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【読書メモ】アクセンチュア 消費財・サービスグループ著・上原優編著『外資系コンサルのリサーチ技法(第2版) 』89

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『外資系コンサルのリサーチ技法(第2版) 』目次マインドマップ

読書メモ

第5章 "リサーチ脳"を鍛える「抽象化思考」

  • なぜ他社の成功事例を鵜呑みにしてはいけないのか

    • リサーチで得た「事例」の使い方にも注意が必要
      →特に、過去の他者の成功法則

    • 外部にでている成功事例には、公表するだけの意図がある
      公表されている媒体に注目する

    • 成功に至った要因が意識的/無意識的に捨象されている
      →秘密にすべき成功要因を積極的に外に出すとは考えにくい
      →事例を語る本人なりに抽象化がすでに加えられている

    • 成功足らしめた決定的要因が明確でない
      →"生存者バイアス"がかかっている、と見るべき

感想

他者の成功法則があてにならないのは、そのやり方を選択した場合と選択しなかった場合とを比べることができないからです。「成功法則」というように一般化するなら、それなりの人数を集め、そのやり方をした群としなかった群を比較して、統計的に有意差があるかどうかを確かめなければなりません。

ビジネスでの「成功法則」とは、統計的に厳密な意味合いを持つものではなく、「成功事例」というだけにとどめておいたほうが良さそうです。統計学的な見方をすれば、サンプルをたった一つしか調べていないことになります。それを「法則」とまでいうのは、無理があるのではないかと思います。

ビジネスの成功が差別化に由来するものであると仮定すると、「法則」のように一般化されてしまった場合、知っていて実行すれば誰にでもできるようになり、そもそも差別化になりません。成功の手法を法則化したとたんに、その成功の価値は相対的に下がります。そういう意味でも、成功法則を鵜呑みにするのは、危険だと思います。

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