見出し画像

エンプラ営業と組織のグロースに欠かせなかった4つの不の”落とし穴”と”解消方法”

はじめに

noteに足を踏み入れてくれてありがとうございます!林です。
(はじめましての方。noteを書き始めた経緯や林については良ければこちらも確認ください!)

最近、X(旧Twitter)も始めたので良ければフォローお願いします。
※主に事業・組織づくり・エンプラ営業についてノウハウ開示してますのでぜひ!

と言うことで今回はセールスにおける4つの”不”の解消についてです。
(本や記事によっては5つの”不”の解消とも説明されますが、以下、4つの”不”の解消で統一します。)

この4つの”不”の解消自体はSaaSかどうかを問わず、セールスに関わる方であれば理解しておいて損はない基礎的な考え方になります。

まずは簡単なサマリと併せて今回は、より細かいリスク想定やストーリー構築が必要になるエンタープライズセールスでの4つの”不”の解消についてまとめます。
また個人のスキル上昇という話だけでなく、営業組織に浸透させる際に注意すべき点についてもまとめました。

林のnoteでは組織づくり、事業づくり、エンタープライズセールスといったテーマに沿って10分以内で読めるようにまとめていますので気になった方はぜひ他のnoteも参照ください!

新宿駅から東京駅にいくまでの時間でみるとちょうどいいかもしれません

そもそも4つの”不”の解消とは

改めてになりますが、4つの”不”の解消について初めて聞く方やアンラーニングのため、まず最初におさらいさせていただきます。

代表的なSaaS企業(Salesforceなど)のオンボーディングでも説明される4つの”不”についてですが、お客様が購買に至るまでの懸念点をまとめたものになります。
具体的には①不信②不要③不適④不急の4つとされておりそれぞれをお客様視点に立って考えると以下です。

①不信の壁

お客様の「あなたの会社は信用できる会社ですか?」「あなた自身は信頼のおける人物ですか?」という懸念(を解消すること)

②不要の壁

お客様の「そもそも論、このサービス要らないよね?」「これ必要ありますか?」という懸念(を解消すること)

③不適の壁

お客様の「必要なのはわかったけど他社サービスの方が良くない?」「自社でやった方がいいんじゃない?」という懸念(を解消すること)

④不急の壁

お客様の「これは今必要なの?」「他にも優先順位高いものがあるのでタイミング見て検討でいいのでは?」という懸念(を解消すること)

の4つになります。営業がサービスを提案して失注する時は、上記の4つの不が解消しきれずに、導入を見送るという顧客判断になります。

またこの4つの”不”については解消される順番もあり、基本的には①不信→②不要→③不適→④不急の順番に懸念を解消が進行していきます。

実際には懸念を解消していくステップが存在している

例として①不信(目の前の営業や会社のことが信用できない)状態では、②不要(そもそも本当に必要なのかという懸念)に進みにくいです。

②不要(そもそも本当に必要なのかという懸念がある)状態では③不適(どのサービスが自社に適しているのか)という検討に進みにくいです。

相手目線に立った上で不安を払拭しないとコミュニケーションも一方通行になってしまいます。

成果が出ない営業行動の共通点

この4つの”不”があることを認識した上で”成果が出ない”営業行動をいくつか挙げます。あくまでもお客様の視点に立って懸念を払拭できるかが重要です。

例えば①不信や②不要を解消していないのに④不急を解消しにいったとしてお客様はサービスの検討をしてくれるのでしょうか。

具体的なイメージで言うと、営業マンや会社について不信、懸念がある、またそもそも要らないんじゃないかと思っている状態にも関わらず、「XX日までに回答いただければ安価で提供できます!」と④不急を突破するために無理矢理クロージングしに行っても、購買には中々至らないですよね。

また他の記事でも言われていますが、
多くの場合の失注理由は”②不要の壁”を越えられていないことです。

特にステークホルダーの多いエンタープライズセールスの場合意識しないといけないのは目の前の担当者は必要と感じているが、意思決定者(や会社そのもの)に不要と感じられてしまうケースです。

エンタープライズセールスにおいて「不要の壁を突破できて、サービスを説明し、期日を設けてクロージングしたのに失注してしまいました…」という場合のほとんどは、

”目の前の担当者の②不要の壁しか突破できてない”

ということです。

担当者は理解できているものの、会社や意思決定者が②不要と感じている状態では、

いくら③不適の壁の解消(≒自社サービスのほうが他社より優れているかなど)や
④不急の壁の解消(≒このタイミングで始めた方がいい理由)を提案しても刺さらないです。

目の前のお客様だけでなく会社の視点に立ち、先回りして(想定して)ストーリー構築できるかどうかがステークホルダーの多いエンタープライズセールスには必要です。

成果を出すエンタープライズセールスの考え方については以下noteにまとめています

営業組織で意識したい4つの”不”の落とし穴

ここまでで営業における4つの”不”の概要や解消ステップについて説明してきましたが、この4つの”不”を解消するステップには落とし穴があります。

特に競合サービスが明確にあるようなSaaSスタートアップのエンタープライズセールス組織では、この落とし穴を理解して4つの”不”の解消を組織浸透しているかどうかで差がつきます。

結論から伝えますと、この落とし穴というのは

”常に競合他社に狙われている”リスク

を想定した上で”不”の解消に向けて動けているのか。という点です。

SaaSベンチャーで市場を作っていくような初期フェーズでは②不要の壁の突破は難易度が高く、そして重要です。

啓蒙活動して、ようやく②不要の壁を突破して「確かに取り組んだ方がいいよね!」となったにも関わらず、
「その上で今回は御社ではなく他社に決めました」となったら本末転倒です。勿体無さすぎます。

例えばになりますが、noteを読んでいただいている皆様であれば、①不信の解消方法についてどう懸念解消していきますか?

不信は”営業に対して”と”会社やサービスに対して”解消が必要です。
(営業の場合はシンプルなマナーや所作などになるため省きます)

よくある会社の不信払拭として”数字”を用いた解消方法です。

・弊社では既に”1,000社”の導入実績があるためご安心ください!
・弊社の資本金は”20億円”で創業から”10年”サービスを提供しています!

など。これは基礎として覚えておくべき内容です。
お客様からしたら「1,000社も導入してるなら安心だね」と不信払拭に一役買ってくれることかと思います。

ただ、その後には②不要(それでそもそも必要なの?)③不適(結局あなたの会社が一番良い理由はどこなの?他社の方がいいんじゃないの?)と次の解消ポイントが立ちはだかります。

ここで重要なのは競合が存在するサービスでは③不適がいずれにせよ待ち構えているという点です。

特にnice to haveなサービスで②不要の壁を突破するまでに全力を注いでしまい、③不適の壁で負けるパターンがあり得ます。

この章の冒頭にもお伝えさせていただいた”常に競合他社に狙われている”リスクを想定した上で”不”の解消に向けて動けていないとここで取られます。

なので競合サービスが明確にあるようなSaaSセールスでは①不信の壁を解消するために、ただ数字を伝えるだけでは不十分であることが考えられます。

一例としてではありますが

・弊社では既に1,000社の導入実績がありますが、御社のXXX業界での
 運用実績は”他社比較してもトップシェア”ですのでご安心ください。
・弊社の資本金は20億円で創業から10年サービスを提供しています。
 ”このようなサービスは他でも聞いたことがあるかもしれませんが、
 実は10年続けているのは弊社のみ”なんです。

など。③不適を想定したストーリー構築が重要になります。
重ねてになりますがエンタープライズセールスの場合は先回りしたストーリー構築やリスク想定が非常に重要になります。

そのためステップを踏んでいくだけでなく、落とし穴となるようなポイントについては事前に把握しておくとよりスムーズに提案することが可能です。

この理解を個人で出来たとしても、組織として浸透できるかどうかで変わってきます。具体的な組織への落とし込み方についてはぜひ興味ある方向けに無料で勉強会もやっているので会話させてください!

さいごに

今の世の中には営業の基礎や進め方は本やnoteを読めばいくらでも知見を収集することが可能です。また結局本を読んでも実行できなければ意味ありません

その型をしっかりと実行できるまではとにかく練習が必要です。

ただ”時代”も”営業”も”人の考え方”も常にアップデートされています。
そのためただ知識として習得をしてもいずれ追い越されます。

なぜ4つの”不”が重要と言われているのか?なぜこの戦い方だと成果が出やすいのか?なぜこの伝え方だと落とし穴にはまってしまうのか?

これらを思考しなければなりません。

素振りの基本的な型については誰しも疑いません。
それが基礎なので練習は必須です。ただ、なぜこのフォームが適切なのか?最適解なのか?これを科学した先にアップデートが待ってます

守破離という言葉の通り”守”からやらないことには、出したい成果は出ません。ここを飛び越えることは決してないと思います。

「守破離」とは、武道や芸道において目指すべき修練の過程や段階であり、師の教えを乞う人の取るべき態度や考え方を示した言葉である。はじめは「教えを忠実に守る」、次に「教えを土台としつつ応用する」、そして「教えを土台としない新機軸を見出す」という段階があること。

weblio辞書

ただ思考停止してとにかく”守”を実行するのではなく、その先のアップデートも視野に入れて考えながら動けるとただの素振りも練習ではなく最高のフォームを探求するための研究になります。

出来るものを取り込んでいき、その先で昇華させていくような研究は非常にワクワクするものです。

ということで急成長するSaaSエンタープライズ営業と組織に必要な4つの”不”の解消と落とし穴でした。

重ねてになりますが、どう組織に浸透させていくのか、どう進めていくべきなのかはぜひお話しさせてください。エンタープライズセールスに興味ある方、カンリーに興味ある方もお待ちしています!


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?