さんと共に再び芝居をつくれたことがなによりの喜びでした。
アフタートークでは豊島さんの「感慨なんてない」との発言に同意しましたが、あれは照れ隠しに近く、ほんとうは日々「うれしいなぁ、有難いなぁ」と感じて稽古に通っていました。
仕込みの日だったか、帰りの電車内で直接それを伝え、「そうやなー」と返ってきたときは、じんわりこみ上げてくるものがあったり。
じつを言うと小島さんは、むかし仲のいい同期で劇団を立ち上げるとなった際、「俺はお前に台本を書いてほしい」と背中を押してくれ、以降もプロトテアトルでいうところの副代表のような形で支えてくれていました。
そのせいで負担をかけたかなとも思うけれど、彼の存在は僕が劇作を始めたきっかけの一つなので、ずっと心に残っています。
このように歳月を経て大学時代の同期と芝居ができることに感慨深い思いがありつつ、鶴山さん、サヨさん(ヤマナカサヨコ)、そして有川さんとも新たに「仲間」として関係を築けて、とても有意義なひとときでした。
鶴山さんはつねに演出部をまとめる立場の僕を気にかけてくださって、サヨさんもすぐに肩に力のはいる僕を気遣って、やさしい言葉をかけてくださいました。
有川さんとは『フェスティバル#3 Match pomp』から続けて2回目でしたが、もはや居るだけで安心して、たいへん心強かったです。
彼女のような人が、縁の下で劇団を支えているのだと、痛感しましたね。
あとは同期でいうとだーはま(浜田さん)。彼とまた同じ座組で、同じ時間や空間を共有できたこと、嬉しくて仕方ありませんでした。
劇団員プラスαについては以上ですけれど、他の方々も新入りの僕に敬意を払って接してくださって、感謝の気持ちでいっぱいです。
長くなるのでそれぞれのことは書けませんが、この場を借りて改めてお礼申し上げます。
演出に関しては、僕ならこうするなぁといったあれこれもありながら、ペレイラくんのサポートに徹した感じではあります。
ただ、彼は俳優さんの考えを聞いてそれをくみ取ることに抜群のうまさがあり、その様子は現段階では真似しにくいと思ったので、自分なりのプランはあっても実現するのはまだまだ難しいのだろうな……と横で眺めていた次第ですね。
くり返しになりますけど、学ぶことの多い現場でした。書きはじめるとぜんぜん足りないのですが、ひとまずこのあたりで。
小屋入り後、とくに大きな力となって助けてくださったスタッフの皆さん、さらにはご来場のお客さまにも感謝の意を表して、締めの挨拶とさせていただきます。
この度は、誠にありがとうございました。
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