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生物学に特化した短編小説とエッセイ / Bio Novels

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屋上のバイオテロ -後編- 【短編小説】

1コール。2コール。3コール。 いくら電話をかけようとしてもミヤノは出なかった。俺は授業を…

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屋上のバイオテロ -中編- 【短編小説】

結局まよったあげく、俺はミヤノに連絡を取ることにした。ミヤノが学校に来なくなってから、10…

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屋上のバイオテロ -前編-【短編小説】

ねえ、知ってる? 911のすぐ後に起こったバイオテロ。 そのバイオテロで使われたのは炭疽菌…

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はじめに/マガジンについての説明

この『生物学に特化した短編小説とエッセイ』では、遺伝学、微生物学、発酵食品学をテーマに小…

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Hypothetical protein 【短編小説】

「物事には道理があるだろう?」 「どうり?」 「そう。道理だ。例えば今俺が持っている100…

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盲目の時計職人とチェス 【コラム】

生物学についての短編小説を書くことが多いのですが、たまたま昔読んだ本の内容を思い出したの…

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茜色の教室と食中毒2 -学名とはなんぞや後編- 【短編小説】

◯ 前回のあらすじ。 なんかやばい。 ◯ 「どうやって学名って決めてるの?」 私はふとおもって須藤君に聞いた。 「細菌だと形質と遺伝情報で決めることがほとんどだよ」 そう言って、須藤君はなんだかそわそわしだした。 心なしか、すこしうれしそうな…。 「さっき16S rRNA遺伝子の話はしたよね」 「え、した?」 「16SっていうのはリボソームRNAのサブユニットの一部でSは沈降係数をあらわしていて、大体1.5kbくらいの長さで、保存性が比較的高いから遠い種

茜色の教室と食中毒2 -学名とはなんぞや前編- 【短編小説】

いつだって、夕暮れ時の教室は無造作で、ほこりっぽくて、それなのにどこかにノスタルジーを残…

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ぼくの専攻など、自己紹介(パブロフのぼく)

・本格的な挨拶をこんにちは/初めまして、Right brothersのサブ執筆者のパブロフのぼくと申し…

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タンパク質はどこからやってくるのか 検尿の再提出をお願いしますーぼく「!!??」

・男なら誰しも尿蛋白で検尿の再提出を経験したことがあるだろうこんにちはrightbrothersのサ…

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ぼくの体を構成しているものは何だろう?

・カフェインとかニコチンとかですけど挨拶 こんにちはパブロフの犬です。 音楽やイラストの…

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ショート・ショート・コドン・コード【短編小説】

電話が鳴った。そのままでもよいのだが、鳴っている電話を放っておくのは不思議と罪悪感がある…

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茜色の教室と食中毒【短編小説】

「ちょっと、何してるの?」 日が傾いて、涼しい風が窓から入る。 教室の中は茜色で、つまり…

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マガジンの説明(ロングバージョン)/今いる世界を目を凝らしてみてみよう。

序『僕は小さい頃、この世は夢で本当の自分は眠っていると思っていた。 いまでも少しはそう思っている。昔から自分以外のものを疑う人は多いらしいけれど、ぼくもご多分に漏れないみたいだ。デカルトみたく、考えるだけで少なくとも自分だけは定義してみても、それ以外の世界は曖昧で、意識と世界は限りなく同じ意味になってくる。 もしかしたらこれを読んでいる君も同じような思いをしているかもしれない。君がもしそんな思いを持っているなら、これは君へ向けた物語だ。 世界はまやかしで、大人はなぜかま