茜色の教室と食中毒【短編小説】
「ちょっと、何してるの?」
日が傾いて、涼しい風が窓から入る。
教室の中は茜色で、つまり少しロマンチックとも言えなくはない。
夕暮れどきの教室。淡いブラスバンド部の音色。遠くから聞こえる運動部の掛け声。私はひとり帰路に着こうとして、スマホのメッセージに気が付く。そこにはクラスのきになる男の子から。「今日、放課後教室で待っててくれない?」。
すってき!!
そんな妄想をしていると、ある珍妙な光景が目に入った。素敵な空間にやぼったい男の子がひとりで、机にむかって(そしてその机は