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村中璃子、ちょこっと読み。

わたしの書いた記事や科学・医学のニュースのまとめを適当にセレクトしてちょこっとお届けするマガジンです。わたしがnoteに書いた記事をぜんぶ読みたい方はマガジン『文系女医の書いて、… もっと読む
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2020年12月の記事一覧

渚の生と死

渚の生と死

11月22日、宮古島出身のライター、宮国優子さんが亡くなった。49歳。
親しい友人だった。

ただでさえ明るい気持ちになれない2020年の年末、亡くなった人の話を書くのは申し訳ない気もする。でも、たくさんの人が亡くなり、死がただの数字になってしまった年にこそ、ひとりの死について書き留めるのも意味のあることのような気がして、わたしが書いていいのかも分からないけれど書くことにした。

宮国優子の名にあ

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パンデミック元年のクリスマスイブ

パンデミック元年のクリスマスイブ

ドイツに来て驚いたのは、クリスマスツリーには本物のキャンドルを灯すことができること。蜜蝋でできた黄色いキャンドルは、ほんのり甘くていい香りがします。

今日のドイツの死者は800人超、感染者3万人超。それでもキャスターバッグを持って駅に向かう人やトランクに荷物を詰め込んで車を走らせる人を朝からたくさん見かけました。

日本もきょうは1日の新規感染者が3500人超と最高を記録。

どうか健やかな年末

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ドイツでは「79歳持病あり」も開業医も接種は後回しの新型コロナワクチン。日本は?

ドイツでは「79歳持病あり」も開業医も接種は後回しの新型コロナワクチン。日本は?

米ファイザーと独ビオンテックのワクチンが欧州でも12月29日にも承認される見込みだ。クリスマス前の23日という報道もある。

そんな中ドイツでは、新型コロナ流行で使われなくなった巨大イベントホールなどを整備し、接種者と接種者の距離を十分に保ちながワクチンを接種できるワクチンセンター、全国約400か所の開設を急ピッチで進めている。

わが家の近所にある「ハンブルク見本市(メッセ)」もそんなワクチンセ

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2020年マドックス賞はアンソニー・ファウチ氏ほか新型コロナをめぐる政治決断に影響を与えた2人に

2020年マドックス賞はアンソニー・ファウチ氏ほか新型コロナをめぐる政治決断に影響を与えた2人に

2020年12月14日、科学誌「ネイチャー」と英慈善団体「センス・アバウト・サイエンス」が主催するジョン・マドックス賞が、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長と南アフリカの公衆衛生学者、サリム・アブドウル・カリム氏に与えられた。アフリカにおける新興感染症として発生したHIVエイズにはじまり新型コロナまで、感染症の問題について科学に基づいた発言を続け、政治決断に影響

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いま布マスクを着けている人たちへ勧めること

財布、携帯、鍵に…マスク。わたしたちの外出時のチェックリストには、いま「マスク」が存在する。

世界が新型コロナ予防策としてのマスクに目を向けたのは意外と遅く、WHO(世界保健機関)による「パンデミック宣言」から2か月の過ぎた2020年3月27日のことだ。米科学誌「サイエンス」が1月から申し込んでいたという取材に、中国CDCの所長でウイルス学者のジョージ・ガオ(高福)氏が回答し、「アメリカとヨーロ

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