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読書記録📖后選びしてる場合じゃなかったよ。忍び寄る権力争い和風ファンタジー📖

読書紹介記事を書く青沼りんです📗


今回ご紹介する本は、阿部智里 著『烏は主人を選ばない』(文藝春秋)です。


こちらは、以前ご紹介した『烏に単は似合わない』で行方不明だった若宮が裏でなにをしていたのかという物語です。


物語は、人の姿をした八咫烏が暮らす『山内』を支配する宗家。うつけ者と評判の奈月彦(のちの若宮)が兄を蹴落とし世継ぎの位についた事で、朝廷での権力争いが水面化で蠢いていた。一方、北領を治める郷長の次男坊でぼんくら少年の雪哉は、ひょんな事から奈月彦の近習見習いとして宮中に上がった事で朝廷の権力争いに巻き込まれてしまう。


物語の時系列は『烏に単は似合わない』とは同じ時間軸で進みます。

『烏に単は似合わない』(以下、『単』)は姫様視点。
『烏は主人を選ばない』(以下、『主』)は若宮視点

ということになり、『単』でのあのシーンが『主』ではこうなっていたという二重の楽しさが味わえます。

『単』は女性が多く登場し、舞台もほとんどが宮廷内と華やかな場面が多くありましたが、『主』は登場人物はほとんど男性で、権力争いや暗殺といったなかなか血生臭い場面も多い印象です。舞台も朝廷内から荒くれ者が集う谷間など山内の全体像が映し出されます。


若宮を狙う暗殺者に常に襲われるし、若宮も若宮で忙しい🏃‍♂️💨
そりゃあ、后選びしてる場合じゃないよね😅(その尻拭いをするのがいつも雪哉なのがホントかわいそう)

少年の雪哉も若宮に言われるがままに、あっちに行ってはこっちに行ってはと常に動きっぱなし🏃‍♂️

そんな彼は複雑な家族構成なのも相まって、年齢の割にかなり大人びた考え方をしています。生意気だけど頭いいんですよね😏
若宮もそんな雪哉を気に入ってそばに置きます。


そして若宮はとにかく敵が多い😱

宗家の長である金烏代(きんうだい)の側室が産んだ子が世継ぎになった事で、正室とその実家(南家という貴族)にも恨まれ、そして実の父にも恨まれる。
そんな中で宗家や朝廷の顔色を伺いながらも、権力を虎視眈々と狙う4つの貴族の当主たち。(北家、東家、南家、西家)

物語が進むにつれて、もう誰が敵で誰が味方かわからいまま畳み掛けていく展開をお楽しみください。

ちなみに、私の推しキャラは若宮を護衛する澄尾です(๑˃̵ᴗ˂̵)✨✨✨



また、インタビューで作者の阿部智里先生によると、元々書かれていた1つの物語を『単』と『主』に分けられたそうです。

偉そうな事を言うのはサラサラないのですが…

大正解でございます!!✨✨✨✨✨✨✨✨✨




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