悪夢を乗り越えてゆく人|育児日記
2023/12/17 3m2d
最近あまりよく眠れなくなってしまった。以前は何もかもが初めての育児に心身が疲労し、夜間授乳による睡眠不足も相まって、短時間でも即深い眠りにつくことができた。ところが、慣れが生じてきた途端、眠れなくなってしまったのだ。余計なことをごちゃごちゃと考えるゆとりができ、脳が冴えてしまっているのだろう。しかもせっかく眠りについても、見るのは悪夢ばかり。わけのわからないストーリーに苦しみもがいている最中、くんちゃんのおっぱいを求める声に起こされ、ほっと安堵することもあるほどだ。ああ、なんということだろうか。慣れや余裕はいいことばかりではないらしい。
「風邪を引いたときに見る夢みたい」。映画『君たちはどう生きるか』の感想をそう表現した知人がいた。言い得て妙だ。ここのところ連日見る夢はまさにそんな夢だし、映画もそんな風だった。昨夜ちょうどプロフェッショナルで宮崎駿が特集されていた。昨日は観れなかったので、夜ごはんを食べながら配信を再生する。あの映画は、彼の人生における葛藤や逃げ、闘い、嘆き、執着、誇り、憧れ、喜び、希望を詰め込んだ作品だったのか。そりゃあ、わたしみたいな凡人には到底理解できるはずがなく、悪夢のように映っても致し方ない。だってその域に達するには、それこそ悪夢めいた途方もない努力をしなくてはならないのだから。宮崎駿という、すべてを手に入れたように見える人だって、恐怖や不安に押し潰されそうになっているんだな。背負っているものの大きさは尋常ではない。それってほんとうに、悪夢だ。凡人には凡人の幸せがあるのかもしれない。
※本日1月5日は宮崎駿さんのお誕生日だそう。おめでとうございます!!
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