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学童もいろいろ

大人って、学童保育が実際にどんな様子なのか、案外知らないんじゃないでしょうか。

学童、本当にいろいろなんですよ。

公設公営、公設民営…成り立ちから様々だし、運営形態も様々だし、決まりがあってないような感じで。学童って名前を使っているだけの塾もあるし。その仕組みや成り立ちについて話しだすと長くなるので、今回は割愛します💦

私が働いていた学童は、厚生労働省が所管する「放課後児童健全育成事業」でした。ということで、そのとき私は一応公務員でした。通称「放課後児童クラブ(自治体によって呼び名が変わる)」などと呼ばれていて(「学童」「学童保育」というのはさらに?通称になります💦)、市が運営しているものでした。なので、いろいろな学童がある中でも、わりとオーソドックスな形態だったと思います。

こちらの記事を読んで、学童で働いていたことを思い出し、記事を書こうと思いました。


HSCの特性を持つお子さんが小学生になり、通学に苦慮されている親御さんが書いている記事です。

この記事を書いている方のお子さんが通われている学童はどういった仕組みなのかがわからないので、そのこと自体には関わりが少ないかもしれませんが、私が働いていたある学童の様子をお話することは、別の視点から何かの参考になるかもしれないなと思いました。

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人も物もゆとりのない学童

むすこの学童は、小学校のグラウンド脇の
こじんまりとしたプレハブ小屋にある。

まず、このプレハブ小屋の学童に関してですが、学童によくある建屋の形です。私も自分が働いていたところではありませんが、プレハブ小屋の学童に入ったことがあります。これは個人的な意見ですが、そもそもプレハブなので居心地はあまり良いものではありません。これだけでも、仮にHSCのような特性を持つお子さんにとって、その環境は辛いかもしれないと思いました。

また、このプレハブ小屋は、小学校のグランド枠にあるということで、公設の学童である可能性は高そうだなと思いました。公設だからと言って、民営の場合もあるので、運営はどうなっているのかはわかりません。

お子さんが何が一番嫌なのかと言うと、DVDを見る時間が嫌と言う事です。

その学童では長期休みなどでお弁当を持参する日は、食後に30分〜1時間ほどアニメのDVDを見せている。むすこは、その内容が怖いと言う。
むすこには、時々出てくる戦いのシーンや、不安をかき立てるシーンなどが怖いようだった。家でも、アニメはおさるのジョージや、ムーミンくらいしか見ようとしない。それらもウイルスや、お化けなど「怖い要素」が登場すると、途中で見るのをやめる。
そもそも学童でDVDを見せるのはどうなのだろうか、とも思う。

ときどき映像を極端に怖がるお子さんがいます。家庭でそういうものに触れていないんだろうな…と思います。もちろん、職員の手に余裕があるときは個別に対応できるのですが、足りない時には個別対応できないのが現実です。そして、おそらく現実として、今の学童も園も、日本の子どもの支援に関わる仕事関係の職員の手が足りていることは、ほとんどないのだと思います。

親御さんは事前にお子さんがテレビをとても怖がるので、その時間別の場所で見守ってもらうことを相談していたそうです。それに対しても回答と対応はこのような形でした。

「子どもたちの食後のお腹休めと、
職員の打ち合わせ時間が必要」と、
別の場所で過ごすことはかなわなかった。
むすこはその間、
DVDを見ている子どもたちと同じ室内の、
映像が見えない場所で
職員さんと過ごすことになった。

とにかく、人が足りないんだと思います。
映像が聞こえない場所で、かつ職員の目が届く場所という条件に合う場所もないのかもしれません。そうなるとその子ひとりのために、完全な別室にひとり職員が一緒についていかなければなりません。その人員の余裕はないのだと思います。

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