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♡を学ぶっきゃない

【文字数:約2,000文字】

 ここ1ヶ月でTwitterを開かない日が増え、気づけばnoteの更新ばかりしている。

 私の「りんどん」という名前はTwitterの「輪-ring-動 don't」から、ある人によって命名されたものであって、例えるなら生まれ故郷と疎遠になってしまった放浪者と言えるかもしれない。

 Twitterとnoteには、どちらも発信者を♡で応援する機能があって、前者は「いいね」、後者は「スキ」と呼ばれている。

 そしてフォロワーに宣伝するリツイート機能により、1つのツイート書き込みを広範囲に拡散できるのがTwitterの長所だろうか。

 一方でnoteも記事の引用ができるものの、手軽にボタン1つでとはいかず、表現についても慎重にならざるを得ない。

 それなのにnoteの利用比率が高くなった理由を、対となる読者と発信者という2つの視点から考えてみたくなった。

 ◇

 読者の視点で2つのSNSを見比べると、まず視界に入ってくるものが異なっていることに気づく。

 ツイートの全文が滝のように流れていくTwitterに対して、noteは「つぶやき」を除いてヘッダー画像とタイトルのみが表示される。

 前者を文字で壁紙が埋め尽くされた状態だとするなら、後者は本棚の前に立っている感覚だろうか。

 視界に入ったツイートは反射的に解読というか取り込んでしまうため、気づくと疲れているのが悩みの種だった。

 一方のnoteは本棚と似ているから負荷が少なく、それは記事を開かない限り変わらない。

 加えて記事への画像添付といった自由度が高く、収益化を念頭に置いている発信者も多いためか、読みやすさが考慮されているのもnoteの特徴だと思う。

 ◇

 次に発信者の視点で見ると、この記事のような長文の投稿を主軸とするか、あるいは詩や短歌といったものにするかで適したSNSは変わってくる。

 全文が一度で視界に入るTwitterは短文に向いているだろうし、ハッシュタグ(#)を付ければnoteの「お題企画」に近くなる。

 どちらもオススメ機能があるので、思いがけない出会いをする可能性は等しい。

 ただ、私のような短文と長文どちらも書きたい人間にとっては、文字制限を考えなくていいnoteが使いやすい。

 ツイートをつなげて長文にしても視覚的な隔たりは埋められず、修正するには再投稿が必要なのも痛い。

 なにより同じ数の♡を得たとしても、より嬉しい気持ちになるのはnoteだった。

 ◇

 以前に投稿した記事にて、私は自分という読者を想定していると書いた。

 それはTwitterについても同じなのだけれど、決定的に両者で異なっている点はタイトルの有無だ。

 命名つまり名付けるという行為は、対象に愛着を持たせる方法の1つだと、前にどこかで読んだ気がする。

 家庭で飼われている犬や猫には、ほぼ確実に「ポチ」や「タマ」といった名前を与えられているのが良い例だ。

 それは私たちとて同じで、名無しの人間は基本的に存在しない。

 タイトルという名前を与えることで、文字の集合体に過ぎない記事は1つの作品となり、やがて記憶の書棚へと収められる。

 たまに面倒だと思うときもあるけれど、私という読者が楽しみにしているからには、なるべく工夫をこらした命名をしたくなる。

 そうして名前を与えた作品に対する♡は、Twitterのそれと同じ性質のものであっても、感じる重みが異なっている。

 ◇

 だからといってnoteが大変に優れている、と結論づけるのは短絡的かつ思考停止だ。

 画像や動画を主体とした発信であれば言語の壁を越えるのも簡単だし、まとまった記事を書くのには手間がかかる。

 もっとも今現在の自分を形にできるから日本語を用いているに過ぎず、記事を拝読しているLoris_M.さんのように、会話に不自由なく第2言語を操れるようになれたら、きっと違う風景が見えるだろう。

 上記の記事ではイタリア在住のご友人との会話を、現地のイタリア語から日本語にして書いておられるため、読み進めるのに一切の苦労がない。

 他言語を学ぶと分かるのだけれども、知識としての単語を覚えるだけでは不十分であり、文法や言語独特の用法まで理解して始めて「普通の会話」ができる。

 日本語の会話すら怪しい人間が高望みをしていると呆れつつ、「Non capisco l'italiano.私はイタリア語が分かりません」などと話すコメディアンにはなりたくないと願っている。

Ringraziamenti謝辞:Signor Loris_M.

先の記事にて詩を取り上げてくださり、誠にありがとうございます。

Grazie per aver ripreso la poesia nell'articolo precedente.



 ちなみに記事タイトルの元ネタはコチラ↓


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