「真っ直ぐ」が正解じゃない

雨が降る

すると空模様以上に心までどんよりとしていた10代のころ

うねる

”真っ直ぐ”でありたいのに

髪のはなし

髪型がキマラナイ

湿度の変化を敏感にキャッチするわたしのくせ毛

天気予報よりあてになる

そういえば

プールの授業があったあの頃

まさか学校にドライヤーがあるはずもなく

泳いだ後、濡れた髪のまま教室の椅子に座り

国語や数学を学んでいたんだっけか……

そりゃないね

思い出すだけで身の毛がよだつ

洗いざらしの髪はそのままクルクルに

ぱさぱさに乾いて目も当てられない

「会いませんように」

片想いの先輩

祈らずにいられない

会いたいのに

モテモテのあの子は

濡れながらもサラサラとなびかせていた

部活で汗をかこうが梅雨時でもお構いなし

いい香りを漂わせていた

どうして理不尽と不公平を感じずにいられるだろう

髪のはなし

だけどね

今ならあの頃の自分にこうアドバイスする

「ストレートが正解じゃないよ。」

たとえ曲がりくねったとしても否定しないこと

まずは受け入れる

そしてできる限りのアレンジを楽しんで

周りの目を気にせず堂々と胸を張りなさい

あれっ

髪のはなしじゃなくなってる？