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東京に来て感じた都内の子供達の運動能力について(1)


千代田区でスポーツ/運動指導を始めてもうすぐ4年目になります。

東京のど真ん中で園児から中学生まで運動指導してきて、奈良での6年間とは全く違った感覚で子供達に指導をしております。

何に違いを感じ、具体的にどれほど差があるのかを問いとして書いていきます。

長くなりそうなので、まずは2つほど。
(具体的に小学生をメインに話していきます)

テニスを教えていない感覚

東京ではそもそもテニスを教えるに至らない時間になることが多々あります。
奈良で指導してきた頃はplay+stayで言うところの普及のレベルの子たちですら、1ヶ月もすればみんなネットを安定して超えるようになり、ほっといてもコート横で自分たちでケンカしながらラリーを始めてくれます。

したがって、数打てばある程度上手くなるのが私の中での常識でした。
その中で課題を直したり、ラリーできる回数を増やしたり、子供達の運動能力に半分依存しながら指導できました。

【都内の子を指導して感じていること1.ボールのバウンドが読めない】
ところが、東京ではまず当たらない。
本当に嘘かと言うほどラケットとボールが当たらない子を沢山見てきました。
ラケットとボールが当たってネットを越すのに1年かかるなんてそんな珍しい話ではない程、当たりません。

従ってその場合はネット越しからボール出しではなく、斜め前から、真横からなど難易度もどんどん下げて実施・・。
しても難しい。

そもそもボールがどのように弾むか、向かってくるのか分からない子が多いように感じています。

【都内の子を指導して感じていること2.走れない】
次に圧倒的に走れないのです。
運動不足の成人のように(ごめんなさい)鬼ごっこの途中からプシュ〜と止まってしまいます。
従って簡単な左右の振り回しも容易に練習メニューに入れることができなくなりました。

【都内の子を指導して感じていること3.その場に応じた必要な出力ができない】

必要に応じて自分の体の運動スピードをコントロールさせることが極端に苦手だなと感じています。
例えば自分の近くにくるローペースな配球だろうと、ネット側ギリギリの全力ダッシュが必要な配球だろうと、向かうペースを変えることができないように感じています。

最初は何故必死に走らないんだろうと考えていただけなのですが、次第にしないのではなくできないことに気づきました。

今回は運動能力に絞って都内の子供達のよく見る運動の特徴について書きました。

ラケットに当たらない、走れないわけですから、その場に立ってもらって打球練習をするしかなく、そうなると余計運動量は減ってきます。
これ以上運動量は落としたくないので、走って打つ練習も入れますが、ボールまで追いつけずただ少し走ってそのまま抜けていく子もしばしば。。

必然的にテニス以前に運動そのものの時間を作ることも多々あります。
鬼ごっこ、ボール投げなど、基礎運動の時間の作って土台を固めるところから始めます。
もちろんその分テニスの時間は減りますが、そうは言ってられない状況なので、保護者にも説明した上で取り組んでいます。

奈良で指導していた園児と、東京の運動が苦手な小学生の運動能力が同じぐらいかなと感じています。

東京に来て初めて「テニスって難しいスポーツなんだな」と感じるようになりました。
運動が苦手な子にとっては、飛んでくるボールを、自分の体ではなくラケットを動かして当て、且つネットを越して指定された枠の中に入れるなんて
見るところ、意識するところが多すぎて難しいだろうなと思います。

幸いにも「難しいこと=楽しくない」ではないようで、楽しく続けてくれていますが、東京に来て「上達」の面で指導の難しさを色々と感じています。

コーチとしては燃えるところではあるので、私自身楽しくやっているのですが、指導者として「運動能力への理解/都心の子供の運動環境/運動以外の私生活における環境」など
しっかり理解して指導に臨まないと、経験則だけで指導するとつまづくことが多いのではないかなと思いました。

続く


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