助産師が伝える、セックスとマインドフルネス
一般社団法人U-me代表で助産師のリエです。私はMBSRというプログラムの講師として、マインドフルネスを伝える活動をしています。今日は助産師として、性について一歩踏み込んだ内容を書いてみたくなり机に向かっています。
MBSR(マインドフルネスストレス低減法)についてはこちらから詳しくご覧になれます。ただいま、5月開催の女性限定MBSRプログラムの生徒を募集していますので、興味のある方は是非ご検討ください。
助産師は、主に出産前後の女性と赤ちゃんのサポーターとして知られていますが、実は女性の生涯にわたる性と生殖の専門家で、性教育や更年期のサポートなどを専門として活動する仲間もいます。
今日はセックスとマインドフルネスについて書きますので、不快に感じる方は、ここまでで閉じてくださいね。
【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイ2024
少し前に「【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイ2024」の結果が発表されました。まだ概要全てはオープンになっていませんが、発表内容がいくつかのメディアで取り上げられていました。
この中で、明らかになったのが、既婚者のセックスレス(1ヶ月以上性交渉がないと回答)の割合が6割を超えたことです。また、若い男性のセックス離れが顕著で、10・20代の男性の36.6%がセックスをしたいと思わないという結果でした。これは同年代の女性をの32.2%を上回る数字です。また、全体でみると男性の16.3%、女性の45.9%がセックスをしたいと思わないという結果でした。女性の半数がセックスをしたくない、そりゃあ少子化になりますよね。
セックスをしたい/したくないは個人の自由ですが、なぜしたくないのか、というところが助産師として、マインドフルネス講師として、とても気になります。
日本人がセックスに消極的な理由
日本の男女がセックスに消極的になっている原因についてChatGPTに聞いてみました。
なるほど、確かに社会文化的な背景や、経済的不安、コミュニケーションスキルが影響してそうです。結婚離れや子どもを持たない選択の増加の原因でもありますね。
日本人女性がセックスに消極的な理由
もう少し掘り下げたく、今度は女性に絞って聞いてみました。
女性に限定した瞬間に、価値観や教育の課題感が強まるのが興味深いです。
セックスとマインドフルネス
私は42歳ですが、セックスをしたいと思いますし、人生の中で、探求したいことのひとつです。(産後は長く、したくない時期もあったと加えておきます。)そして、マインドフルネスと出会ったことで、探求がさらに深まったと感じています。人間にとって、性はデフォルトでプログラミングされている要素のひとつです。それを好きか嫌いか、探求するかしないかは、個人の自由ですが、味わい探求することで人生がより豊かになる営みのひとつだと感じています。もちろん、人生の探求はいろんなところで出来るので「しなければならない」ということではありません。でも、もし、「探求してみたい」と思っているなら、マインドフルネスが役にたつかもしれません。
セックスにも必要な7つの態度
本当に、上記の通りだと思います。MBSRを開発したJ.カバットジン先生が唱えたマインドフルネス瞑想に取り組むために必要な7つの態度について紹介しましょう。
これは、性の探求でもとても大切な態度だと感じています。私なりに、何故そう感じるのかを書いてみます。
1. 自分で評価をくださないこと
セックスを楽しむために、うまくできている、できないない、相手からどうみられているか、という評価=ジャッジは不要です。是非今この瞬間の体の感覚を味わってみましょう。そのためにはパートナーとの信頼関係もとても大切です。
2. 忍耐強いこと
時にセックスを含むパートナーシップの形成には時間がかかることがあります。カバットジン先生は「早く蝶になるようにと思ってさなぎをこじ開けようとする」という表現をしています。パートナーとの関係性構築や、オーガズムなどの感覚を得ることを急ぎすぎないようにしましょう。
3. 初心を忘れないこと
大きな喜びを得ると、それを再現したくなるのが人間の性ではありますが、その思いが、今この瞬間のセックスを味わうことの妨げになることもあります。過去の喜びを手放すことで、新たな世界を発見する可能性もあります。冒険するように味わってみましょう。
4. 自分を信じること
自分自身の感覚を信じることがとても大切です。心地よい感覚、不快な感覚、その両方を大切にしましょう。これは、パートナーからの提案に対しても、時には断ったり、別の提案をして良いということです。
5. むやみに努力しないこと
目的のためにがんばりすぎないということです。カバットジン先生は「瞑想のゴールは、あなたが”あなた自身として存在する”ようになることなのです。」と書いています。セックスのゴールも、究極的にはそこではないでしょうか。最終的に「こうなりたい」という目的をセックスに持ち込んでいれば、それを一度手放してみるのもひとつのチャレンジかもしれません。
6. 受け入れること
いまこの瞬間におきていることをあるがままに見る、それに委ねてみるということです。心地よい感覚、不快な感覚、それらを受け入れて、必要であればケアをする。パートナーとそれを分かち合うことそのものがセックスではないでしょうか。自分自身の体についてもです。どんな体型でも自分自身がその体を愛し、受け入れることです。難しいですよね。私も太い足がコンプレックスです。段々と愛せるようになりましたが、ミニスカートはまだ着れません。ゆっくりで良いのです。
7. とらわれないこと
心はとらわれやすいものです。過去の失敗や嫌な体験、あるいは成功、未来への期待や不安。そのことに気づいて、認めながらも、こだわらないようにしましょう。女性は特にセックスをすると、オキシトシンが分泌され、相手への親しみの感情が大きくなります。その結果、大きく心が揺さぶられるような出来事が起きることもあるかもしれません。時には強い思いにとらわれることもあるでしょう。そういう時はそのとらわれている様子に気づいて感じてみましょう。
マインドフルネスで女性性を味わう
いかがでしたでしょうか。性というものは奥が深く、その後の妊娠出産育児に直結しています。現代社会では、人間が生理的な生き物であるという事実が見えなくなりがちです。ストレスや愛が起こす生理的な反応が心に及ぼす影響に気づくことは、人生のあらゆる面で役にたつと感じています。
今回、女性だけのMBSRを開催した背景には、女性だけでないと扱いにくい性やジェンダーの話も安心して取り扱える場所にしたいという思いがあります。体験会&説明会も開催しています。下記より是非ご検討くださいませ。
よろしければ、あわせてお読みください。
ありがとうございます☺️