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理にかなっていて、みんなにやさしい野菜の売り方|スロベニア日記 #6

今日はスロベニアのスーパーの買い物の仕方と、そこからふと気づいたことについて。

スロベニアに来てからは、私は基本的に食事は学割(Boni)が使えるお店で食べるか、自炊をしている。(Boniについては以下を読んでね)

自炊するために、週に1-2回程度はスーパーで食材を買いに行くのだけど、スロベニアでの野菜の売り方はちょっとユニークだったので紹介したい。

まず野菜は基本的に、かごに裸のまま入っている。かごについている値札には1kgあたりの値段と番号が書かれている。例えば下の写真の紫キャベツであれば「96」だ。そして、お客さんは自分でポリ袋をとって好きな量だけ袋に入れる。

そして、その袋を野菜売り場付近にある、はかりに乗せる。はかりには数字のボタンがついていて、ここで値札に書いてある各野菜の番号を入れて「PRINT」ボタンを押す。

すると、重さに従って値段とバーコードが記載されたシールが出てくる。

そのシールをポリ袋に貼って(写真は直接貼ってしまっているけど)、あとは他の商品と一緒にレジで会計を行う。一度覚えればなんてことないんだけど、最初はこのやり方がわからなくて、袋に入れただけでレジに持っていったら、お店の人がやり方を教えてくれた。

この番号入力式は、「SPAR」というスーパーの場合である。「LidL」というスーパーであれば、レジの際に計量もして、その場で値段が発行される。「maxi」というデパートっぽいお店のデパ地下のスーパーだと、SPARのように自分で値札を発行するスタイルだけど、番号じゃなくて以下の写真のような感じで、ディスプレイで計量したい野菜や果物を選択する仕組みになってる。

お野菜ボタンを押してから、実物を載せるとグレーのところからシールが出てくる

つまりどんなシステムであれ、従量課金制というだけことなのだけど、そこで気付いたのは、この売り方のおかげで、こんな感じでサイズも形もバラバラで、日本では見かけることのないような、いびつな形の野菜も売ることができるのだ。

野菜のダイバーシティ・インクルージョン

スロベニアのスーパーで野菜を買うようになって、同じ種類の野菜の形の多様性にびっくりしたし、日本のスーパーでは、いかに整った形の野菜しか売っていなかったかを思い知らされた。

日本の多くのスーパーは、何個かでまとめて袋に入っているか、個々を裸で売っているパターンでも、個数課金制が普通だと思う。でも、個数課金にするには一つひとつの形状や重さがほぼ同じであることが前提だ。きっとかなりの量の野菜が店頭に並べられずに廃棄されたりしてしまっているんだろう。「規格外野菜」という名前や存在は以前から知っていたけど、その存在を、スロベニアに来て身を持って思いを馳せることができた。

この売り方なら、

  • 農家としては、せっかく穫れたのに出荷できない野菜を減らすことができる

  • 売る側もパッケージする手間を省けて、レジで個数も入力しなくていい

  • 買う人にとっては、好きな分だけ、ちょうどいい大きさのものを買うことができるし、出荷できない野菜の分のコストを出荷できる野菜に価格転嫁されないで済んでいるとすれば、ちょっとは安くなっているんじゃないだろうか

作り手を始めとして、売り手、買い手、環境にもやさしい売り方だな〜と思った。調理の際に切ってしまえば、形がきれいでなくても特に問題ないし。

もちろんスロベニアのスーパーでも、何個かまとめてあらかじめ袋詰めされた状態で売っているものもあるけど、数としては自分で重さを量るパターンのほうが多い気がする。また、そういう際の果物のネットは、リアルな糸で編まれたものもある。これがとってもきれい。

ちなみに、スロベニアのスーパーの電子化事情は、日本と同様に有人レジとセルフレジが共存している。日本と違う点といえば、セルフレジの機械の言語が選択できることで、私にとってははありがたい機能だ。日本のセルフレジでは見かけなかった気がするけど、必要性がなかったから気づいていなかっただけかもしれない。

スロベニアに来て初めて見かけた野菜などもあっておもしろかったし、スーパー事情やまちで開かれているマーケットについてもまた書こうと思います!




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