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わたしたちの活動の成果って何??…バリアフリープロジェクト「ふりかえりミーティング」を実施しました!

立教大学ボランティアセンターでは、学生が身近に感じる社会的なバリア(障壁)や課題に着目し、その解消を目指す「バリアフリープロジェクト」に取り組んでいます。

2月20日(火)には、自分たちの取り組みを多角的に振り返り、その成果や改題への認識や「社会的バリア(障壁)」への理解を深めるため、「ふりかえりミーティング(事後学習)」を実施しました!
オブザーバーとして、2019年度に学生実行委員会の実行委員長として「バリアフリー映画上映会」に携わった青木悠弥さんも参加してくださり、学生へのアドバイスもいただきました。


バリアフリープロジェクトとは

ボランティアセンターが昨年度から取り組んでいる「バリアフリープロジェクト」は、学生が身近に感じる「社会的な障壁(バリア)」や課題に着目し、その解消を目指す取り組みです。

今年度は、池袋・新座の各キャンパスでメンバーを募集。8月のキックオフミーティングを経て、それぞれ解消を目指すバリアを設定し、その解消に向けた活動を行ってきました。

当日の様子

各チームの取り組みを共有!

初めに行ったのが、池袋・新座の各チームにおける取り組みの共有です。
中間報告会(11月)以降、それぞれの取り組みについて詳しく知る機会がなかったため、まずはお互いの活動の詳細を知ることから始めました。

新座チームの活動紹介
池袋チームの活動紹介

「ココロ(キモチ)」のふりかえり

続いて行ったのは、自分の「ココロ(キモチ)」に向き合う、感情面の振り返りです。
ここでは、チーム関係なくごちゃまぜのグループをつくり、これまでの活動を通して感じたことや感情のゆらぎ、気持ちの変化などを、”最も感情が動いた場面”として共有しました。

グループに分かれた後は、語り手と聞き手に分かれて話を聞き合い、聞き手は質問しながら語り手のキモチを深掘りしていきました。
活動チームに違いはあっても、活動中に感じていたことには共通点が多くあったようで、お互いの語りに共感している様子が印象的でした。

各グループで話された内容を全体で共有した際には、課題解決に向けた取り組みの進め方に苦慮したり、企画実施までの道のりが長く、結果的に実施段階では時間がタイトになってしまったりしたことが、「ネガティブな感情になった場面」として挙げられました。
ただそのような時にこそ、「同じ問題意識をもって集まったメンバーと議論を重ねながらプロジェクトを進められること自体が励みになった」「自分一人であれば失敗から立ち直れないかもしれないけれど、このプロジェクトではみんなで協力して進められたことで、失敗を経ながらもその都度立て直して取り組むことができたことがよかった」と、ポジティブな感情になっていたこともわかりました。

困難を感じたり悩んだりすることが多く、その都度チームの中でより深いコミュニケーションや協働関係を求められたわけですが、その過程を経たことで取り組みが実現に至ったり、他のメンバーと共に達成感を感じられたりしたようでした。
特に、他のメンバーの存在の大きさやありがたさについてはどの学生も言及しており、同じことに取り組む他者の存在からポジティブな感情が生まれていたようです。

「アタマ」のふりかえり

続いて、チームごとに自分たちが取り組んだ活動の効果・意義を多角的に振り返る「アタマのふりかえり」を実施しました。

改めて自分たちのチームが解消を目指してきた「社会的バリア(障壁)」を確認し、そのうえで自分たちの取り組みによって生み出したと考えられる「効果・意義」を付箋にできるだけたくさん書き出しました。

池袋チームの様子

その後、それぞれが書き出した効果・意義のアイデアをチームのメンバーで共有し、そのアイデアを模造紙に書き込んだ4つの枠、「①ボランティア自身」「②課題の当事者・活動の対象」「③活動する組織」「④地域・社会」に分類・配置していきました。

新座チームの様子

プロジェクトを通して見えた良い影響(効果・意義)もあれば、社会課題に対して近づき、深く知ったことで新たに気づくことができた「課題」「バリア(障壁)が解消されない要因」などもありました。
また、本来は実現を目指していたけれど力不足で実現できなかったことなども共有されており、今後も継続して取り組みたいという声もありました。

ふりかえりの成果を発表!

「アタマの振り返り」の最後には、各チームの発表を行いました。
各チームの発表内容を簡単に紹介いたします。

〜池袋チームの発表〜

「今の学生は一生懸命になり過ぎる傾向がある」と知り、忙しさに追われる学生に対してリラックスする時間の大切さやストレスへの向き合い方について知ってほしいと考え、ストレッチイベント「ストレスリセット!」を開催しました。
当日は和やかな雰囲気の中、全員でストレッチ行い、心身を休めリフレッシュする時間の大切さやストレスとの向き合い方を伝えることができました。

一方で、改めて振り返ると、より多くの人たちに自分事として関心をもってもらうような広報(ポスターのテイストなど)もできたのではないか?という疑問や、参加者とのコミュニケーションについての反省点が残りました。

今後このようなイベントを行う際には、参加者へのアプローチ方法やリラックスした雰囲気を作っていけるよう、今回の学びを活かしていきたいと思います。

〜新座チームの発表〜

身近な人間関係や社会の小さな変化への違和感によって生じる「もやもや」に対して、互いの“違い”を受け止め合えるような対話の場「ゆるもやおしゃべり!」を開催しました。
この「ゆるもやおしゃべり!」では、毎回自分事として楽しく真剣にテーマを深掘ることができたり、仲間の率直な意見に触れ、自分とは異なる視点をもてたりしたことがおもしろかったです。

広報面や、運営・場づくり(和やかでゆるい雰囲気にもっていく難しさ)には何度も悩みましたが、その場に集まった人たちがこれまで一人で抱えていたことを共有できたようだったので、目指していた雰囲気をうまくつくれていたのではないかと思います。

「もやもや」をポジティブ化し、参加者全員がそのゴールを意識することで、ホスト/ゲストに関係なく、共に創り上げていくような場になったと思います。対話の場をポジティブな空間にすることで、社会全体にもポジティブな雰囲気が広がっていけば良いなと考えています。

最後の問い・・・「バリアフリーな社会」って何?

「バリアフリー」を目指すと言っても、社会的なバリア(障壁)は多種多様で、時に相反するニーズが生まれることもあり、そう簡単に実現できるものではありません。
しかし、その「バリア」を放置しているようでは、いつまで経っても困っている人がいるという事実は変わりません。

今回の振り返りミーティングの最後は、【あなたは「バリアフリーな社会」の中に、自分をどのように位置づけますか?】という問いに対して、それぞれが自分の言葉で語る時間を設けました。

最終的に参加学生は、「バリアフリーな社会とはどんなものか?」「それを実現させるために、自分にはどんな関わりができるのか?」「なぜそう考えたのか?」などを全員の前で話したのですが、ここではワークシートに書き込まれた学生の声の一部を紹介したいと思います。

私自身、このプロジェクトに参加してバリアフリーのイメージがかなり変わった。世の中には自分の知らないバリアが多くあったのに気づけたのがとても嬉しかった。
また、このプロジェクトを参加するまで(参加してすぐの頃まで)は、自分自身がそのバリアを抱える当事者ではないことを前提にそのバリアの解決策を考える時に、理解というより想像で考えてしまうことに対して、自分の中で抵抗であったり難しさであったりを感じた時もあった。
しかし、活動を通して、今まで気づいていなかっただけで、実は自分自身がバリアを抱える当事者であったことを実感させられた。
この経験によって、「バリアフリーな社会」とは「全ての人が生きやすい、生活しやすい社会」というのは勿論、「自身を客観視して見つめ直し、自分自身を大切にする機会を与える社会」なのではないかと感じた。そして、私自身、今回の経験をきっかけに周りの人にもちょっとした話題をきっかけにバリアについて広めていけたらと感じた。

池袋チームのメンバー

今まで「バリアフリーな社会」と聞くと、物理的なバリアのない社会を想像していたけれど、普段私の抱えているモヤモヤを“心理的なバリア”と捉えて、自分自身が社会に対して働きかけていいのだなという気付きがあった。その結果、今まで個人で生きていた感じがあったけれど、社会の一員として生きているような感覚が得られたし、楽になった。私は「バリアフリーな社会」を実現させるために、さらに対話をしていきたいなと思う。私が対話をするのが好きなのもあるけれど、知らないから認め合えなかったり、話さないから憶測で判断して、それを正解だと思い込んで話を進めたりすることを普通のコミュニケーション・人間関係とは思わないので、“話し合える”という空気を作っていきたいなと思った。

新座チームのメンバー