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スーパーは「思惑」の場所、だから好き

21歳の今も、私は母の買い出しに必ず同伴する。

これは、腰痛持ちの母に代わって「重い荷物を家まで運ぶ」という重要なミッションを遂行するためなのだ。

が、本当にそうなのだろうか。
もちろんそれもそうなのだが、実のところ、私はスーパーが大好きなのである。

野菜にお魚お肉、心躍るお菓子売り場や大好きなベーカリーコーナー、生活必需品まで。

各社メーカーの想い詰まった商品があらゆる棚で所狭しと熾烈な争いを繰り広げている。私はそんな商品たちの争いを見るのが好きなのだ。

なぜ、この棚の配置にしたのか?
なぜ、このPOPを張り出したのか?
なぜ、この商品だけ売れ残っているのか?

頭の中をぐるぐると駆け巡る様々な「思惑」。
私はこの思惑をひとり頭の中で考え、妄想するのが好きなのである。

そしてその「思惑」という名の「戦略」にまんまと引っかかる「消費者」なのだ。

昨日もそうだった。母と朝に飲むフルーツジュースを探していたところ、隣のヨーグルトに目が行ってしまった。

母)「朝はフルーツにヨーグルトで健康的な食事にしたいね」
(本物のフルーツは高くてやめたため、ジュースを探していた)
私)「でもそれじゃあ足りないからなぁ」

こんな会話をしていたら、ちょうどヨーグルト売り場の上、頭のところに「フルグラ1食分」のパックがぶら下がっていた。

「フルグラ」と言えば、大きな袋のイメージがあった私は、このミニサイズを初めて見た。

ー久しぶりにフルグラ食べたい。
ちょどそう思っていたのだ。けど、普通のフルグラは量がちと多過ぎる。

「あーしてやられたな」
私の想いはマーケターの手の内に既に転がっていた。

マーケターの思惑通りの消費者にはなりたくない。
そんな、子供っぽい、思春期の消費者な私である。

とは言いつつも、しっかりそのミニフルグラを買って帰った。
しかも、3つ。

違う味を買ったのだ。普段できない味比べをしようと。

身の回りの商品は必ず、「思惑」がある。
私は今日も、そんな「思惑」に負けない消費者でありたいと、強がっている。

スーパーは「思惑」に満ちた、考えるには至高に空間なのだ。
だから好きなんだな。

そんなことを書いていたら、今日も母は月曜日のお野菜がお得なスーパーに行くとのこと。

さ、私の出番。行ってきます。








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