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失敗を恐れず、今こそチャレンジを DIMENSION下平将人×リチカ松尾幸治(後編)

9月28日、株式会社リチカはシリーズBラウンドで約8億円の資金調達を行ったと発表しました。VCの方々と代表取締役の松尾幸治との対談を通して、新たなフェーズを迎えたリチカの現在と未来を探っていきます。第1弾はDIMENSION株式会社の下平(しもだいら)将人さんをお迎えしました。後編では、リチカの課題と未来への可能性、下平さんからリチカへのエールもいただきました。(前編はこちら

「非連続の成長」を考えて先を読む

松尾 下平さんとは定例でも事業計画などについてお話させていただいていますが、僕たちが考えているけれど見えていないことに対して的確に言語化していただいているな、と思っています。

下平 ベンチャーには経営資源が少ないので、短期的には目の前のことにフォーカスしてもらうほうがいいと思っています。それに、戦略より、実行のほうが圧倒的に難しいのは自分も事業会社にいたので、重々承知しているつもりです。

一方で、事業の中でPMF(プロダクトマーケットフィット、提供しているサービスや商品が、顧客の課題を解決できる適切な市場で受け入れられている状態)が見えた瞬間に次を仕込むことも重要だと思っています。1つだけだと成功するかわからないので、非連続の成長をするためにはいくつか事業を走らせることも必要です。特にリチカの場合は戦略変数がめちゃくちゃ多い事業の立ち位置をとっているので、早め早めにインプットさせてもらっています。その瞬間では聞き流してもらっても、どこかのタイミングで目の前の事業機会に踏み出す勇気になればいいな、と思っています。

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下平 将人 Business Producer
弁護士として一般民事や企業法務を経験したのち、LINE株式会社の社内弁護士(リーガルカウンセル)やチャットボット領域の新規事業開発担当を経て、DIに参画。国内1号ファンド「DIMENSION」を立ち上げる。投資先複数社の社外取締役。経済産業省(近畿経済産業局)U30関西起業家コミュニティ メンター。クリエーターをサポートするArts&Lawに所属しクリエーター向けに無料法律相談を実施。 アニメ業界のペインについて業界を横断して考える「Animation&law」を主催。ビジネスロイヤーズにおいて、「起業家の法との向き合い方」について連載中。

松尾 すごいすっきりしました。そういう見方で見て、考えていただいているんですね。この次にやらないといけないこと、しかもちょっと見えてないことへの問いかけがすごく多いなと思っていました。僕も同じ問いを経営者、社長として社員のみんなに投げかけていかないといけないんだろうな、と痛感してます。

成功を乗り越えることが成長につながる

——下平さんは、経営メンバー以外のリチカの社員の方ともお話すると思いますが、組織やカルチャー、メンバーに対してどういった印象をお持ちですか。

下平 よく「カルチャー」という表現をしますけど、スタートアップの場合のカルチャーって、ほとんど社長の頭の中身が出るものだと思っています。社員の皆様に接して、当初の見立ては間違っていなかったな、と感じました。松尾さんの人の良さがカルチャーとして伝播しているというか、いい人を惹きつけているな、というのが一番の印象です。

例えば、リチカのメンバーの奥武洋さんとはDIMENSIONのオウンドメディア「DIMENSION NOTE」でもお世話になっているんですが、結構無茶振りしちゃってることがあるんです(笑)。かなりタイトなスケジュールで投げてしまっても、いつもすごく丁寧に返してくださる。コミュニケーション、誠実さの徹底度合いがすごいなと思います。たぶん松尾さんの頭の中、心がけ、思想が伝播しているんだろうなと思います。

松尾 ありがとうございます。精進します。

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——これから調達してさらに進んでいくぞ、という中で、下平さんから見てリチカの課題があれば教えていただきたいのですが。

下平 「リチカ」という名前をつけた瞬間に、今メインのプロダクトとして取り組んでいるリチカ クラウドスタジオに会社全体がフォーカスしてしまい、会社組織としての成長が止まる、という部分はなきにしもあらずかと思います。「リチカをさらにリッチ化していくことが必要」というか、事業の展開を常に考えていかないといけないと思います。ビジョンって、作った瞬間に求心力は高まりますが、免疫力が上がってしまうんですよね。免疫力というのは、外部から新しいものを取り入れる力が下がってしまう、という意味です。

PMFにフォーカスして、ミッション、ビジョンを作り込んでいくというのは、一つの成功の形です。その成功をどう乗り越えていくか。将来的に、リチカクラウドスタジオというプロダクトと並列して何かを作る可能性もありだと思います。免疫力を一部弱めて、例えばコマース、メディアをやったりなど、新しいものをどう取り入れていくのかは課題になってくることかと思います。

松尾 まさにいま、当たりそうだなと思っている課題ですね。

リチカ クラウドスタジオを超えてゆけ

松尾 いま事業をやっていきながら、マーケットって思ったより大きいぞと自覚をしてきています。その中で先ほど下平さんがおっしゃったように、複数の事業展開を見すえ、先へ先へと手を打っていくことも必要だなと考えています。

下平 リチカ クラウドスタジオの一次的な提供価値は「コスト削減」になるので、めちゃくちゃ高単価でいけるものではないと思うんですね。よりLTVを高められる施策はまだまだあると思いますが、いずれ課題になってくるかと思います。マーケットサイズを考えていくと、ミルフィーユのようにいろいろな事業を仕掛けていくのが、経営的にもいいのではないかと思います。

松尾 社内で1つの大きな事業をしていると、どうしてもそこにフォーカスしてしまって、僕もそうなんですけど見ている視点が狭くなりがちなんですよね。それを打破するために、社内の信頼できるメンバーにリチカ クラウドスタジオのトップを任せ、僕が新規事業をやる、という可能性ももしかしたらあるのかなと思います。

下平 どういう人がトップに立つかでその事業の到達点は変わると思います。重要なのは、組織の中の新陳代謝をどう高めていくかを考えること。松尾さんは余白が大きいタイプのリーダーなので、個人的にはホールディングスのトップにふさわしいと考えています。リチカ クラウドスタジオを起点にして、その上の大将軍になれる。余白がないと下のメンバーはついてけないので、事業を複層化していくのは松尾さんに合っていると思いますよ。

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どんどんチャレンジして、失敗を繰り返して

松尾 5年後ぐらいを考えたときに、実際のところグローバル展開もあるだろうなと思ったりもするんです。国内のSaaSって、日本の商慣習がベースになっていてガラパゴス化しているところもありますが、リチカ クラウドスタジオはそうじゃないと思っているので。

下平 その通りですね。それから集客する力、自分たちでマーケティングする力、ブランディングできるチームも社内にあるので、それにレバレッジをかけて今の事業とは非連続なことをどんどんやっていいと思います。ひとまずカジュアルにいろいろ試していってもいいんじゃないでしょうか。

松尾 今の段階からどんどん小さな失敗を繰り返して、海外展開とか、提供するサービスの幅をどんどん増やしていったほうがいい、ということですね。

下平 間違いないです。選択と集中をする時期ではないかな、という感覚はするので。

松尾 今回、既存の投資家さんほぼすべてから改めてシリーズBでご縁をいただいて、いかに短い期間で実績を作るか、考えていたんです。でも皆さん、口を揃えて「なおさら、今回資金が入るんだったら中長期視点でもっと挑戦できるポテンシャルはあるよ」と言っていただけたんです。パラダイムシフトというか、僕の考え方が間違ってたんだなと思いました。改めて攻めていきたいと思っていますし、いま、過去イチギラついてるので! 壁打ちさせてください(笑)。

下平 もちろんです(笑)。

広告とクリエイティブの力を信じ、さらに面白いフェーズへ

——最後に、リチカに興味を持った方、求人に応募してみようかなと思った方に向けて、メッセージをいただけますか。

下平 スタートアップって厳しい世界なので、大手を振って奮って来てください! と言いづらい部分は正直なところ、あります。ですが、事業のポジションと将来の変数の多さは他の会社にはなかなか見られないところで、本当に面白い会社だと感じます。それから、リチカは人がめちゃくちゃいいし、素晴らしい仲間を得られる。そこについても太鼓判を押したいと思います。松尾さん以下、経営チームとビジョンレベルで共有できるものがあれば、広告とクリエイティブの力を信じて挑戦したい人にはめちゃくちゃ面白いフェーズだと思います。

松尾 本当に今日はありがとうございました!

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(編集協力/株式会社WORDS

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