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警察官を退職したときの話~後編~

さて、前編に引き続き、今回は最大の山場。
職場報告。

警察官って、それほど転職目的の退職がない。
そりゃあそうですよね。
公務員だもの。
職場が潰れるリスクはないし、社会的な信用もあるんですから。

当然、反対されるのは覚悟のうえで、職場報告に臨んだ次第です。

退職報告の時の話

退職報告したときは、それはもう驚かれました。


家族(一番反対されるであろう、実家。)には早めに話していましたが、それでも具体的に話をしたのは8月ごろ。

今でも理解はしていないかもしれません。
まあ、それでも、私の人生なんで。
この年で親に言われたから辞めるの止めるなんてことにはなるはずもなく。
単なる報告ですね。
『もう、辞めて別の仕事する』っていうのは。

では、職場報告はいつしたのか?
退職報告をするのは、秋の異動後にしました。

なぜかって?
異動後には、必ず面接があるから。

私がいた県警では、異動後に必ず面接があったんです。
仮にも、警部補っていう立場にいる以上、スムーズに退職に持ち込めないだろうなという気もして。

ま、案の定その予想は当たっていたんだけども。

『早すぎず、遅すぎずの時期に報告するのがベスト。
となると、退職の半年前の秋がいいんじゃないか。』

ってことで、秋の異動後に報告しています。



秋の異動後、面接で直属の上司へ報告

もはや決意表明だけど、それなりにしんみりと説明を。

秋の異動が終われば、次の異動に向けてすでに動き出します。
そのタイミングを狙うしかない。

確かに、人事ヒアリングのリミットでもある1月頃まで待つっていう手もあったかもしれません。
でも、異動がなかったとしても、面接はあります。

面接は、その後の希望や現状の悩みを聞く時間。
異動後の面接で何も言わず、いきなり年明けに退職しますっていうのもやっぱり優しくはないよね。

一応、上司のことも考えると、やっぱり秋の異動後はベストタイミングだったと思っています。


ちなみに、きちんと人事のルートに乗ったのは1月に入ってから。


それまで、何をしていたのかというと、上司がさらに上の上司と画策していたんですね。

実際にルートに乗るまでの間、何度面接をしたことか。
仮にも、警察官を17年やってきている身。
上司に説得されたからやっぱり続けますなんて、そんな生半可な気持ちで話すわけないじゃないですか。

それなのに、上司もなかなか話を進めてくれないんですね。

・今辞めるのはもったいないんじゃないの?
・今後の生活どうしていくの?
・休職っていう手もあるよ。

上司からしてみたら、部下が辞めるのは何としても避けたい。
15年以上も勤務してきた社員なんですから。
それなりに戦力にはなっているわけで。
辞められたら困るわけです。

ましてや、これから女性管理職を増やしていこうという時代。
組織にとって見たら、痛手でしかありません。

それも理解できるので早めに話したんだけども。
それにしても、まあなかなか話が進みませんでした。


噂好きな同僚対策

みんなウワサが大好き。だからこそ注意。

ちなみに、その段階では、同期や同僚には話していません。
なぜなら、ウワサが回るのはとてつもなく速いから。

警察に限らず、皆ウワサ話が大好きですよね。
先に同期や同僚に話してしまうと、思わぬところから話が上司に入ってしまったり。
聞かれたくもない人に話が行ってしまったり。
そうすると、非常に面倒なことになります。

1月に人事ルートに乗ったはずなのに、11月くらいには『うちの所属から警部補が辞めるらしい』っていう情報が私のところにも来たほど。
誰かはわからなかったようですが。
まさか本人のところに連絡してるなんて思ってもいないでしょうけど。

それだけ、皆ウワサ話に敏感なんです。

だから、退職時期が確定するまでは、いくら仲が良くても同僚には話さないことをお勧めします。



退職理由はマイルドに

退職の説明としても、あまり組織の不満は言わないほうがいいですね。
不満があることなんて、皆わかってますよ。

  • 体がキツイ

  • 今の仕事はやりたくない

  • 休みが少ない

  • 人間関係が嫌すぎる

こんな風に思っていたとしても、本音を話す必要はないんです。
ときに、『建前』も大事。

本音をぶちまけてしまうのは、スマートではありません。
それに、不満をぶちまけるということは、これから残る人に対しての侮辱にもなってしまいます。
むやみに傷つける必要はないですよね。

だから、次の二つをベースに退職理由をまとめると比較的スムーズに話せます。

1 家庭の事情
2 自身のスキルアップのため

いずれの場合も、周囲が比較的納得しやすい理由に持って行くことができます。

わたしの場合は、子供の成長をやっぱり見届けたいっていう理由をベースにおいて説明していきました。

理由をしっかり説明できるようにしていくには、自分自身と向き合う必要があります。
この本は、物語基調でとても読みやすく、自分の頭を整理するためのヒントがたくさん書かれています。
ぜひ、こちらの本も読んでみてください。

感動しすぎて読書記録も書いちゃったほど。

仲間が辞めてしまうのは寂しいもんです。
せめて、一緒に働いてきた仲間には敬意を払えるほどの理由にしておいてください。


退職願を出してから

公務員は、退職『願』なんです。

実に、報告してから約3か月。
1月に入ってようやく『退職願』を提出。
本部長の決裁に回ったのでした。

ブログでは退職願についても少し触れていますので、ここでは割愛させていただきます。こちらの記事から読んでいただければと思います。


確かに、40歳で退職するなんて、非常識だと思われたに違いありません。
退職の手続きがほぼ終了し、あとは残務整理っていう時期になり、ちょっと上の上司と話す機会がありました。

そのときの会話からもその心情は見て取れます。

私 『40歳で辞めるなんて、正直頭おかしいと思いますよね。』
上司『うん、思った。何言ってんだろうって思った。』

これが現実です。
最終的に、その上司は『ま、自分の人生だし。子供を作った責任もあるからね。』というようなことも言ってくれました。

退職するには、わりと恵まれた所属だったのかもしれません。
上司が理解ある感じだったので。

退職願を出してからは話は早かった。

それでも、同僚にはあまり話をしませんでした。
ごく仲のいい同期1人にだけ話してます。

よく飲みに行った仲間や昔お世話になった人にまで話をすると、どんどん収まらなくなります。
もちろん、きちんと話をしたかったのですが、そこはぐっと我慢して。

トータルで5人です。同じ係以外で話したのは。

ちょうど、コロナ対策で時差勤務だったり、会議室で仕事したりってこともあったので、同僚と顔を合わせる機会も少なかったっていうのもありましたが。


そもそも、わかってもらえないのは当たり前

なんで辞めるのかなんて、自分にしかわからない。それでいい。

実際、同じ係の人には12月末に話しました。
相当びっくりしてましたね。

でも、なんで辞めるのかまで完全に理解できるわけがありません。
そしてあふれ出るドリームキラー。

『なんで辞めるの?』
『もったいない!』

・・・出たー。”もったいない”。
この言葉、ほんとにいらないんですよ。

味方でいてくれる人って、
『話してくれてありがとう。もっと一緒に働きたかった。でも応援する。』
と受け入れてくれるんですよね。

さきほどの5人はまさにその対応。
実際、退職した後も会ったり、連絡を取ったりしています。

仕事上だけでつながっている人への報告で大事なのは、退職する事実と、残りの期間の仕事をどう割り振るかってこと。
それ以上でも以下でもありません。

理解してもらおうと思わなくて大丈夫です。


年休は取り切れるのか

年休は、取り切れるかではなく、取り切る。

最低限出来る仕事はしようと思っていたため、完全消化はできなかったことが悔やまれます。

3月の異動が終わった後は完全に年休消化できましたが、それまでの間には計画的に取得することができませんでした。

4月に決意しているんだから、もう少し計画的に取得して使い切ればよかったなって思ってます。

年休毎年マックス40日。そして、必ず20日以上残して翌年に繰り越し。これを何度繰り返したかわかりません。

退職決めたころから『休めるときは休む』ってやっておくと、年休フル消化はできるはず。


まとめ

こんな感じで退職を乗り切ってきました。

退職を決めたメリットとして大きかったのは、仕事に対する思い切り。

最後は後悔しないように、今できることをしておこうと思えたことかもしれません。
気持ちが振り切れて、普通の状態だったらやらなかった仕事や引き継いでしまったであろう仕事をやり遂げられたんですよね。

いつでも辞められると思っていると、今やるべき仕事が見えてくる。
結果的に、その仕事がうまくいくならそれでもいいと思います。

現状をどう変えていくかは、自分次第。

退職を考え始めているってことはチャンスかもしれませんよ。



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