「私と転職活動」心変わり①私はエリートになりたい訳じゃない。


派遣社員を続けていくかどうか。思いもよらぬ展開に恵まれ、変化と共に過ぎた4年。これ以上変化を見込めないと感じたある日、「自分が仕事を変える」という方法が選択肢に加わって。実際に行動してみて、はじめてわかることはたくさんあります。自分でも気づいていない理想も、その1つと言えます。

私は派遣社員として工場に勤務していました。「正社員で仕事ができたらいいな」と日頃から思っていたので、その希望を、そろそろ形にしていこうと手始めに、ハローワークに行きました。在職中でも就職活動ができるとわかり、その日に求職申し込みをしてきました。

そしてすぐに、興味深い事業内容で条件の良い企業を見つけます。その企業は従業員数が少なかったので、企業が大きくなっていく過程で新しいポジションが増えていくことを想像できました。私は20代で役職を持ち仕事をしたので、正社員になるなら当時のように先頭に立ち、部下を率いて仕事をしたいという願望がありました。出世が期待できることを決め手にはじめての応募です。

いろんなやりとりの末、面接に行けることに。その日は半日有休をとり午前中に面接に行きました。午後から出勤し、自分の持ち場に立ち、出だしが遅れながらも、いつもどおりの風景はしっくりときます。自分の持ち場の外側を広い範囲で見渡すと、とても追い込まれている様子のラインが目に入りました。私は自分のラインの領域を越え、他のラインの生産に加わることが日常的だったので、すぐ駆けつけて生産に加わりたくなりました。

そのラインは派遣先企業の正社員の方々で構成されているラインで、納期の短縮や欠勤など、イレギュラーなことを原因に状況が厳しくなると、私を借りだして使ってくれるラインです。獲得したいくつかの応援先の中でも、かなりの頻度で声をかけてくれるラインでした。声がかかるのは「状況が厳しい時」。その分、大変な時を一緒にたくさん乗り越えてきただけに思い入れがあります。自分が行くといつも「助かった」と言ってくれるので、力になれることが嬉しく必要以上に頑張れていたことを思い出すのでした。

仕事をしていく上で役割と責任を増やしていきたいのは、エリートになりたい訳ではなく、困っている現場を良くしたいからのはず。応募先は、事業拡大のための増員で、今、人手不足で困っている訳じゃない。現状に困っている現場は...「あんな感じではない。そこに行き着きたくても行きつけない現場がたくさんある。私は条件が良いところより、単純に、労働力が足りていないところへ行こう!」

そして私は応募を辞退しました。

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