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ある梅雨の日、夢やぶれた私によりそってくれたスガシカオさんの曲

スガシカオさんの曲には麻薬のような中毒性がある。彼の音楽でなければダメだ!他の曲はもう聞けない、そう思わせる強い力がある。特筆すべきはあの文学的な歌詞である。
彼は文筆家ではない、なのになぜこれほど人の心に強く響く言葉を紡げるのだろうか。
梅雨の日の午後、夢やぶれた私に寄り添ってくれた彼の曲と、それが与えてくれたものについて書いてみたいと思う。

夢やぶれて、、、それでも届けたいこの思い

小説を書いてみたい、そう思ったのはいつごろからだろうか。日記帳に残された稚拙な落書きのようなストーリーの数々。書けば書くほど自分の書いたもののつまらなさに絶望し、いつしか書くことをやめていた。
それでも読むことだけは大好きで決してやめなかった。

やがて広い世界に出て、様々な出会いや経験を重ねた。魅力的な人の話や素晴らしい芸術品の数々が私の中にどんどん積もっていった。
インプットの重みに溺れそうになり、無性にこう思った。
どこかのだれかにこの思いを届けたい、と。

noteとの出会い、そしてまたもや夢やぶれた私

私はnoteに出会い、自分の経験や思いを書き綴ってみることにした。以前の日記帳の落書きよりはマシなものが書けるようになっていた。
自己満足に浸り書き続け、ある時ふと我に返りこう思う。
私のnoteはどこかのだれかに何かを届けているのだろうか。
書けば書くほど、伝えたいことの本質からはずれていくようだった。うまく書けなくなった私は再び絶望し夢やぶれた。

スガシカオさんが紡ぎ出す言葉の数々

音楽にあまり詳しくない私だが、10年以上前にかなり聞き込んだミュージシャンがいた。それはスガシカオさん。
独創的な音楽、ささやきかけるように甘いハスキーボイス、まるで世界に存在していないような生活感のなさや個性的な雰囲気。     
何よりひきつけられたのが、文学的なその歌詞だった。
いそがしく日々の生活をおくりながら、時折ふと届く彼の言葉にぎくりとして立ち止まったり、とめどなく涙があふれるほど心が揺さぶられたり。
万人に受け入れられる歌詞ではないけれど、だれかの心に深く届いている、そんな素晴らしい言葉はどのように作られるのだろう。

アーティストでも夢やぶれる

思うように書けなくて、気分転換に見ていたYouTube。ふと彼の曲を見つけて聞いてみた。


ぼくは夢を描いて 破り捨てては描いて
今日の勇気と昨日のイタミを
同じだけ抱きしめたら
あなたの明日にぼくができること
ひとつくらいみつかるかな

「春夏秋冬」 スガシカオ

この歌詞が私の心に飛び込んできた。
スガシカオさんのように素晴らしいアーティストであっても、書いては破り捨て、書いては破り捨てた夢があるのだろうか。
創作がうまくいかないもどかしさに、自分を責めて失望したりするのだろうか。私のように夢やぶれた日々があるのだろうか。
そんなイタミをもちながらも続ける勇気さえもっていれば、いつか誰かの明日に届くような言葉を生みだせる。
彼の甘い声は私にそうささやいているようだった。

私なりに続けてみよう


フォロワーの数がすくなくても、スキの数が少なくても、気にする必要はない。重要なのはどれだけ深くだれかの心に思いを届けられるかということ。
続けていれば、いつかは誰かの心に届くような言葉が描けるようになるはず。
ある梅雨の日、夢やぶれた私にそっとよりそってくれたスガシカオさんの曲に私は勇気をもらった。
なんど夢やぶれようと、また勇気をふりしぼり書き続けてみようと思う。

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