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【読書メモ】細谷功『「具体⇔抽象」トレーニング』06

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読書メモ

第1章 なぜ抽象と具体が大切なのか?

  • 『サピエンス全史』における「虚構」の役割

    • 「抽象概念は異る者同士を統合する」
      →人間が集団で生活していくうえで「虚構」(宗教や社会など)が重要な役割を果たす
      →人間は抽象概念を共有することで、社会活動を営むことが可能

  • 知の発展における「縦と横」

    • 図4(知のピラミッド):人間の知の発展を単純に縦と横の2つの方向性に模式化したもの

      • 縦軸具体と抽象(「質的」な拡大)
        =法則の発見、抽象概念の発展(言葉、数など)

      • 横軸情報量の大小(量的拡大)

      • 縦と横の相乗効果で、「知の三角形」が拡大していく

    • 「縦の進化」の例

      • 数:拡張性を持った汎用的な概念として進化してきた(自然数、整数、分数、有理数、実数、虚数、複素数)

      • お金:個別具体的なもの(肉、魚、野菜など)→象徴的なもの(貝殻や石など)→劣化・陳腐化しにくいもの(金、銀、銅など)→紙幣や硬貨→電子データ

      • エネルギー:「運動」「位置(高さ)」「熱」などを「エネルギー」という抽象化された概念によって「同じもの」とみなす

感想

人間の知には、「情報量」と「具体と抽象」の2種類があることは理解できましたが、この2つの知が互いに影響し合って相乗効果となり、人間の知が拡大していく、というのは、正直、わかったようなわからなような感じです。互いに独立しているようにも見えるのですが、どこがどのように相乗効果を起こしているのか、のちの議論でわかってくるのかもしれません。

言葉を軸にして考えるなら、自分の認識の外の世界を見ることで、見たものの抽象化・概念化が起こり、情報量が増えていく、ということでしょうか。

確かに、言葉は、具体的な何かを示しているわけではなく、抽象概念でコミュニケーションを取るものです。小林秀雄が「菫の花を「菫」と言葉で認識したとたん、もうその「菫の花」は見なくなってしまっている」というようなことを言っていたと思いますが、抽象化は具体的なものそのものを見なくしてしまう作用もあるようです。


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