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プログラミング教育とは?

2020年から、小学校でプログラミング教育が必修化されました。

必修化、ということは国語や算数と同じように「教科」として、どれくらい身についたかを評価されることになります。

これからの時代を生き抜くために必要な力を身につけるために、新たに学校で学んでいく必要がある、と文部科学省が決定したということです。

そもそも、プログラミング教育とは何なのでしょう。

【プログラミング教育】とは

プログラミングと聞くと、パソコンを使うスキルのようなイメージがあります。
しかし、学習指導要領ではそれだけが目的ではないことが書かれています。

プログラミング教育を通じて「情報活用能力の育成」に力を入れていきましょう、とあるのです。

情報活用能力とは、
「情報および情報手段を主体的に選択し活用していくための個人の基礎的な資質」と定義されています。

インターネットをはじめ、今はたくさんの情報があふれる社会になりました。この社会を生きていくために、
・周りに流されることなく正しい情報を手に入れる
・情報を手に入れるための手段を自分の力で選ぶ
といった、情報やその収集手段を上手に利用して生きていくための基本的な力、ということですね。

なので、パソコンの使い方だけでなく、コンピュータやインターネットそのものを理解し、どのように使っていくかを考えていく力とも言えます。

これが、国語や算数など他の教科と同じくらい、大事な力になる、と定義されました。

【どうしてプログラミング教育が大事なのか】

これは、技術の急速な発展にあります。

例えば最近、お店ではよくセルフレジを見かけます。
自分で品物を読み取って、お金を払って買い物を済ませるシステムです。コロナの影響で急速に普及しました。

これがあるとお店は、店員さんを雇う必要がなくなりますね。
つまり、技術の発展が人々から仕事を奪う、ということが起こりえるのです。

オックスフォード大学の教授は、「今後10年~20年程度で、半数近くの仕事が自動化される可能性が高い」と話しています。

普及スピードなどもありますが、セルフレジからイメージ出来るように、遅かれ早かれ、いろんな物事の自動化は進んでいくでしょう。

ですから、学校も今までと同じことだけを学んでいればよい、というわけにはいかないのです。

では、何を学ぶべきか。

これからの技術の革新で、予測できない変化を受け止める力。
予想できない未来に主体的に向き合い、関わっていく力。
自らの可能性を発揮し、よりよい社会や幸福な人生を創っていく力。

学習指導要領は、このような方向性で改訂がなされました。
これから先の未来を生き抜くための力を、子どもたちに培ってもらう。そのためのプログラミング教育なのです。

【小学校のプログラミング教育】

小学校でのプログラミング教育のねらいは、
・「プログラミング的思考」を育む
・情報社会の基盤が、情報技術であることに気づく
・問題解決に主体的に取り組む姿勢や、コンピュータをよりよく活用する姿勢を育む
とあります。

さて、プログラミング的思考とはなんでしょう。
これは、コンピュータの仕組みを踏まえた論理的な思考になります。

まず、コンピュータを動作させるために必要な手順ですが
①コンピュータに何をさせるか、自分の意図を明確にする
②コンピュータにどのような動きを、どのような順序でさせればよいかを考える
③ひとつひとつの動きに対応する記号に置き換える

④記号をどのように組み合わせれば、①の意図が実現できるかを考える
⑤記号の組み合わせをどのように改善すれば、①の意図に近づけるかを試行錯誤する

と、順序立てて考える必要があります。

つまり、プログラミング的思考とは
「自分の意図を明確にし、順序立てて考え、試行錯誤しながら、ものごとを解決しようとする思考」となります。

コンピュータのプログラミングを通じてこのような思考を身につけ、さまざまな場面で活用していきましょう、ということですね。



【プログラミング教育の課題】

新しい取り組みには課題がつきものですが、現状の課題をあげていきましょう。

1.教育環境の充実
「GIGAスクール構想」という文部科学省の推進する取り組みにより、1人1台の端末の普及を目指しています。

しかし、端末だけに限らずWi-Fiなどのさまざまなシステムを導入しなければならないため、まだ時間はかかりそうです。

2.ハードルの高さ
子どもたちに教えるには、大人がよく知っておく必要があります。

新たな学習指導要領では、上記のような目標が掲げられました。しかし、具体的にどんなことを教えるのかまで統一されているわけではありません。

指導例を踏まえた具体的な実践事例など情報提供はされているものの、現場の先生の情報収集や準備には時間がかかるかと思います。

また、パソコンにあまり触れてこなかった現場の先生が、急にプログラミング教育を求められても難しいことが多いと思います。
そのような先生方への研修やフォローも、課題にあげられそうです。

【まとめ】

コンピュータを使った学習や、それらを活用していくための主体的な姿勢などは、これからの未来を生きていく子どもたちにとって重要な力であることは間違いありません。

得意・不得意にかかわらず、自分たちの未来をよりよいものにしていくために、学習していく環境がさらに素晴らしいものになることを期待しています。

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