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例えばこんな胸の常夜燈も。#22

 記事のタイトルとヘッダー画像でピンときた方も多いと思うのですが、僕は最近「常夜燈 / PEOPLE 1」という曲を気に入って日に何度もリピートするぐらい聴いています。

 男性ボーカルの柔らかい歌声に乗せて、スローテンポなサウンドと共に、アニメーションで可憐な女の子がダンスをするMVが特徴的で、すごく中毒性が高い作品です。最初はMVの出来を気に入ったことがきっかけで何度も見返していたのですが、最近は癖のある曲調や歌声も好きになってしまい、すっかりファンになってしまいました。

 中でもサビの最後にある「~例えばこんな胸の常夜燈も」という歌詞が気に入ってしまい、曲を聴くたびにこの言葉にはどんな意味が込められているんだろう?って考えたりしています。

 「常夜燈」は僕らの生活圏のどこにでもある物です。
 夜道を照らす”街灯”や、寝るときにつける”豆球”も常夜燈の一種です。
 
 要は夜に光を灯す物はほとんど常夜燈に該当するらしい。
 僕の地元静岡県にも神社のお堂を小っちゃくしたような建造物があり、夜になると道を照らす「龍燈」という灯篭が町の至る所にあったりします。これも常夜燈の一種です。普段は夜になっても灯りがついている様子が無かったので、おそらく特別な行事ごとに灯されていたのかもしれません。

 というわけで、常夜燈は光を灯すための道具なのですが、歌詞にもあるような「胸の常夜燈」とは一体何のことを差しているんだろうと思い、歌詞の全容から登場人物と物語をイメージしてみることにしました。
 歌詞が乗っているサイトのURLはコチラ。

 この曲には「僕」と「君」という登場人物が存在します。
 歌詞の中に「学校はあるかしら」や「いつか大人になるならば」というワードがあるのでこの二人は子供で、「才能って一体何だろうね」と語り掛けるような言葉も存在するので、ある程度物心のついた年齢であることが分かります。才能という言葉に悩みを持つ中高生でしょうか。

 次に歌詞からイメージした作中の物語を考察してみると、語り手である「僕」が、人生の中で躓いてしまった「君」という人物へ励ましの言葉や諭すような言葉を語り掛けている様子が絵として浮かんできます。
 「皆は君の 君は神様のせいにする~」という歌詞が曲中にはあり、自分は部活動での大事な場面で失敗してしまった「君」の姿を想像しました。

 「君」という人物はとても塞ぎ込んでしまい、胸の内に暗い夜を抱えていて、目の前の道が真っ暗になり見えなくなっている。
 そこへ「僕」が現れ、何とか元気になってほしくて明るく振る舞う。
 MVで楽し気にダンスを踊る様子も「僕」の心中の表れだと思います。

 この二人の関係を想像してみても面白いです。
 どちらがどの性別なのかは明かされていないのですが、端的に「僕」という人物がMVの女の子だとすると、淡い青春の感じも漂ってきますよね。歌に於いて女性を「僕」と表記するのはよくある手法ですから。
 そうなると「僕」という女の子は、「君」という人物に好意を抱いていて、落ち込んだ彼を元気づけたくて奔走している様子も想像できます。

 自分の普段の息抜きの一つに"ラブコメ漫画を読む"趣味があるので、この観点はちょっとしたラブコメ脳による偏ったイメージにはなりますが……笑。

 それは一旦さておき、「僕」という人物にとって大切な「君」が傷ついてしまい、暗い闇の中を彷徨っている時に、「胸の常夜燈」を持って現れ、精一杯の励ましの言葉で道を灯す、こんな物語を僕は想像してみました。

 「例えばこんな胸の常夜燈も」という言葉は、誰かの心を照らす励ましの言葉・暖かな善意であるように感じました。歌声もメロディもMVもぜんぶが癖になる良い曲なので、よかったら聴いてみてください。

「常夜燈 / PEOPLE 1」

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