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自分がゲイだと気が付いて、メンタルブレイクされていた話

こんにちは、Right/Poohです。
今回は、自分の身の上話というか、自分のプライベートな部分について記事を書きたいと思います。
自分の性に悩んでる人や、LGBTQの人ってどんな風なんだろうって興味のある人、奇しくも僕という人間に興味のある人(おそらくいないと思いますが)には是非とも読んで欲しいです。
タイトルの通り、LGBTQ関連の記事になります。そういう話題が苦手な人は記事を読むのを今すぐやめてください。また、話にリアリティを持たせるために、あえて性的なワードも伏せません。そういうのが苦手な人も今すぐ読むのをやめてください。
また、この記事に書かれていることはあくまで僕の個人的な意見です。僕もまだLGBTQについては勉強中なので、間違った情報を含んでいたらごめんなさい。

1.LGBTQの解説と自分のセクシャリティについて

まずは、LGBTQという単語を聞いたことがない人向けに、簡単に意味を説明したいと思います。
LGBTQという言葉は、セクシャルマイノリティの人を網羅的に指す言葉です。Lがレズビアン(女性同性愛者)、Gがゲイ(男性同性愛者)、Bがバイセクシャル(両性愛者)、Tがトランスジェンダー(性別越境者)、Qがノンバイナリー(どちらの性にも属さない人)、アセクシャルやアロマンティック(他者に性的関心や恋愛感情を持たない人)など、他にも様々な性を含んでいます。LGBTという言葉は聞き馴染みのある人が多いかもしれませんが、最近ではLGBTQという言葉の方が一般的になってきています。
性はグラデーションのように表現されることがしばしばあります。身体の性(いわゆるsex)と性自認(いわゆるgender)と性的指向の掛け合わせで、自分だけの性が生まれます。これ以上詳しく解説し始めると記事が長くなりすぎてしまうため、詳細を知りたい人は記事の最後に紹介している参考サイトを見てください。

次に、自分のセクシャリティについて。
僕は今のところ、自分のことをG(ゲイ)だと自覚しています。ただ、これから両方の性に興味を持つB(バイセクシャル)に変わる可能性も十分あると自分は考えています。ただ、少なくとも男性に興味があるので、性的マイノリティであることは間違いありません。
創作垢(https://www.pixiv.net/users/46590108)で自分が投稿している小説の殆どが男性の同性愛をテーマにしているので、なんとなく察していた人もいるかもしれません。

2.自分がゲイだと気が付いたきっかけ

思い返すと、自分は中学校の頃からなんとなく男性のことが気になっていました。更衣室で着替える同級生を見ることになんとなく気恥ずかしさを覚えたり、友達が異性に興味を持ち始めたのに自分はあまり興味を持てなかったり……。違和感を覚えた出来事を挙げ始めたら、キリがありません。

「お前、絶対ホモだろ」

何度も同級生に言われた冷やかしの言葉。そうやってからかわれる度に、「違うわバカ」と必死に否定したのを覚えています。
当時の僕の友達の間では、ホモは異常なことで、男性同士の恋愛は気持ち悪いことだという共通認識がありました。一方、百合、いわゆる女性同士の恋愛はそこまで嫌悪されていませんでした(むしろそういうのが好きな男子がちらほらいたような)。
ホモは目の敵にされていたような印象がありました。昨今のネット上でも、同様の傾向があると思います。例えば、精神年齢の低く、知識も教養もない迷惑な子供に「ホモガキ」という蔑称をつけたりしますよね。ゲイは、他の性的マイノリティと比べて軽蔑されることが多いようにも感じます(僕の単なる被害妄想だったらごめんなさい)。
ゲイが軽蔑の対象とされがちな要因の一つには、例のホモビの影響もあるかもしれません。ただ、僕は淫夢ネタに詳しくないので、あんまり下手なことは癒えません。りらこさんの記事がかなり詳しく解説しているので、興味がある人は読んでみてください。
https://c-hanger-in-the-rye.xyz/archives/oninmu.html

そんな男性同性愛を嫌悪する風潮も相まって、友達の男の子に性的な魅力を感じてしまったことなど、周囲の人には絶対に打ち明けられませんでした。自分が周りから嫌悪されるような存在であると信じたくなかったのです。
僕は無意識のうちに、普通の人間の皮を被って生きていました。性的に興味がないのに、女性の方とお付き合いしたこともありました。おっぱいやマンコなど、男友達に受けやすい安っぽい下ネタを言って、笑いをとりに行くこともありました。自宅で男性をオカズにしてオナニーしていることなど、誰にも悟られないように注意を払っていました。

そうやって、自分の本性から目を逸らし続け、斜に構えた思春期を送っていました。自分がゲイである自覚など、微塵もありません。男性をオカズにしていながら、自分はヘテロ(異性愛者、いわゆる普通の人)であると信じ切っていたのです。そんな自分がゲイだと自認せざるを得なくなったのは、去年の10月。めでたく20歳の誕生日を迎えた直後の話です。
きっかけは、Twitterにてとある漫画を見つけたことでした。

半年ほど前に完結したネット小説、「あいつとシェアハウス」の漫画版です。
この作品は、獣人の男子二人が大学生になって、ルームシェアをする話です。主人公である猫獣人の善人君はゲイで、幼馴染で犬獣人の大智君に恋をしていますが、その気持ちをずっと持て余したまま共同生活を送っていくことになります。
当時、こういう漫画をTwitterで見ることにハマっていた僕は、漫画の続きが気になって原作の小説(https://www.pixiv.net/novel/series/697988?p=1)を読むことにしました。
(ちなみにこの小説、ゲイの方にだけでなく、ヘテロの方にもおすすめです。同性愛の過激な描写はなく、「恋愛とは何たるか」について突き詰めて書いてあるので、非常に考えさせられますし感動します)

この小説が、僕の人生を一変させました。
気持ちは伝えたいけど、相手との親しい関係が変わってしまうのが怖い。相手のことが愛しくて仕方ないけど、それを悟られてはいけない。主人公の葛藤する気持ちに痛い程共感を覚えました。読んでいくうちに、自分の心の中には中学校の同級生のA君のことが思い浮かびました。中学卒業後も交流を続けていたA君のことが、僕は好きでした。ただ、それは友達として好きなものだと思いこんでいました(というよりそうだと信じたかった)。でも、小説を読んでいるうちにそれは違うと気が付きました。自分も善人君と同じように、A君に恋心を抱いているゲイだと気が付いてしまいました。

僕がいつの間にかかぶっていた化けの皮は、完全に剥がされてしまいました。自分がゲイだということを、僕は自覚してしまったのです。

3.自分がゲイだと気が付いて、メンタルブレイクされていた話

この記事のメインの部分です。自分がゲイだと気が付いてからしばらくの間、僕は精神的にキツイ日々を送っていました。その時の大きな悩みが、次の二つです。

まず初めに、「どうしよう」と思いました。中学の頃、友達の誰もが忌み嫌っていたホモに自分がなってしまったのです。これ以上に恐ろしいことなど、あるわけがありません。
自分が異常であることを悟られてはならないと、僕は再認識しました。今まで自分と仲良くしてくれた人が、僕がホモだと知った次の瞬間には僕のことを毛嫌いするかもしれないと思うと、怖くて仕方がありませんでした。
ヘテロの人は「そんな性指向をカミングアウトするぐらいで大袈裟な」と思うかもしれませんが、当事者にとっては非常にナイーブな問題ですし、死活問題でもあります。カミングアウトした結果、偏見に晒されて嫌な思いをしたり、人間関係を失ったりするぐらいだったら、いっそ黙っていた方が安全なわけです。
自分と仲良くしていた大学の知り合いとは、今まで通り「普通」という名の皮を被って接しました。でも、「皮を被っている」と自覚してからは、そうすることがとても苦しかったです。自分が自分でないような気がして、生きることがとても窮屈に感じました。

次に僕の心を痛めたことは、元カノの存在です。以前お付き合いしていた彼女のことを、僕は本当に愛せていたのか、懐疑的になってしまったのです。
自分がゲイだと気が付くまでは「恋愛は心の繋がりが大事、身体の繋がりなんて不要」と思っていましたが、いざ性的に興味のあるA君に恋愛感情を抱いた後は、「心の繋がりも大事だけど、身体の繋がりも大事だよな」と考えるようになりました。恋愛感情には性欲がつきものだと気が付いたのです。言い換えれば、A君に恋をしていると気が付いた瞬間に、初めて性欲がセットになった恋愛感情を知ったわけです。今まで異性に向けていた見せかけの恋愛感情なんて、本物のそれに比べたら話にならないぐらい味気なかったんだなと気が付きました。
彼女には、所謂体の繋がりは求めませんでした。彼女にそれを求めるのはなんとなく嫌で。キスやセックスは勿論、手を繋ぐことすらしませんでした。それはつまり、本当の意味で彼女を愛せてなかった証なのではないかと思いました。もしかしたら、単に自分が普通の人間であると証明したくて、彼女を利用してしまったのではないかとも思いました。
自分がろくでなしに思えました。言い知れぬ罪悪感に縛り付けられていきます。

世界が真っ逆さまになって、足元から崩れ落ちていくような気がしました。今まで自分が信じていた価値観が全て狂っていきます。今まで自分を偽り続けてきたツケが回ってきたんですね。
他人はおろか、自分自身すら信じられない。ある種の人間不信に陥った状態で送った日々は、まさしく生き地獄という言葉が相応しかったです。自殺や失踪など、突飛なことを考える程病んではいませんでしたが、鬱一歩手前の気が狂いそうなメンタルで大学生活を送っていました。

4.どうやってメンタルを立て直したのか

悩みを解決する方法はいくつかあります。例えば、趣味に没頭して悩んでいたことを忘れるとか、逆に徹底的に悩みと向き合って正面突破で解決するとか。ちなみに、お酒を浴びる程飲んで忘れようとするのはお勧めしません。頭痛と吐き気に苦しめられて体調が悪くなる上に、悩みは一切忘れられないのでデメリットしかないです(体験談)。

最終的に自分が取った方法は、「周りの人に相談すること」でした。
散々悩んだ挙句、「この悩みは自分一人で解決するには、あまりにも重すぎる」と感じました。そこで、嫌われる覚悟のもと、勇気を振り絞って誰かに相談しようと思いました。
僕の場合、メンタルがやられていた理由の一つが「今まで仲良くしていた人が、僕のことを毛嫌いするかもしれない恐怖」だったので、それを克服するには、「自分の本性を明かしても、毛嫌いされずに関係を続けられる」という体験をすることが一番でした。
勿論、当時の自分はそんな論理的な思考ができるような精神状態ではなかったので、振り返って考察してみたらたまたま最善の方法を取っていた、というだけだったのですが。

ただ、リアルの知り合いにいきなり相談するのは流石に気が引けました。だから、まずはネットの知り合いの人に相談することにしました。最初の相談相手は、一年ほど仲良くさせていただいていたFtM(Female to Maleの略)のトランスジェンダーのBさんにしました。自分と似たような立場の人であれば、嫌悪はされないかなと思い、彼にしました。
結果から言うと、相談したのは大正解でした。Bさんに相談して、自分の心のしこりが大分解れたのは今でも覚えています。Bさんは他のLGBTQの人からも相談をよく受けていたらしく、僕の相談を真摯に聞いて、適切なアドバイスをくださいました。
特に印象に残った言葉は、「誰かに恋しちゃうのはしゃーないし、恋するだけなら自由でしょ」というもの。その言葉が、どれほど心強いものだったか。

「ゲイと明かしても毛嫌いされないかもしれない」という希望を持てたことで、少しずつメンタルが立ち直っていきます。ネットの次は、リアルの知り合いに相談することにしました。学部で特に仲良くしていた男友達の一人、あと、職場の同僚の女の子二人にも打ち明けました。僕が相談役に選んだ人は、誰も自分を毛嫌いしませんでした。それどころか、「ええやん、頑張って愛しの相手をゲットするんやで」と応援すらされました。

僕はなんて馬鹿だったんだろうなと思いました。嫌われる恐怖に怯えて、勝手に人間不信になって。自分のことを理解してくれる人に恵まれていたのに、その人達に心を開くのを躊躇っていたなんて。たった4人の人に自分の気持ちを話しただけで、世界が変わったように思えました。

こうして、僕の心を占めていた大きな悩みの一つは、ほとんど消え去りました。
残っているもう一つの大きな悩みである「元カノ」の方は、実はまだ決着がついていません。それに関しても、一応Bさんから助言があって、「その時楽しかったなら、それでいいんじゃないの」と言われました。
あの時の自分は恋愛のれの字も知らないようなクソガキだったので、それで許されるのかなとも思いつつ、それでも酷いことをしてしまったんじゃないかと思って、今でも心の中に悩みとして残っています。これから時間をかけて、ゆっくり解決していきたいと思います。

5.メンタルを立て直す中で気が付いたこと

こうして僕は、擦り切れそうだった心を癒して、なんとかメンタルを立て直すことができました。
ただ、問題は山積みのままですです。元カノの件は勿論、結婚のこと、家族へのカミングアウト……挙げ始めたらキリがありません。
でも、今までの悩みを解決していく中で、いろいろ発見があったので、それを色々と記していきます。

①自分らしく振る舞うことの大切さ
LGBTQに限った話ではありませんが、周りの視線を気にして自分を見繕うと、本当に疲れます。一時の気苦労で終わればまだいいですが、こじれると大変なことになります。自分の場合は「こんなに隠さないといけないなんて、自分の本質はクズなのでは?」と卑屈になってしまい、ホモフォビア(同性愛者を嫌悪する人)にこそなりませんでしたが、自己肯定感が著しく下がってしまいました。自分を偽ることは、精神衛生上本当に良くないなあと思いました。
自分らしく振る舞える場所をどこかに作っておくといいと思います。場所はどこでも構いません。別に学校や職場でなくてもいいです。例えば家族の前だとか、ネ友とゲームする時とか。ポイントは、包み隠さない、ってことですかね。気兼ねしたり、余計な気遣いをしない場所がいいと思います。

②人生は友達ゲー
①の話とも関連しますが、ありのままの自分を受け入れてくれる友達がいると、本当に心が安らぎます。自分の承認欲求が満たされていくからですね。人生は友達ゲーです。遠慮せずに本音で語り合える友達が数人いるだけで、本当に人生が豊かになると思います。
今回の自分の悩みも、友達がいなかったら解消しなかったと思います。こんな自分に付き合ってくれる人たちには感謝してもしきれません。

③自分の本質は変わっていく
今、僕は自分のことをゲイだと思っていますが、一生ゲイのまま人生を終えるとは限らないと思っています。例えば、これから先の人生で、とても素敵な女性と出会って恋をして、バイセクシャルになる可能性だって十分にあると思っています。
現状分析や自己分析はとても大事ですけど、それに囚われて「異常な自分はこうやって生きるしかない」と縮こまってしまうと、自分の可能性を狭めてしまうように思いました。
「これからも自分が変わっていくかもしれないんだなぁ」と考えるようになってから、少し肩の力が抜けました。

まとめ・あとがき

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今回の記事は、ここ一年で僕の身に起こった、とってもとっても大きな出来事を綴ってみました。
自分がゲイだと気が付いた当初は「こんなことに気が付かなければ良かった」と自分を呪ったものです。元々僕は自分のことが嫌いだったので、余計に自己嫌悪に苦しみました。でも、周りの人の支えもあり、なんとか立ち直ることができました。本当に感謝です。
酒を飲んで、アルコールが回った状態で書き始めた記事。気が付けばかなり長くなってしまって若干後悔しています。
ノートを投稿することで自分のセクシャリティをカミングアウトするのには、正直言って抵抗がありました。ただ、どうせ隠していても察してる人は既に分かってるだろうし、だったら包み隠さず書いて面白いと思わせる記事にしてやろうと、途中からは開き直ってノリノリで書いてました。

最後にもう一度だけ宣伝だけさせてください。
僕、Right/Poohは「瑞浪雫」というペンネームでBL小説を書いてます。
最近オリジナル長編も書き始めたので、気になる方は是非読んでみてください。超大作にするつもりなので期待しててください。下のリンクから僕の作品ページに飛べます。
https://www.pixiv.net/users/46590108

LGBTという言葉が大衆にも認知されて久しいですが、未だにマイノリティは偏見に晒されることが多いように思います。
旧民法下の家制度や婚姻制度、男女分業、出る杭を叩きまくってぶっ潰そうとする国民性……色々な要因があっての現状だと思いますが、偏見をなくしていくには、一人ひとりの意識を変えていくことが必須だと私は考えています。
この記事を読んでいる皆さんには、LGBTQの問題をどこかの遠い誰かの話と思わないで欲しいです。日本であれば、10~13人に1人、セクシャルマイノリティであると言われています(参考サイト:https://jobrainbow.jp/magazine/lgbt-percentage)。言えないだけで、マイノリティであることを隠している人が周囲にいる可能性は十分にあります。もしかしたら、あなたの友達が、同僚が、家族が、LGBTQかもしれません。そして、あなた自身が、何かのきっかけでLGBTQになるかもしれません。
この記事を通じて、LGBTQの問題を身近に感じていただけたら幸いです。
そして、いつの日かマイノリティの人に対する偏見が全てなくなって、どんなマイノリティの人でも胸を張って生きていける社会になることを、僕は切に願っています。

少々真面目過ぎたので、最後だけふざけます。
ちんちん(邪念)

参考サイト
LGBTとは|東京レインボープライド2020
https://tokyorainbowpride.com/lgbt/
LGBTについて考えよう - 法務省
http://www.moj.go.jp/JINKEN/LGBT/index.html
LGBTQ・LGBTQIAとは?【LGBTとの違い】 - JobRainbow
https://jobrainbow.jp/magazine/whatislgbtqia
アセクシャル(エイセクシャル)とは?【恋愛しない?】 - JobRainbow
https://jobrainbow.jp/magazine/asexual

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