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タンパク質はどこからやってくるのか 検尿の再提出をお願いしますーぼく「!!??」

・男なら誰しも尿蛋白で検尿の再提出を経験したことがあるだろう

こんにちはrightbrothersのサブ執筆者のパブロフのぼくと申します。大学では生物学、特に魚類の性分化の研究をしていました。自己紹介はまたおいおいということで。
今回の記事は体を構成するたんぱく質についてです。

ぼくはこの世界において人間は2つの種類に分けられると考えています(←?)。

・尿たんぱくの異常で検尿の再提出を経験したことがある人間
・尿たんぱくの異常で検尿の再提出を経験したことがない人間

ぼくは尿たんぱくの異常で検尿の再提出を経験したことがある側の人間です。ぼくが前日にナニをしていたか、聡い読者諸兄なら察して余りあるでしょう。今回はそのタンパク質がどこから生みだされるかというお話。

・前回の記事まとめ

箇条書きにすると

・生物の最小単位は細胞
・一つの細胞から分かれて(細胞の分化)体(様々な細胞の集合体)が形成されてる
・細胞の性質は沢山あるけどどの細胞も共通の設計図(DNA)を持っている
・DNAはくびれており(2重らせん構造)、ATGCという文字で情報を記載している

こんな感じです。
今回はDNAという設計図がどう体を作っていくかという話です。

多分におふざけが含まれたわかりにくい原文はこちら。

・設計図(DNA)からどうやって体を作っているのか

DNA(ディーナさん)からどう体ができていくか、という問いに答えるには、まず体が何からできているかを知らなければなりません。

この問に対して、前回生物学の様式美的に細胞と答えました。この細胞にもう少しフォーカスしてみると、例えば筋肉。筋肉が収縮と弛緩を繰り返すことで体を動かしたりできるわけですが、この筋肉を構成する筋細胞にあるミオシンとアクチンと呼ばれるたんぱく質が収縮と弛緩をして体を動かす動力となっています。骨の主成分はリン酸カルシウムですが、軟骨の主成分であるコラーゲンというたんぱく質が骨の強度や柔軟性に寄与していると考えられています。ナニしたときに射出される精液に含まれる精子はほとんどタンパク質でできています。
細胞の成分をざっくりと分けてみると、水が7割でタンパク質が2割くらい。残りの1割を脂質、糖質、DNAとかが占めています。水を伝達のための媒体とするなら、細胞の機能はタンパク質が担っているといっても過言ではないでしょう。

そう考えると、体はタンパク質に機能の大部分を任せているのです。で、このたんぱく質こそ、ディーナさんが握っている情報です。

では、ぼくたちの体の中で、せかせか働いているタンパク質たちはどのようにディーナさんから生産されるのだろうか。

・ディーナさん(DNA)にはラーナさん(RNA)という秘書がいる

DNAの情報はRNA(リボ核酸)という、ほぼ同じ構造を持つ物質を介してタンパク質を作り出しています。ほぼ同じ構造というのは、DNAの情報がA、T、G、Cという文字で書かれているのに対し、RNAはA、U、G、Cの文字が使われています。しかもTとUの分子構造は類似しているので、分子を立体的に見たときの構造もほぼ同じです。ただDNAと違い、RNAは作られていくと同時に折りたたまれていくので、理論的な構造的類似にも関わらず、まったく違う働きをします。それがタンパク質合成です。

もっとかみ砕いた言い方をするなら、DNAを部分的にコピーしたものがRNAで、コピーされた情報であるRNAがタンパク質を指定しているのです。

こう考えるとDNAは情報を持っている大元で、設計図のコピーを渡して作らせる親会社で、RNAは下請けみたいな感じですね。かわいそうなので秘書ということにしてあげましょう。

・4つの文字でタンパク質をどうやって作るのか?

前述の通りタンパク質といっても多種多様なのですが、そんないろんな種類のタンパク質をどうやって4つの文字で指定できるのか。

これは組み合わせの話です。まずタンパク質は20種類程度のアミノ酸が合体したものです。このアミノ酸の構成でタンパク質の機能が決まります。
そして、この約20種類のアミノ酸を指定しているのが4つの文字です。

アミノ酸を指定するには3つの文字を使います。4つの文字を使って3つの文字の並びを作った時の種類は

4×4×4=64通り

です。実際に指定するアミノ酸は20種類くらいなので、十分書き表せますね。それで、たんぱく質は種類によってさまざまですが、10アミノ酸以下のタンパク質(この場合は短鎖ペプチドなんて呼ばれる)はまずありませんので、仮に10アミノ酸でできるタンパク質の種類を考えてみると

20^10=1024×10^10

だいたい100兆個。途轍もねえぇ。
実際にあるタンパク質の持つアミノ酸の数はもっと多いので、理論的には天文学的数値のアミノ酸配列パターンを指定できます。
しかし、実際にはアミノ酸配列が機能を決定するのでこんなに膨大な数の種類があるわけではないんですね。

・家づくりに例えるとこんな感じかも

ディーナ(DNA):建築家、設計図を持ってるひと
ラーナ(RNA):現場指揮、設計図みて材料(タンパク質)を指定
タンパク質:柱とかの材料

・タンパク質という体の材料生産はラーナさんのおかげ

タンパク質の生合成にはラーナさんが頑張っていましたよ、という記事でした。

もっと細胞内のダイナミズムなことを書くと、アミノ酸を指定するRNAの配列、たんぱく質を合成するアミノ酸配列があるのですが、配列によって合成速度が変わったりします。なので刺激に対して高い反応性のある配列なんかもあったりして遺伝学はここら辺を掘り下げていくと面白いかもしれませんね。

ここまで読んでくださりありがとうございました。ではまた。

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