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読書記録『社会を変える学校、学校を変える社会』工藤勇一、植松努


『社会を変える学校、学校を変える社会』

 こんにちはもしくはこんばんは!りくをです!
 大好きな2人による共著『社会を変える学校、学校を変える社会』についてアウトプットさせてください。ここ最近読んだ教育関連の本でずば抜けてブッ刺さった1冊です。
 先に説明しておくと、工藤勇一さんは千代田区の公立中学校にて学校改革に取り組まれた後、神奈川県にある私立高校に赴任され、そこでも学校改革に取り組まれた方です。最近話題になっているチーム担任制や定期テスト廃止などの動きは、工藤さんから始まったと言っても過言ではありません。
 もう1人の著者 植松努さんは、北海道にある植松電機の代表取締役として、宇宙開発などの分野に携わられています。植松社長のスピーチ(確か札幌で行われたTedTalk)はSNSでも拡散され、かなり有名な話だと思います。私が勤務していた自治体の道徳の教科書には植松社長が教材として掲載されていました。以下に動画を掲載しておきます。見たことがない方はぜひこれを機に見てください。こんなにも心が熱くなるスピーチは中々出会えるものではありません。

 前置きが長くなりましたが、以下に印象に残った文章や感じたことをアウトプットしていきます。

自己決定できない子どもは、うまくいかないことがあると人のせいにしてしまう。すぐに人のせいにしたり環境のせいにして結果として幸せになれない。でも、考えてみれば、この子どもたちの姿は、今の僕たち大人社会の姿だとも言えます。
子どもたちに様々なサービスを与える場になってしまった学校を、子どもたち自身が主体的に学ぶ場に戻してあげることこそが、学校に今最も必要なことだと思います。

まさにドンピシャ。何かうまくいかないことがあると「あいつが〜」とか「もっと◯◯だった」とか文句や不満を言う大人が多いけど、結局のところ自分に原因を求めないと成長はないし、ずっと愚痴を垂れてる間は何も変わらない。あーだこーだ理由を探してチャレンジしない人が多いのは、これまでの学校教育が原因だと思う。もっと主体的に、自分の人生に責任を持って生きる大人が増えなきゃ社会は変わらないと思う。

「この世のすべての不利益は当人の能力不足」
東京喰種より

チーム担任制について質問されたときの工藤さんの言葉
参考になるのは「チーム医療」の考え方です。(中略)学校も様々な良さを持った先生がいます。こうした先生方が上手に連携して子どもたちと向き合っていけば良いのではないか…
もう1つ重要なポイントは生徒や保護者が相談したい教員を自由に選べるということ。…一方的にあてがわれたサービスに、人は不満を感じるものですが、自分で決めるとそれがなくなります。

 チーム担任制については、賛否両論あると思うが個人的には賛成の立場です。学校教育の目的は「主体的に社会で生きる生徒の育成」にあると思うので、その目的達成の手段と考えたら、自分はアリだと思う。教員2年目の時にこの話をしたら「じゃあお前、卒業式の呼名とかどうすんだよ。誰が呼ぶんだよ。考えてから物を言え」って言ってきた上司がいました。そういう世界ですよね、学校。

リーダーに必要なことは「人がそもそも動かないのが普通だ」という前提で動ける力です。その上で「動かない人を動かすためには、どうしたら良いのか」を工夫して行動できるかどうかです。

学級委員の言うことが正しく、それに従わない子がいたら、「なぜリーダーの言うことを聞かないんだ」と大人の力が介入する。日本の多くの学校で見る光景です。でもこれはあくまでリーダーが言っていることが正しい・正解な場合であって、これからの社会は正解が1つでない。自分で正解を作り出さなきゃいけない。そんな社会においてトップダウンしかやり方のないリーダーや組織は価値を発揮できないと思う。社会が変化しているのに、学校だけ変化しないのはおかしい。

「ベーシックインカムになったらどうする?」と日本の学生に聞くと「お金が貰えるなら働かない」と言う学生が多いのに対して、外国の学生は、「生活の心配がないなら思いっきり挑戦できる」と言う意見でした。

リアルな大人はできない理由しか教えてくれなかったけど、本で読める伝記の大人たちは「僕たちはこうやった」と教えてくれた。

できない理由を教えるのではなく、どうやったらできるかを教えられる教師になりたい。もしくは一緒に考えてあげられるコーチのような存在になりたい。


個人的な考えだが、学校教育はもっと時代に合わせて変化すべきだと思う。いつまでも古いしきたりに縛られて身動きが取れない組織は、社会に出ても価値を発揮できない。社会に出る子どもたちを育てる学校が、社会と分断されていては意味がない。と元教員がブツブツ言っても仕方ないので、この辺で終わります。最後までご覧いただきありがとうございましたぁ!

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