歩。動。進。

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時代が動いている。

あの日、成人式をするくらいの歳だった青年はアメリカへと飛び出していった。今思うと、あれは日本から逃げたんだな。

あの日、念願の英国留学をしても机にしか向かっていなかった彼。あれも『逃げ』だったんだな。

あの日、仕事の毎日で時間がなくて、心の体調が悪かったアイツは元気にやっているだろうか。退社したって聞いたけどあれも逃げたかったんだろうなぁ。

過去に幾度となく逃げていた彼らは、確実に次の自分へとバトンを渡している。過去から学び、未来へ繋いでいる。今の自分は自分の過去からバトンを繋いでもらっているか。それがわかるのは未来であって、少なくとも今ではない。

『逃げ』というのは悪いことではない。本当に悪いことは『逃げから何も学ばないこと』なんだと思う。たくさん失敗もしたし逃げてきた。その度に学んできた。彼らは人生として大切なことをその逃げで学んでいった。

世界が動いていくのを傍観する者、行動する者。時代の節目には人間が二極化する。生まれてきたときに無残な毒ガス事件が起き、今現在生きている基盤を作った教育システムが変わっていったのも僕らの世代。リーマンショック、SARS、ISIL、東日本大震災、フランス爆弾テロなど世界中を震撼させた事件の後には人間の価値観が変わる。

今回の一件も必ずこの星に住んでいる民族の価値観が変わる。

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ここまで書いてMac Bookを閉じた。

コーヒーを淹れてタバコを巻いて火をつける。

消えていく煙を見ようと空を見上げたらちょうど黄昏時だ。

二極化とか、逃げる意味とか、難しいことを書いたけれど僕はどうやら単細胞のようだ。広い世界を見ようとしても目の前のことに集中しすぎると途端に周りが見えなくなてしまう。難しいことはそのうち考えれば良いし、今できることをしていけば言葉にできる日が必ず来る。

僕は今できることを全力でやろう。

それが失敗であれ、成功であれ、まずはやってみよう。過去から学んだから。

僕は部屋に戻って、コーヒーを淹れることにした。