「慣行(文化)のバリア」の解消を目指す学生チームが、体験ワークショップ『「やさしい日本語」を使ってみよう!』を開催しました!
立教大学ボランティアセンターでは、学生が身近に感じる社会的なバリア(障壁)や課題に着目し、その解消を目指す「バリアフリープロジェクト」に今年度から取り組んでいます。
「慣行(文化)のバリア」チームは、情報の提供方法などによって生じるバリアに興味をもち、特に「標識」について注目してきました。今回は、留学生を含む外国人にも適切に情報を伝えるには…と考え、1/14(土)に池袋キャンパスで「やさしい日本語」の体験ワークショップを開催しました。
バリアフリープロジェクトって何?
ボランティアセンターが今年度から取り組んでいる「バリアフリープロジェクト」は、学生が身近に感じる社会的なバリア(障壁)や課題に着目し、その解消を目指す取組みです。
5月下旬からメンバーを募集、8月に実施したキックオフミーティングを皮切りに、【事物のバリア】【制度のバリア】【慣行のバリア】【観念のバリア】の4チームに分かれて、それぞれが感じる「社会のバリア(障壁)」の”解消”に取り組んできました。
なぜ、「やさしい日本語」?
「慣行(文化)のバリア」チームは、情報の提供方法などによって生じる慣行のバリアに興味をもち、特に標識について注目しながら、その解決に向けて議論を重ねてきました。
その中で共有されたのは、大学内でもたくさん見かける標識や貼り紙の多くは日本人向けのため、「英語表記がない」「そこで使われている日本語の文法や単語などが難しすぎる」等の現状があるということです。
そこで学生チームは、「日本で暮らす外国人が感じていると思われるバリア」の解消を目指し、「やさしい日本語」の取組みに着目しました。
今回は、多くの人に対して適切に情報が伝えられるように、「やさしい日本語」を普及したいと考え、体験ワークショップを開催しました。
体験ワークショップ
ワークショップでは、まず「やさしい日本語」について知っていただくために、チームメンバーがこのプロジェクトを通じて調べたこと、「東京都つながり創生財団」の方々や「立教大学日本語教育センター」の先生へのヒアリング等を通じて学んだ「やさしい日本語」とその現状、普及活動をしている方々の取組みについて紹介しました。
「やさしい日本語」を使う際には
「やさしい日本語」を使う時に一番意識すべきこととしては、2回のヒアリングにおいて共に、「伝えようとする気持ち」「一番伝えなければならないことを意識すること」という回答を得ました。
また、「やさしい日本語」は外国の方に対してだけでなく、しょうがいのある人や高齢者にも、伝わりやすいという特徴があります。
やさしい日本語にするコツは、「はっきり/さいごまで/みじかく」です。
ワークショップでは、みじかく伝えるために、「分けて/整理して/大胆に言うことが大切だ」という考え方を説明したうえで、その実践として、大学内の標識や貼り紙を留学生を含めた外国人にもわかる「やさしい日本語」で表すという簡単なワークを行いました。
次に、「やさしい日本語」を用いた会話や小説を読むワークを行いました。
立教大学でも「多文化共生社会と日本―やさしい日本語」という科目を開講していますが、今回のイベントにはその科目の履修生も参加していました。各グループでは、「敬語で伝えようと思い過ぎると難しい。本当は単語だけの方が伝わったりするのかも」「今伝えたい情報の中で、一番大事なことって何だろう?それを伝えるにはどうしようか?」等々、いろいろな意見や感想が飛び交っていました。
最後に
大学構内の標識もまだまだ日本人向けのものが多く、外国人には理解しづらい状況ですが、「やさしい日本語」が普及することで、情報の提供方法(伝え方)などから生じるバリア(障壁)が少しでも解消され、キャンパスで学ぶ多くの留学生にとってより過ごしやすい環境が整えられ、学生同士の交流が活発化していくとよいと思いました。
同学生チームでは、今回の取組みを通じて、学内の標識にやさしい日本語表記を加えることの提案も検討中です。
やさしい日本語(=外国人等にもわかるように配慮して、簡単にした日本語)は、下記ようなサイトからチェックができ、やさしい日本語で作った文を入力すると、コメントが出ます。
参加者の感想(一部)
授業で学んだやさしい日本語を実践する機会となってよかったです。改めて、やさしい日本語のポイントを再確認する貴重な時間になりました。
外国人の友達との会話で実践してみようと思います。
やさしい日本語は意外と難しいと思いましたが、とても楽しかったです!