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生物学に特化した短編小説とエッセイ / Bio Novels

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2020年5月の記事一覧

屋上のバイオテロ -後編- 【短編小説】

1コール。2コール。3コール。 いくら電話をかけようとしてもミヤノは出なかった。俺は授業を…

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屋上のバイオテロ -中編- 【短編小説】

結局まよったあげく、俺はミヤノに連絡を取ることにした。ミヤノが学校に来なくなってから、10…

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屋上のバイオテロ -前編-【短編小説】

ねえ、知ってる? 911のすぐ後に起こったバイオテロ。 そのバイオテロで使われたのは炭疽菌…

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D-Genes 【短編小説】

ガチャガチャ。 キーボードを叩く音。 ガチャガチャ。 特段大きな音ではないのだけれど、や…

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微生物ってなんですか?【コラム】

プロフィールにもある通り僕は微生物が好きです。 なので今日は微生物について基本的なことを…

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keep tryin' 【短編小説】

 A、T、G、C。 こんな始まり方って、きっと下品だと思う。でも、ここからじゃないと始まらな…

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Hypothetical protein 【短編小説】

「物事には道理があるだろう?」 「どうり?」 「そう。道理だ。例えば今俺が持っている100円硬貨を落とすと速度は一秒あたりにつき9.80665 m/s 上がっていく」 「メートル・パー・セカンド・”スクエア”じゃなくて?」 「一秒あたりを別に明示しているからな」 「それの何が道理なの?」 「道理というのは既知から推測される予測のことだ。つまり数理モデルのことさ」 「ふうん。学校で教えてるやつとはずいぶん違うじゃん」 「学校ではなんと習った?」 「ルールはルー

盲目の時計職人とチェス 【コラム】

生物学についての短編小説を書くことが多いのですが、たまたま昔読んだ本の内容を思い出したの…

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茜色の教室と食中毒2 -学名とはなんぞや後編- 【短編小説】

◯ 前回のあらすじ。 なんかやばい。 ◯ 「どうやって学名って決めてるの?」 私はふとお…

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茜色の教室と食中毒2 -学名とはなんぞや前編- 【短編小説】

いつだって、夕暮れ時の教室は無造作で、ほこりっぽくて、それなのにどこかにノスタルジーを残…

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ぼくの専攻など、自己紹介(パブロフのぼく)

・本格的な挨拶をこんにちは/初めまして、Right brothersのサブ執筆者のパブロフのぼくと申し…

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タンパク質はどこからやってくるのか 検尿の再提出をお願いしますーぼく「!!??」

・男なら誰しも尿蛋白で検尿の再提出を経験したことがあるだろうこんにちはrightbrothersのサ…

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ぼくの体を構成しているものは何だろう?

・カフェインとかニコチンとかですけど挨拶 こんにちはパブロフの犬です。 音楽やイラストの…

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ショート・ショート・コドン・コード【短編小説】

電話が鳴った。そのままでもよいのだが、鳴っている電話を放っておくのは不思議と罪悪感がある。これが経験によるところの刷り込みなのか、生物学的な反応なのかはわからない。たぶん、すぐやるべき事を放っておくと知らぬ間にストレスを抱えるのかもしれない。だが、そのメカニズムを探るよりも、大元を断ってしまった方が精神衛生上よさそうだ。 僕は電話を取った。 「こんにちは。神崎です」 「こんにちは。神崎様。わたくし、元村証券株式会社の藤堂と申します」 「なんだ。環(たまき)か」 「環よー」