夢がなかった。だからわたしは、編集者になった。
わたしには、夢がなかった。遠い未来に自分が何になるのかを思い描くことができなくて、大事な選択の場面ではいつだって "なんにでもなれそうな"道を選んできた。
夢がない。
「好きを仕事に」というメッセージがあちこちで発信されている今、それは人として致命的な欠陥なのではないか、と思っていた。
そんなわたしが、27歳にしてようやく夢を持つようになった。決して華やかではないし、大きな声で人に語れるようなことでもないかもしれないけれど、わたしの中では明確な夢だ。今日は、わたしが迷走しながら自分の夢を腹落ちさせるまでの話をさせてほしい。
"なんにでもなれそう"がすべての軸だった
大学受験のときから夢がなかったわたしは、教育学部と看護学部と国際学部と教養学部という何の軸もない学部選びをし、いちばん"なんにでもなれそうな"教養学部に進学した。その後の就職活動で選んだ職種は、営業職。
ものすごく営業がやりたかったわけではないし、学生時代のアルバイトの経験から営業に対して苦手意識すらあった。それでも営業職を目指したのは、「苦手なことをできるようにならなければならない」という義務感を持っていたから。そして、営業を経験していればそのあと"なんにでもなれそう"だと思ったからだった。
ところがお察しの通り、2年の営業経験を経てもわたしは営業を好きにはなれなかった。営業成績こそそれなりにはなれたかもしれないが、営業が好きという気持ちはほとんどなく、客先訪問の度に胃がギリギリしていた記憶もある。
このままじゃまずいかもしれない、と思ったのは社会人3年目のころだ。大好きな領域で仕事ができていたから、仕事そのものは楽しかった。一方で、「営業が嫌いで不得手なわたしが努力をしたところで、初めから営業が好きな人と同じラインに立つことはできない」という感覚を持つようになっていた。
わたしの得意はなんだ。
人よりご機嫌にできることはなんだ。
導き出した答えが、「書く」だった。
そこからライター・編集にキャリアチェンジするまではあっという間だった気がする。昼休みに私用のPCを抱えてカフェに行き、毎日書いた。それは、SEO記事だったことも、noteだったことも、はてなブログだったこともある。営業職をしながらほぼ独学で書いたものを引っ提げて、未経験でスタートアップのインハウスライターとして転職した。
「わたしの夢ってなんだろう」
実務未経験でクリエイティブな仕事に就かせてもらえることは本当に幸運なことだ。やっと「自分の得意なこと」で仕事ができるという喜びはたしかに感じていたし、成功したいという欲求も、あった。それなのに、わたしの心の中にはなお「これはわたしの夢なんだろうか?」という気持ちがあった。
「自分が心から情熱を注げる夢を見つけよう」
頑張る人の背中を押すこの言葉は、ときに誰かへの呪いにもなる。「夢」の呪いにかかったわたしは、ライター・編集の領域を2年ほど経験したのち、100%自分にマッチした「夢」を手に入れようとキャリアチェンジを考え始めていた。
そんなときに出会ったのが、セブンリッチグループで広報・PR支援事業を行うナユくんだ。この出会いが、わたしのこの先の人生を変えることになる。
初めて誘いを受けたとき、ナユくんは何度も「クライアントのいちばんのファンでありたい」と言った。そして、「本物の想いをもって作られた事業のことを、届けるべきひとに届けたい」と。
直感的に、あぁ、これだなと思った。わたしには、自発的に、腹の底から湧き出る欲求みたいなものはない。けれど、「この人を喜ばせたい」「この人に笑っていてほしい」と思う相手の顔は、何十人も思い浮かんだ。
「書く」という武器をもって誰かの夢のために奔走できたら。ほんの少しでもいい、誰かの大きな夢を叶えるための「パーツ」になれたら。わたしは、わたしのできることで、大好きな人たちが夢を叶えて喜んでいる姿を見たい。その思いはもう、わたしの夢と言ってもいいんじゃないかと思えるようになった。
そうして2020年の12月、ピザ屋のクラフトビールでナユくんとふたりベロベロになりながら、一緒に編集の仕事をすると決めた。
書くことは大変だ。それでも。
書くことは大変だ。伝えたいことがありすぎてちっともまとまらなかったり、逆立ちしてもしっくりくる言葉がひとつも出てこなかったり、自分がいちばん良いと思って選んだ言葉が、別な誰かにとっては全然良くなかったりする。
フィードバックを受けたあとに、自分が書いたものを自分の手で壊して、イチから作り直すことだってある。
上手くできない自分を嫌だなぁと思うし、悔しさもあるし、自分が認識していないだけで、もしかしたらうっすら傷ついているかもしれない。
それでもわたしが書くことをやめないのは、ライター、編集者、デザイナー、その制作物に関わる人たちがみんなで力を合わせたときにしか見られない景色の鮮やかさを知っているからだろうな、と思う。
「りほまるさん、無事リリースできました!」
「りほまるさん、この記事経由で○件申し込みがありました!」
「りほまるさんが編集に入ってくれたから、最後まで書ききれました!」
ビジネスをしている以上、自分の書いたものを数字につなげるのは大前提だ。けれどわたし個人としての幸せは、一緒に作ってきた人からの「りほまるさん!」の呼びかけの中にこそある。
もしかすると人は、"誰かの夢に乗っかること"を夢とは呼ばないのかもしれない。それでも、わたしが長い時間をかけて見つけた夢が「誰かの夢を叶える」ということであるのは、たしかだ。
仲間を募集しています
ということで、お決まりの流れにはなりますが、セブンリッチグループの広報・PR支援事業部ではライターを募集しています。
条件は
文章を書くことに向き合ったことがあり、その楽しさと苦しさ、思うようにいかないことのもどかしさを経験し、それでも信念をもって努力して乗り越えようとしてきている人
であるということ。
大きな夢のある人も、夢を持ったことのない人も、上記に当てはまる人ならお話したいと思っています。
そのほかの条件については直接相談させていただきたいのですが、「日本時間の日中に取材や現地への訪問ができる方」が望ましいと考えています。フルリモート前提です。
上記フォームからでも、Twitter経由のDMでも構いません。皆さんの「夢っぽいもの」を、ぜひわたしにも教えてください!
ご応募お待ちしております!
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