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教師の名言・格言 その3     「量は質を上げる」        「まず、教科書の内容をしっかりと教えられること」

教職についていると出会ったり、浮かんだりする言葉があります。それらを自分なりに名言・格言としてみました。

No.006 「量は質を上げる」

「質」を上げるのは、いたって簡単。「量」をこなすことである。
時間はかかるが……。
音読を例にしてみよう。
5回読むのと10回読むのとでは、どちらがスラスラと読めるか。
当然、10回読んだ方である。
これは、音読を例にとったが、教材研究も同じである。
こんな経験がある。
教科書の見開きで発問を100問作るという教師修業をしたことがある。
それにチャレンジしたときのこと。
最初は10問程度しか作れなかった。
それが、毎日続けると20問、40問…と増えていった。
作るうちに、発問の種類が変化していった。
最初は、文章を字面を扱った発問が中心であった。
続けるうちに、それが五感に関する発問になっていった。
見えているものは、何ですか。
何が見えますか。
どんな色で表せますか。
聞こえている音は、何ですか。
どんな音が聞こえますか。
擬音語で表すとどんな言葉になりますか。
どんなにおいがしますか。
どんな味がしますか。
どんな感触ですか。
ザラザラしていますか。ツルツルしていますか。
などに変化していく。
その次は、作者や登場人物の心情に関する発問になっていく。
作者(主人公)は、この時どんな気持ちだったのでしょうか。
作者は、この時悲しかったのでしょうか。嬉しかったのでしょうか。
時間経過に関する発問にもなっていく。
季節は、いつですか。
何時ごろですか。
夜明けですか。夜明け前ですか。
等々。
いろいろな発問に変化していった。
そして、次の段階になると、文の構成にまで考えが及ぶようになっていった。
これは、発問を例にしているが、他にもある。
計算問題である。
毎日10問解いていくと、速く正確になるだけではない。
計算方法が、より効率的に計算できるようになる。
計算方法が変質(良い方に)するのである。
量をこなすこと、慣れることで、脳内に余裕ができる。
その余裕ができたときに違う方法を無意識に探すようになる。
そういう感覚を感じたことがある。
無駄だと思っても、数多くの作業や仕事をすべきである。
その無駄が自分の糧になる。血となり肉となるのである。
一見遠回りであるように思えるかもしれないが、実は地力をつける一番よい方法である。
時間は、確実にかかるが、それが力をつける一番の近道である。
量をこなすことを厭うことなかれ。

No.007 「まず、教科書の内容をしっかりと教えられること」

基本中の基本といえる。
教科学習は、学習内容がある。
学習内容は、必ず習得しなければならない。
だから、教師は教科書で児童に学習内容を教える。
自分で教材を開発して、学習内容を網羅して授業をすすめることも教師としての力にはなる。
しかし、教科書は、多くの教師や専門家が集まって作成している優れた教材の集合体である。
教科書は、使われている言葉、1枚の写真や絵やイラスト、色、それら全てが一つ一つ、大勢の人たちが関っている。
目を通しており、検討されており、それらを経て作成されているのが教科書である。
教科書を侮ってはいけない。
教師が思いつきで作る教材、教具とは、かけている時間も検討している材料の量も質も違うことを知っておくべきである。
教科書を使って子どもたちに学習内容を習得させることは、教師としての一人前のテクニックが必要となる。
難しい学習内容をどのようにかみ砕き、分かりやすくするか。
全員が確実に教師の指示通りしているか。
教科書を使いこなすことができることから教師は始めるべきである。
そうすることで、教師として一人前となる。
それを礎として、自分が目指す授業が生まれていくのではないだろうか。

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